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2008年7月 2日 (水)

民主党に忍び寄る危機

朝日新聞が6月14、15日に実施した世論調査では、福田内閣の支持率が5月調査の19%から23%へ上昇した。不支持率は65%から59%に低下した。政党支持率は5月には民主26%、自民22%だったが、6月は民主、自民ともに22%で横に並んだ。

  

民主党に対する支持が低下し、福田政権の支持率が回復している。ガソリン暫定税率、後期高齢者医療制度、年金記録問題で国民の不満は爆発し、福田政権は末期症状を示したが、マスメディア報道が四川大地震や秋葉原での殺傷事件にシフトし、参議院での福田首相に対する問責決議案可決もほとんど報道されないなかで、民主党支持率上昇の流れがストップした。

  

自公政権は権力維持に手段を問わない行動に出ていると考えられる。権力迎合のマスメディアは政権に都合の悪い情報を極力報じない姿勢を強めている。与党は次期総選挙での政権交代阻止に向けて、次々に戦術を繰り広げる可能性が高い。民主党が手をこまぬいていれば、政権交代実現の最大のチャンスは潰えるだろう。

  

衆議院の任期が2009年秋までであるから、総選挙は今後1年3ヵ月以内に必ず行われる。福田政権が持続して福田首相の下で次期総選挙が戦われるのか、首相が交代して選挙が実施されるのかが、まず焦点になる。福田首相が辞任する場合、後継首相の第一の候補は麻生太郎前自民党幹事長だが、自民党派閥領袖の古賀氏、山崎拓氏、二階氏などは麻生首相誕生に消極的である。

  

総選挙のタイミングに大きな影響を与えると見られているのが、来年7月の都議会選挙である。公明党は都議会選挙を最重要視しており、来年春以降の総選挙には強い難色を示している。また、任期満了での総選挙では、政権は選挙に良いタイミングを選べない。状況が与党に不利になっても選挙をせざるを得なくなる。

  

政権がイニシアティブを発揮して選挙を実施するとなると、今年の秋か来年1月ということになる。日本経済は昨年末を転換点に景気後退局面に移行したと考えられ、時期が遅れるほど不況の認識が広がるため、来年春以降の解散総選挙はこの面からも敬遠される可能性が高い。

  

問題は、福田首相が残留するか首相交代があるかだ。残留する場合には、洞爺湖サミット終了後、9月までに内閣改造が行われることになる。しかし、次期総選挙での自民党の議席大幅減少は避けられず、議員からは福田首相では総選挙を戦えないとの声が強い。サミット終了後に福田首相が速やかに内閣改造を実施しない場合には、首相交代を求める自民党内の動きが本格化する可能性が高い。

 

そのなかで、注視を怠れないのが新党結成の動きである。「喜八ログ」様が6月30日付記事で、謎の憂国者「r」さんからのメッセージとして「改革新党「CHANGE」を予測する」との興味深い論考を提示された。以下はその引用である。

  

(引用開始)

橋下徹大阪府知事はカイカク派にとって最後の切り札である」

私「r」はそのように考えています。
それを念頭においてお読みください。

ジャニーズ事務所所属タレント「木村拓哉氏(通称:キムタク)」主演のフジテレビドラマ「CHANGE」がネオリベ新自由主義思想のプロパガンダドラマである、と数多くの識者やブロガーが指摘しています。
小泉純一郎
氏の元秘書である「飯島勲氏」や「渡辺喜美行革大臣」の関係者が深く関与している、と一部メディアやブロガーが指摘しています。
そのような状況を鑑《かんが》みると決して「陰謀論・謀略論」で片付けられないものがあるように思います。

フジサンケイグループと言えば先の「郵政解散総選挙」における民放各局の「偏向報道合戦」において「テレビ朝日」同様に重要な役割を演じてきました。
言うまでもなく「小泉構造改革」に盲従した報道姿勢を終始貫きましたね。

「朝日新聞と産経新聞の『論調が一致』したら危険信号」
「テレビ朝日の報道で『世論操作の傾向と対策』がわかる」

私「r」の「鉄則」に見事なまでシンクロした報道姿勢
それを鑑みるとただ単に「視聴率至上主義」とは思えぬ胡散臭さときな臭さを感じるのは私「r」だけでしょうか?

