1)
鬼押出し柳井沼(2時間) 浅間山入門、ブロック溶岩
2)
鎌原村(1時間半) 天明噴火災害、黒岩
3)小浅間山(3時間) 天明軽石、溶岩ドーム
4)
舞台溶岩(4時間、整備中) 火砕流と溶岩
5)
鬼押出し横断(5時間) 鬼押出し溶岩を覆う吾妻火砕流
6)
しゃくなげ園からシラハゲ(4時間) 厚い嬬恋軽石
7)車坂峠から黒斑山(5時間)、山体崩壊、前掛山と釜山
8)浅間山荘から湯の平(5時間)、追分火砕流、衝突クレーター、山体崩壊
9)御代田(2時間半) 追分火砕流、平原火砕流
10)
南軽井沢(5時間) 流れ山、赤岩、パッチワーク断面
上級(橙)
中級(紫)
初級(青)
長野原町がいま整備中の舞台溶岩トレッキングコースを、浅間園長の案内で2017年5月5日に歩きました。長野原町有地の中だけを歩く一周コースです。6.3キロで3時間30分かかりました。初めは、ガイド引率による1日ツアーにするのがよいと思いました。舞台溶岩の上で、迫り来る鬼押出し溶岩を見ながら江戸時代の天明噴火を想像してピクニックすると楽しいでしょう。
グーグルマップ
・火山博物館から鬼押出し溶岩に上がる階段の迂回舗装道路から林に入る。
・3世紀末の小滝火砕流(Cig)に掘られた溝の中を進む。両側に小滝火砕流が現れる。(2010年の地質図には表現してない。
2万5000分の1地質図修正2010年10月3日)
・しばらくすると、コースは2メートルほどの段差を乗り越えて小滝火砕流の上にあがる。
・右手に鬼押出し溶岩(Alf)、左手に下の舞台溶岩(Glf)が見えてくる。下の舞台溶岩は3世紀末の噴火で流れたと思われる。
・コースは10メートルの崖に突き当たる。ロープを頼りにそこをよじ登って下の舞台溶岩の上にあがる。
・上の舞台(Glf)の末端崖をゆるかに登る。上の舞台は1108年の噴火で流れたと思われる。
・突き当りの斜面を右にトラバースして、鬼押出し溶岩の上に出ると素晴らしい展望を楽しむことができる。
・来た道を戻って、林の中を右に曲る。(写真は登り道から撮った。赤布を目印に左に進む。)
・林の中を進むと、吾妻火砕流(Aig)に特徴的な赤いじゃがいものようなスコリア塊が地表に見えてくる。吾妻火砕流は1783年8月4日に流出した。
・林から抜けると、上の舞台溶岩の表面は吾妻火砕流に薄く、しかしびっしりと覆われていることがわかる。山側には表面がゴツゴツした鬼押出し溶岩が壁のように迫っている。
・緩やかに傾く上の舞台溶岩の表面を下る。やや不明瞭な崖をおりて下の舞台溶岩の表面に戻る。
・やはり吾妻火砕流に薄く覆われている。
・下の舞台溶岩がつくるはっきりとした崖をおりる。溶岩断面の露出がある。
・しばらく進むと吾妻火砕流の堆積物がつくった樹型の穴がいくつもコース沿いにみつかる。
・鬼押しハイウェイを通る車の音が聞こえてくる。
・サイクリングロードを火山博物館まで戻る。
【“浅間山舞台溶岩トレッキングコース(整備中)”の続きを読む】
天明三年七月八日(1783年8月5日)に浅間山から流れてきた土石なだれに鎌原村は、鎌原神社(左の白丸)を除いて、すっかり埋まった。観音堂(右の白丸)に至る石段50段を駆け上がった93人が助かって、477人が土石に飲まれた、とされる。
観音堂の石段に向かって左側に十王堂と呼ばれる粗末な倉庫がある。その内壁に、興味深い木板が無造作に釘打ちされている。
その木板には、噴火から37年後の文政三年八月(1820年9月)に寒念仏を奉納した女性15人の名前が、冒頭に書かれている。15人のうち「ふよ」と「さよ」を、天明三年(1783年)生存者記録の中にみつけることができる。ふよは死んだ萬之助(30歳)の妻だったから噴火当時20代だったろう。その37年後は60歳を少し超えた年齢だったはずだ。
噴火災害を生き延びた老女たち15人が観音堂に集まって、供養のための念仏を唱えたのではなかろうか。だからこそ、封建社会では下位に置かれた女性たちにもかかわらず、冒頭に名前が掲げられているのだと考えられる。女性生存者44人のうち名前が記録されているのはわずか10人に留まる。34人の名前はわからないから、「ふよ」と「さよ」以外の13人も生存者だったと考えておかしくない。
このときの寒念仏が、鎌原村にいまも続く回り念仏の始まりだとみられる。天明三年噴火死者を供養するために女性たちだけが念仏を唱える。ごく最近まで家々を回って毎月2回開かれていたが、いまは村内集会所で開かれている。
【“鎌原村散歩”の続きを読む】
天明三年七月八日、浅間山噴火によって鎌原村は土石なだれにすっかり埋まった。村人の8割を超える477人が死亡して、観音堂の階段を駆け上がった93人だけが助かったとされるが、実際には93人全員が観音堂に駆け上がって助かったのではなく、村の外に出かけていたために命を落とさずにすんだ人もいたようだ。
