白浜と武は、桜島内でもっとも安全な場所だ。現在噴火中の南岳との間に北岳があって高まりをつくっていて、距離も昭和火口から5キロ以上離れている。卓越風の風上側でもある。山側の着色した範囲に噴火口が開かない限り、島外に脱出しないでそこに留まったほうがよさそうだ。
浅間山の1108年追分火砕流は山頂火口から南北に12キロずつ流れた。もし、これと同じ火砕流が桜島から西方向に下ったら、鹿児島中央駅まで届く。海上よりも山かげのほうが、火砕流危険は小さい。海上に出た火砕流は広げた扇のように進むから、噴火口から離れたい一心で海に出ると、場合によってはつかまってしまう。
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桜島2012年の積灰。黄色線は、10, 1, 0.1 kg/m2。
鹿児島県データ。 1 kg/m2が囲む面積は1050 km2だから、2012年の噴出量は1300万トン。
桜島からの積灰は1985年が最高だった。20キロ以内32箇所の年間重量。
鹿児島県データ。
2012年を1300万トンとして、他の年の噴出量をこのグラフから決めるとこうなる。この37年間の合計は3億6000万トン。噴火マグニチュードでいうと4.6だ。1955年昭和溶岩と同じ。1914年大正溶岩の10分の1。
1978年から2014年までの桜島からの積灰。
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・北岳山頂火口 5700年前を最後に噴火してない。
・南岳山頂火口A
・南岳山頂火口B
・昭和火口 いまよく爆発する。
南岳山頂火口もときどき爆発してるが、A、Bどっちからだか、私は知らない。 形状からみると、Bからだと思われる。
桜島昭和火口から上昇したブルカノ式噴煙。井村隆介さんが2015年3月29日1857撮影。
この写真から火山噴煙の特徴がたくさんわかる。・根元が切れている。ブルカノ式爆発では火山灰放出が数分で終わる。このような短時間の放出をサーマルという。長時間続くとプルームという。いまの桜島では灰噴火がプルームだ。
・噴煙の上部が平らだ。大気は密度と温度に関して成層してる。そのなかを火山噴煙が上昇できる高さは、爆発で供給された熱量で決まる。噴煙を上昇させる原動力は浮力だ。
・噴煙が左に傾いている。上空ほど風が強いからだ。
・噴煙から落下する火山灰が写っている。左から右に斜めに降っているようにみえるが、これは上空ほど風が強いせいによるみかけだ。特定の火山灰粒子に着目すると、右から左に降っている。風は右から左。
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桜島昭和火口から高さ1kmの火柱が上がりました。2月8日4時54分のことです。
Kago-Netに動画があります。この動画は英語圏でも注目されています。
Volcanism Blogで紹介されました。
気象庁によると、このとき発生した爆発音は基準以下で、爆発があったことにはなっていません。すなわちブルカノ式ではなかったということです。灰噴火だったというべきでしょうか、それとも単発的なストロンボリ式だったというべきでしょうか。たくさんの火山弾が着弾したことと、火山雷が繰り返し発生したことも特徴です。
火山名 桜島 火山の状況に関する解説情報 第33号
平成21年4月9日16時05分 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台
**(本 文)**
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
1.火山活動の状況
昭和火口では、本日(9日)15時31分に爆発的噴火が発生し、火砕流が火口から東側へ約1km流下したのを確認しました。噴煙の高さは火口縁上4000m以上で南西へ流れました。また、弾道を描いて飛散する大きな噴石が4合目(昭和火口より800から1300m)まで達しました。
2.防災上の警戒事項等
昭和火口及び南岳山頂火口から2kmを超えた居住地域近くまでの範囲では、大きな噴石及び火砕流に警戒が必要です。
風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石(火山れき)に注意が必要です。
降雨時には土石流に注意が必要です。
次の火山の状況に関する解説情報は、10日(金)16時頃に発表の予定です。
なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
桜島の12時26分火山灰放出は(山腹の)昭和火口からではなく、ひさしぶりに南岳山頂火口内からだった。南岳山頂火口から噴火したことの意味はわからないが、変わったことがあったので格別に注意したい。→
噴火に関する火山観測報(気象庁)
気象庁は、桜島の危険レベルを3だとアナウンスしているが、レベル3の中にも高低がある。気象庁がその高低をいまどうみているかを、情報発表の頻度で推し量ることができる。
火山の状況に関する解説情報についてみてみよう。
25号 3月27日16時00分 次は30日16時
26号 3月30日16時00分 次は3日16時
27号 4月2日16時00分 次は3日16時
28号 4月3日10時50分 次は3日16時
29号 4月3日16時00分 次は6日16時
気象庁は、3月30日までは毎週2回、月曜日16時と金曜日16時に発表していた。しかし今週は、月曜日、木曜日、金曜日(2回)の合計4回発表した。27号と28号が、いわば臨時である。
単純に考えて、桜島の危険度が2倍に上昇したと気象庁がみたと解釈できる。週後半の発表頻度増加を重要視すれば、危険度の上昇は2倍を超えるとみることもできる。ただしきのう金曜日16時の定例発表の末尾に、次回発表予定は月曜日16時にすると、これまでの頻度を維持すると書いているから、この危険度の上昇は一過性のものであり、まもなく終了するだろうと気象庁はみていると判断する。
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