フジサンケイは永い事「愛国保守」を錦の御旗に掲げ「右派的報道スタンス」をとっていたかに見えます。
しかし「新自由主義」と「愛国保守」が両立、そして共存できないことは既に佐藤優氏によって証明されました。
勿論、新自由主義と左翼思想も両立・共存は出来ないでしょう。
もし仮に両立・共存出来たとするならばそれは

「偽右翼思想」(保守亜流)
「偽左翼思想」(革新亜流)

と言う事になります。
そう考えると朝日新聞と産経新聞が一致することはある意味、至極当然なのでしょうね。

さて

大阪府において「橋下徹氏」が大暴れしています。
橋下府知事は全ての新聞テレビと共同で大阪府職員を叩き捲くっています。
その構図は嘗ての「小泉政権」の手法と酷似していますね。

「改革派 vs 抵抗勢力」

この図式です。
大阪府職員も職員で新聞テレビと橋下氏が「用意した土俵」に乗せられサンドバッグ状態です。
新聞テレビが入ると言う事は「好き勝手に編集されて偏向報道される事」を意味する、と大阪府職員は自覚すべきでしょう。

「自治労幹部は改革派とつながってるのでは?」

連合が怪しい動きをしている事を鑑みると穿《うが》った見方をしてしまいます。

「ネオリベ改革新党」

この動きは一部週刊誌・月刊誌やブログなどでかなり前から囁かれています。
私「r」もその可能性について追求してきました。

前原誠司氏」
小池百合子史」
小泉純一郎氏」

「自民党清和会(清和政策研究会)」
「民主党凌雲会
松下政経塾出身者」
小泉チルドレン(83)」

これらの「ネオリベ構造改革派」としか思えない人々が結集する、と皆が皆予測しています。
確かにそうでしょうね。
でも、構造改革の正体が日常生活から感じられるようになった現在の状況においてテレ朝など新聞テレビの偏向報道だけで「改革新党」が成功するでしょうか?

「非常に厳しい」

そう考えるのが普通ですね。
「構造改革派」自身がそれを一番実感しているはず。
となれば、彼ら彼女らは生き残りを賭けて「最後の大勝負」に出ること必定。
だからこそ

「冒頭の政治的ドラマ」

なのかも知れませんね。

前置きが長くなりましたが、結論に行きます。
以下は私「r」の勝手な予測ですので予《あらかじ》めご了承願います。

(但し私「r」の予測は外れる事を願って書いています。万一的中したら日本人にとって極めて重大な事になってしまいます。だからこそ、本気で外れる事を願っています)

改革新党の名称は

「カイカク新党『CHANGE』」となります。

スローガンは

「カイカクから変革へCHANGE!」

思想は「ネオリベ:新自由主義(市場原理主義急進派)」です。
外交に関しては「米国至上主義」です。
防衛は「9条改正」です。
「国際貢献」と称する米国追従主義がそのドグマ(教義)であり「日米同盟がうまくいけばすべてがうまくいく」と考えます。

改革新党の構成員ですが

党首候補として有力なのは「橋下徹大阪府知事」でしょうか?

(他の「某知事」が党首になる可能性もあると思います)

仮に橋下氏が党首になったとしましょう。
その場合

橋下氏が大阪府で実行しようとしている「緊縮財政政策」は正に小泉政権時の「骨太の方針」に近いものを感じます。
但し、橋下徹氏は現役の「大阪府知事」です。
党首にはなれても「内閣総理大臣」にはなれません。

(その件は後ほど・・・)

他には「東国原英夫宮崎県知事」など多くの「改革派知事」が結集するでしょう。
堂本千葉県知事や片山元鳥取県知事、浅野元宮城県知事などでしょうか?
当然

「せんたくメンバー」「脱藩官僚の会」

この方々も結集するでしょう。
そして前述の

「前原誠司氏」
「小池百合子女史」
「小泉純一郎氏」
「自民党清和会」
「民主党凌雲会」
「松下政経塾出身者」
「小泉チルドレン」

が結集するのではないでしょうか?

(但し小泉純一郎氏は自民党に残留すると思うのです。目的は自民党を封じ込める為でしょうね。代わりに「ご子息」が参加するかも?)

