株式会社経済から共同体共生経済への転換
昨日、小春日和の好天に恵まれた東京白金台の明治学院大学キャンパスで
「しあわせの経済」フォーラム2018
が開催された。
会場に入りきれぬ市民が参加して熱気あふれるイベントが終日開催された。
「ローカル・フューチャー」の提唱者であるヘレナ・ノーバーグ・ホッジさんは体調不良で来日を断念せざるを得ず、メッセージが紹介された。
午前はイギリスのREconomy運動の提唱者であるジェイ・トンプト氏が
「レコノミー・プロジェクトと新しいビジネスのあり方」についての講演、
共生革命家のソーヤー海氏による講演
「しあわせの経済へと向かう若者たち:日本とアメリカ」
が行われた。
午後には、『日本が売られる』の新著を刊行された国際ジャーナリストの堤未果さんの講演
「グローバリゼーションの終わりの始まり:日本とアメリカの場合」
パネルディスカッション
「TPPの本当の意味」
メキシコ・コミュニティ運動の指導者であるパトリシア・モゲルさんによる講演
「新しいメキシコの選択とトセパン・モデルの意義」
が行われた。
さらに、インナー広場において、ソーヤー海さんがモデレーターを務めて
パネルディスカッション「ローカリゼーションを生きる」が行われた。
パネルディスカッション「TPPの本当の意味」では、
山田正彦元農林水産大臣
鈴木宣弘東京大学教授
野々山理恵子パルシステム東京理事長
がパネリストとして登壇し、私がコーディネーターを務めさせていただいた。
盛沢山の熱気あふれるイベントで夜にはスタッフパーティーも開かれた。
堤さんの講演は、現代社会の構造を深く抉り出し、その正体を浮き彫りにするものだった。
メディアはあらゆる問題を「二項対立」の図式で報道する。
人々はその「対立」に目を奪われて論議を過熱させる。
しかし、その裏側で進行する現実に目が向けられなくなる。
人為的に「対立」が創作され、人々がその対立に目を奪われている間に本当の目的であることがらが一気に進行してしまう重要な現実を指摘された。
また、重要な「悪事」が遂行される際には、必ずと言っていいほど、人々の関心を集める情報が意図的に流布される。
いわゆるスピン報道である。
米国でオバマ大統領が誕生したとき、米国はこれで変わると考えた人々が多数存在した。
しかし、オバマ大統領自身、多国籍企業が支配する巨大な資金で支配されていた。
だから、米国が変わることはなかったのである。
TPPは日本の制度や規制を根底から変質させる重大性を有している。
メディアはTPPを「包括的で高いレベルの通商ルールづくりを日本主導で実現した」などと賞賛しているが、実際には、日本の国民にとって利益になる内容は皆無に近く、TPPはグローバルに活動を展開する大資本の利益極大化のための枠組みでしかない。
鈴木宣弘氏は、米国のハッチ議員が製薬業界から5億円の献金を受けてTPPにおいて医薬品の知的所有権の保護期間を5年から20年に拡張するために活動した事実を示された。
要するに、多国籍企業が自らの利潤を極大化させるために、巨大な金の力で政治を動かし、制度を決定しているのである。
山田正彦氏はTPPについて、交渉差し止め・違憲訴訟を指揮され、現在は種子法廃止に対する対抗アクションを主導されている。
多国籍企業は日本の種子市場に狙いを定めていたと考えられる。
日本をTPPに組み込む重要な目的のひとつに、日本の種子市場の制覇を位置づけてきたことを指摘される。
種子法はコメ、麦、大豆の主要農作物について、その種子の保全、管理、開発に国や地方公共団体が積極的に関与し、食料の安定供給、農家への種子の安定供給を図る制度を定めたものだった。
しかし、世界の種子市場を支配する少数の大資本が日本の種子市場を制圧する上で、この種子法の存在が最大の障害になると判断した。
そのために、安倍内閣に命令してこの種子法を廃止させたのである。
さらに、種苗法の改定を目論んでおり、天から賦与された生命の源である種子の遺伝情報資源が強欲な巨大資本によって強奪されようとしている。
TPPには重大な問題が潜んでいるのだ。
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