家長との続柄を記した家単位の死亡者名簿はすでに活字になっているが、今回、鎌原村で月に2回おこなわれている回り念仏で正面に飾られている掛け軸に、死亡者の続柄だけでなく
年齢も書いてあることに気づいた。年齢がわかったことによって家族構成がはっきりして、その日その時刻に鎌原村でみられただろう避難行動を具体的に想像できるようになった。
鎌原村死者477人の年齢入り掛け軸(部分)生存者名簿は、飢人夫食拝借小前割帳が活字になっている(ここでは、児玉ほか1989東大出版会10-12を利用した)。ただし家代表の名前しかわからない。代表以外の名前と年齢と続柄はわからない。代表の年齢もわからない。
被災当日、鎌原村には96家があった。70家は全滅したが、17家で2人以上が助かった。なんらかの緊急避難行動を取ったのだろう。三陸海岸に伝わる津波てんでんこと同じことが実行に移されたとみられる。17家のうち3家で全員が助かったが、残りの14家では死亡者が出た。なお単独生存者9人は被災時に村を離れていたために助かったとみなして、ここでは考察しない。
爆発があった柳井沼から鎌原村まで 8 km。村人は大きな爆発音を聞いたはずだ。土石なだれがこの区間を 120 km/hで走ったとすると、村民に与えられた猶予時間は4分。近づく土石なだれが鎌原村の大地をしだいに大きく震わせた。前夜、浅間山の上に高く昇った噴煙から無数の火石が飛び散るのを見たばかりだった村人は、その正体はわからないながら、あるいは正体がわからないからこそ、文字通り命にかかわる恐怖を感じたことだろう。
大部分の村人は異変を感じても避難行動に移らなかった。そして一家全滅した。少数の村人が異変を感じてすぐ避難行動に移った。その多くは観音堂を目指した。ただし、高所にあるからの理由で観音堂を目的地に定めたとは限らないだろう。土石なだれは谷を越えて南から直線的に襲ってきた。観音堂がある10mの高台が自分の命を助けてくれると当時の村人が判断できたとは思えない。正体不明の恐怖から逃れるために、ただ観音様のお側に寄ろうとしただけではなかろうか。
空から見た現在の鎌原村。観音堂は画面右下にある。異変を感じてすぐ避難行動に移った、つまり三陸地方で津波から逃れるすべとして伝わるてんでんこした17家それぞれの構成員の生死とその後を以下に書く。
【“鎌原村てんでんこ”の続きを読む】
橙線は1 g/m2。赤の同心円は、山頂火口中心から0.5、2.0、4.0 km。
400トン。主体は9時半ころだったらしいが、その後夕方まで降り続いた。
山頂火口から7キロ北で@610Sonodaさんが1050に撮影。1 g/m2。右は顕微鏡写真。
その夜、山頂火口の上に火映が見えた。
昨年8月に続いて、鬼押出しをハイキングしました。キャンプ場スウィートグラスのイベント企画です。今回は3日間で55人の参加者を得ました。
【“鬼押出しハイキング 2015年5月”の続きを読む】
今年も北軽井沢のキャンプ場
スウィートグラスで、小学生の夏休み自由研究を支援する企画をします。日程が決まりました。
2014/8/12
1345コーラ弁当14502014/8/13
0930鬼押出し1130、
0945コーラ弁当1050、1345コーラ弁当1450
2014/8/14 0930鬼押出し1130、 0945コーラ弁当1050、1345コーラ弁当1450
2014/8/15 0930鬼押出し1130、 0945コーラ弁当1050、1345コーラ弁当1450
2014/8/16 0930鬼押出し1130、 0945コーラ弁当1050
・
Ustreamでコーラ噴火の中継します。
浅間山をスケッチ 弁当パックでつくる浅間山の立体模型・今年は、1日3回ではなく1日2回にしました。
・コーラ噴火は15分です。これは無料で参加できます。今年も新ネタを用意しています。お楽しみに。
・そのあとの
弁当パック立体模型は50分ほどかかります。
・鬼押出しハイキングは、私が案内します。火山博物館駐車場集合解散です。
・今年のジオキャンプはありません。
・参加申込みは、
スウィートグラスのページから。7月24日開始。
・鬼押出しハイキングが2回とも満席になりましたので、もう2回追加実施します。7月27日。
8月12日から15日まで、毎日0945、1245、1445開始。
浅間山を背景にコーラ噴火実験
おしぎっぱのツリーハウスの前でコーラ噴火実験
弁当パックで火山の立体模型をつくる。
・
Ustream中継1、
Ustream中継2・
コーラ噴火実演(YouTube)
・放射能マップを無料で配布してます。2400部用意してお待ちしてます。
・弁当パック立体模型で使う下絵を公開します。
Pdfファイル(3.3MB)火山8種類あります。
・
弁当パック立体模型のページ・北軽井沢の
キャンプ場スウィートグラス