大げさに騒がず普通にすごす代償は甚大
コロナウイルスには毒性の弱いS型と毒性の強いL型の2種類があるとされる。
欧米で感染が広がっているのがL型であると見られている。
また変異のスピードが速いことも特徴とされる。
感染して体内に抗体が得られれば免疫を持つことになるが、感染者が陰性になった後で再び陽性になる事例も報告されている。
ジョンズ・ホプキンス大集計によると4月25日時点で
感染者数 2,765,139人
死者 182,690人
になっている。
致死率は6.6%。
極めて高い。
感染拡大を容認して集団免疫を獲得するという対応方法がある。
社会の構成員の一定比率が感染者となり、免疫を獲得する場合、ウイルスの感染拡大が収束に向かう。
社会全体として感染拡大が生じない状況が生まれる。
社会全体に占める感染者の比率がどの水準になれば感染収束を期待できるのかはウイルスの感染力に左右される。
ウイルスの感染力の強さは基本再生産数=アールノートで表現される。
アールノートとは、感染者が、その感染症の免疫をまったく持たない集団に入ったときに、直接感染させる平均の人数で表わされる。
アールノートが2であれば、感染者の比率が5割になれば感染拡大が止まる。
感染者合計数が減少に転じることになる。
5割の人が感染することにより社会は集団免疫を獲得することになる。
アールノートが3の場合には、感染者の比率が67%にならないと感染が拡大する。
ウイルスの感染力の強弱によって集団免疫を獲得するための感染者比率が変化する。
コロナウイルスの場合、アールノートが3であると仮定すると人口の67%が感染者になれば感染拡大は止まる。
1億2700万人の8509万人。
この場合、致死率が6.6%であると562万人が死亡する。
日本で公表されている4月25日時点の感染者数は1万2863人、死者は345人で、致死率は2.7%である。
この致死率2.7%で計算すると8509万人感染者が生じると230万人が死亡することになる。
つまり、集団免疫を獲得することは膨大な死亡者を発生させるという大きな代償を伴うのである。
また、死亡しない感染者でも、重大な後遺障害が残る可能性があることも指摘されている。
「大げさに騒がずに普通に暮らせばよい」と主張する者がいるが、こうした現実を冷静に考察していない、あるいは考察できないことが背景であると思われる。
したがって、現実の選択としては、感染を抑止することを基本に置かざるを得ない。
感染を抑止するには「検査と隔離」が基本になる。
感染を拡大させるのはあくまでも感染者である。
したがって、感染者を的確に発見することが基本になる。
また、高齢者や基礎疾患を持つ人は感染すると重篤化するリスクが高い。
高齢者や基礎疾患を持つ人は、とりわけ早期発見が重要になる。
ところが、安倍内閣はPCR検査を徹底的に妨害してきた。
このために検査が遅れ、かけがえのない命が失われている。
加藤-尾身ラインが検査利権を厚労省-感染研-地方衛生研-保健所を軸とする検査利権ムラで独占することを優先していることが背景だ。
五輪ファーストで感染者数を少なく見せることも重視され続けている。
加藤勝信厚労相はPCR検査を妨害するために全国に850しかない帰国者・接触者外来を防波堤として活用している。
帰国者・接触者外来は徹底的にPCR検査を抑止している。
このために感染者が放置されて感染拡大が促進されている。
PCR検査が妨害されているために多くのかけがえのない命が失われている。
検査妨害は万死に値する罪深い行為だ。
国民の犠牲を抑制するには感染抑止対応を継続する必要がある。
この点を踏まえれば2021年の五輪開催は極めて困難である。
五輪延期費用を日本が負担することで合意したとのIOC情報を日本政府が否定した。
そうであるなら、五輪延期費用を日本政府が負担しないことを明言すべきだ。
それが不能なら五輪開催断念の意思を表明するべきである。
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
のご購読もよろしくお願いいたします。
上記メルマガを初めてご購読される場合、
2ヶ月以上継続して購読されますと、最初の一ヶ月分が無料になりますので、ぜひこの機会にメルマガのご購読もご検討賜りますようお願い申し上げます。
https://foomii.com/files/information/readfree.html
続きは本日の
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
第2613号「五輪2年延期を私心で排除した安倍首相」
でご購読下さい。
『アベノリスク』(講談社)
の動画配信はこちら
著書と合わせてせて是非ご高覧下さい。
2011年10月1日よりメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』(月額:540円(税込)/配信サイト:フーミー)の配信を開始しました。
創刊月2011年10-2012年6月は、このようなテーマで書いています。ご登録・ご高読を心よりお願い申し上げます。詳しくはこちらをご参照ください。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、[email protected]までお願い申し上げます。
価格:1,650円 通常配送無料
出版社:株式会社コスミック出版
amazonで詳細を確認する
価格:994円 通常配送無料
出版社:詩想社
amazonで詳細を確認する
価格:907円 通常配送無料
出版社:発行:祥伝社
amazonで詳細を確認する
価格:1,620円 通常配送無料
あなたの資産が倍になる 金融動乱に打ち勝つ「常勝投資術」~(TRI REPORT CY2018)
価格:1,620円 通常配送無料
価格:994円 通常配送無料
出版社:発行詩想社 発売星雲社
amazonで詳細を確認する
価格:1,620円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
価格:1,512円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
日本経済復活の条件 -金融大動乱時代を勝ち抜く極意- (TRI REPORT CY2016)
価格:1,728円 通常配送無料
出版社:ビジネス社
amazonで詳細を確認する
価格:1,728円 通常配送無料
出版社:星雲社
amazonで詳細を確認する
« かけがえのない命奪うPCR検査妨害の罪 | トップページ | 原子力緊急事態+コロナ対応長期化下の日本 »
「新型肺炎感染拡大」カテゴリの記事
- 現実に素直に対応して明るく暮らす(2021.04.12)
- 新コロダブルスタンダードをやめろ(2021.03.21)
- 「コロナ敗北宣言」の発出(2021.03.18)
- 感染拡大推進に舵切り替える半狂乱政権(2021.02.24)
- Stop&Goコロナ政策が経済に最悪(2021.02.08)