他には「石原慎太郎 with 石原ファミリー」でしょうか。

そして史上かつてないほど多くの「タレント・芸能人」も参加するかも知れません。
特に最近「キャスター」として売り出し中の「若手お笑い芸人」は参加の可能性が高いかも知れませんね。
多分、大手芸能プロダクション所属の「イケメンタレント」も数多く参加するかも知れません。

当然、新聞テレビはテレ朝を中心にNHKまでもが「偏向報道」を実行するでしょう。
そして一番肝心なのは

「自作自演のホニャララ」

これに便乗したプロパガンダに警戒せねばなりません。
まじめな話、自作自演のホニャララが「決行」されたら新聞テレビはそれ一色になります。
そうなったら間違いなく朝から晩まで「カイカク新党・党首」の勇ましい姿が活字に、そして映像に登場するでしょう。
それも「郵政解散総選挙」以上にです。

そして目出度く辛うじて「カイカク新党」が衆院で過半数を維持したら
参院野党は間違いなく分裂してカイカク新党に靡くでしょう。
その時です!

「カイカク新党・党首」

この人は新聞テレビを通じて国民に向かって絶叫するのです。

「私は知事であります、よって総理大臣になる資格はありません!されど民意が私を総理にしたい、と訴えている。でも私は筋を通したい!知事選挙区から衆院代議士候補に立候補して有権者のみなさんの声が聞きたい!」

そこでタイミングよく「知事選挙区」の衆院代議士が議員辞職するのです。
その形態が

「選挙違反による国策捜査による辞任なのか
「知事の熱いメッセージに呼応しての辞任なのか

何なのかはわかりません。
そして「劇場選挙第二弾」が始まるのです。

そして

「日本は世界最大の新自由主義国家に生まれ変わる」

その後の「阿鼻叫喚」は

読者の皆さんのご想像にお任せします。

(引用終了)

  

  

私は基本的に「r」さんの上記予測に同意する。この流れを阻止できなければ、日本の未来は潰えることになると思う。

  

6月30日午後10時「NHKスペシャル」は「大阪コストカット論争 借金5兆円・橋本知事の荒療治」はほぼ完璧な自民党広報番組だった。橋本知事は時代劇のヒーロー並みの取り扱いを受けていた。橋本知事は知事就任直後、NHK番組に30分遅れて到着したことを司会者に注意されたことに逆上してNHK番組出演拒否を宣言したから、その修復の意味もあったのかも知れないが、より大きな背景の下で番組は制作されたのだと考えられる。

  

橋下知事は大阪の財政再建に向けて文字通り粉骨砕身の努力を注ぐが、障害者への補助金や府民の安全にかかわる事項に関する予算維持要求に対しては真摯に耳を傾けて、きめ細かい対応を示していることなど、美談だけが強調されて描かれていた。NHKが完全に政治権力の広報部門に堕していることを鮮明に示す番組に出来上がっていた。

  

財政赤字深刻化の原因として、三つの要因を提示することができる。①府職員の人件費、②天下り機関などへの支出、大型プロジェクトへの投資、③歳出規模に対して歳入規模が構造的に小さいこと、の三つだ。

  

府知事として財政再建に取り組むのなら、②と③に力点を置くべきだと私は考える。一般府職員の給与水準が高いことよりも、高級官僚の天下り、天下り機関の整理を優先するべきだ。また、特定企業や政治家の利権の温床となっている大型プロジェクトを根本から見直すべきである。

  

天下り機関などへの支出を切り込み、歳出をスリム化して残存する赤字は構造的なもので、そのしわ寄せを府民に押し付けるのは正しくない。国家財政にも共通する問題だが、歳出入のバランスを確保するための制度変更が求められる。

  

橋下氏の手法は財政再建の焦点を府職員の給与カットに集中させているところに大きな特徴がある。府職員の給与カットによる財政赤字削減案を府民が歓迎するのは当然だ。府民に痛みは生じることなく、赤字だけが減るのだから。公務員はしっかり仕事もせずに高い給与を得ているとの怨嗟は一般府民の間に渦巻いており、府職員と対峙して給与減らしに奮闘する橋本知事をマスメディアが白馬の騎士として描けば、拍手喝さいが生じるのは当たり前だ。

  

しかし、一般府職員の所得水準決定においては、府職員の労働者としての権利が尊重されなければならないはずだ。民間企業の場合でも、労働者の賃金は労働者の権利が尊重されるなかで、労使の交渉によって決定されることが、憲法上の労働者の権利として保障されている。弁護士である橋本知事が、マスメディアの翼賛報道と府民感情にのみ依存して、労働者の権利を軽視して横暴に振る舞うことは是認されるべきでない。

  

府職員の給与は府職員の生活を支える糧である。府職員が職場で勤勉に働き、窓口での対応を改善して、府民に対するサービスを充実させるために橋本知事が奮闘するなら、その努力は歓迎される。やみくもに給与引き下げをごり押しする前に、府職員の労働の質を高めることが検討されるべきだと思う。このような対応では、職員の労働モラールは低下するばかりであろう。優れた民間企業経営者は賃金カットを絶叫する前に、雇用者のインセンティブや労働の質の改善に注力するはずだ。

  

橋下知事は府職員の労働コストに照準を合わせている。「十分勤勉に働かずに賃金要求だけに熱心な府職員」のイメージを府民や国民に印象付けて、知事はこうした「抵抗勢力」と闘う「白馬にまたがる正義の騎士」であるとアピールするのだ。

  

橋下知事が府職員の給与カットを断行するなら、自らの所得水準もその水準に引き下げるべきだ。交渉にあたる労働組合関係者から、知事は公務以外のタレントとしての収入を得ているではないかとの質問が飛ぶのは順当である。

  

話がやや横道にそれたが、政府与党は、次期総選挙に向けて、一般公務員をスケープゴートにして、国民の支持を確保しようと企んでいると考えられるのだ。一般公務員は換言すれば「自治労」ということになる。社会保険庁の杜撰な年金記録問題も、その責任は政府が負うべきであるが、政府与党は職員である一般労働者に責任を転嫁しようと考えているのだと思われる。

  

8月に「CHANGE」を標榜する勢力が新党を立ち上げる可能性が高い。自民党内では中川秀直氏が「上げ潮派」として「官僚利権打破、歳出削減優先、成長促進政策」の旗を掲げ、小池百合子元環境相、渡辺喜美行革相、武部勤自民党元幹事長、小泉チルドレンが連携する動きを強めている。

  

自民党外部では、江田憲次衆議院議員、高橋洋一氏、岸博幸氏などを中心に「脱藩官僚の会」が結成される見通しだ。これらの動きの背後に小泉純一郎元首相、竹中平蔵氏、飯島勲氏などが蠢いている。

  

「r」さんが指摘するように、前原誠司氏を中心とする「民主党凌雲会メンバー」、「松下政経塾出身者」が民主党から脱藩する気配を示し始めている。ここに、橋本大阪府知事が名前を連ねる可能性は十分に考えられる。

  

しかし、気をつけなければならないことは、これらの新勢力が目指す方向が小泉政権が指し示した「弱者切り捨て-弱肉強食容認-拝金主義礼賛の市場原理至上主義」であると同時に、対米隷属路線であることだ。

  

新勢力は自民党と連携することが確実だ。新政党と自民党との連立によって政権を維持することが目指されている。新勢力は官僚利権根絶の旗を掲げる可能性があるが、自民党との連立政権で官僚利権根絶が実現する可能性はゼロである。

  

しがし、これらの新しい動きは国民の目を引く可能性がある。権力迎合のマスメディアは、新勢力を礼賛する翼賛報道を大規模に展開する可能性が高い。民主党から新政党に脱藩する者が多数発生すれば、秋に小沢一郎氏が民主党代表に再選されても、民主党は勢いを完全にそがれる。新党の人気が高まれば、秋に総選挙を実施しても、自民党と新政党で過半数を確保することが可能になる。

  

しかし、これらの見かけ上の変化は、実態的な変化を国民生活にまったくもたらさない。むしろ本当に必要な変化が実現するチャンスは半永久的に閉ざされる結果をもたらすに違いない。

 

格差は放置され、障害者、高齢者、母子世帯、生活困窮者など、生存権が脅かされている人々に対する政治の責任は一段と無視されることになるだろう。ごく一部の特権階級の企業および人間と外国資本だけが優遇され、日本古来の潤いのある社会風土は根絶されることになるだろう。

  

民主党を中心とする野党勢力は、次期総選挙に向けて、政策綱領を早急にまとめて国民に提示しなければならない。人間性を崩壊させる市場原理至上主義の政策に代えて、人間尊重の政治、独立自尊の外交、官僚利権根絶の政策を明確に打ち出すべきである。残された時間は限られている。早ければ決戦の火ぶたは今秋にも切って落とされる。野党の行動開始が求められている。

  

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