抜群な人気に支えられて緊縮財政路線を進むとなると、これは2001年の小泉純一郎政権をそっくり再現することになるので、それは避けてほしい。そもそも藤井裕久財務相にこだわっていた鳩山首相に問題がある。この人は、もともと旧民社党系労組に支えられた政治家で、保守的、反動的な性格を持っているが、それを前面に出させないためには国民世論の盛り上がりが欠かせない。
八ッ場(やんば)ダムの建設は、もちろん中止の方向に持って行くべきだと思うが、政府はそれに代わって「グリーンニューディール」政策によって新たな雇用を創設しなければならない。繰り返し紹介するが、天野礼子さんが
と指摘している通りである。9月28日付エントリ「新自由主義かケインズ政策かの議論ではない。環境問題だ」にいただいたsonicさんのコメントによると、「ダム中止」では予算が減額するだけですが、「ダム撤去」なら、新たな公共事業が発生します。それがグリーン・ニューディールです。
とのことである。この事実を私は全く知らなかった。社会民主主義と環境問題の不親和を指摘するむきもあり、それは欧米の歴史からすると正しいのだろうが、日本では1960年代から70年代にかけて公害が深刻な問題になっていた経緯もあって、革新政党は環境問題に熱心だった。そして、社会党の村山富市首相を首班とする内閣の政権下では、グリーンニューディールのさきがけとなる河川再生の公共事業が行われようとしていたのだ。この点では、評判の悪かった自社さ政権が再評価されても良いかもしれない。村山政権下で、建設省は河川を蛇行させて氾濫原を回復しようと構想したことがあります。
しかし自社連立が崩壊したことでお流れになってしまいました。
河川の三面貼りが公共事業そのものって訳では有りません。
自然回復事業としての公共事業は技術的にも確立しており、他国での事業実績もはっきりしていて、予算次第で実行可能なのです。
そういえば、自社さ政権発足当時、亀井静香が「私はハトを守るタカだ」と言っていたことを週刊誌で読んだ記憶がある。その頃は私はまだ亀井静香を嫌っていたから、「何言ってやがる」と思ったものだが、最近、モラトリアム政策をぶち上げて、すわ鳩山首相との意見の不一致か、とマスコミに騒ぎ立てられた亀井氏が、この懐かしいフレーズを再び用いていた。但し、15年前の「ハト」は「ハト派」を意味したが、今回の「ハト」は鳩山由紀夫首相を意味する。そして、鳩山首相は必ずしもハト派とはいえない。
旧「政権交代」論者には亀井静香の評判は悪い。私は、日本会議のメンバーである亀井氏の政治思想には当然ながら全く賛成しないが、経済政策は結構評価している。自民党政権の頃から、ムダな公共事業を中止させて、より乗数効果の大きな公共事業に集中することによって景気を浮揚させようとしていた。それは、決して間違っていない。最悪なのは、「お国の借金を孫子(まごこ)の代に残すな」という、一見わかりやすく人々の心をとらえるフレーズに乗って緊縮財政路線を走ろうとすることだ。財政再建は好況時に行わなければならないというのが鉄則であって(つまり、中曽根政権や竹下政権、特に後者が適切な政策をとらなかったことが大失敗だった。「ふるさと創成」などと言って竹下がバブル好況期にバラマキを行ったことを想起されたい)、現在のように働きたくても仕事がない人たちが大量にいる状況で緊縮財政路線をとるのは自殺行為である。
その意味で、「小さな政府」論は根本的に間違っている。私が一つ愕然としたのは、当ブログで「小さな政府」、「大きな政府」という用語を用いた時、前者が市場原理主義のレッセフェール(自由放任主義)、後者が福祉国家を指すのは自明だと思って記事を書いていたのだが、その意図が当ブログの継続的な読者の方にさえ十分に伝わっていなかったことだ。
それが、前のエントリ「「小さな政府」=新自由主義はやはり根絶しなければならない」のコメント欄のやりとりで明らかになった。「大きな政府」という言葉には「ムダな政府支出」だとか「全体主義」という負のイメージがどうしてもつきまとうものらしい。「小さな政府」、「大きな政府」という用語を用いること自体、新自由主義者の策略に自分からはまるものだという指摘が以前からなされているが、その指摘が正しいことを今回痛感した。今後は、必ず「レッセフェール対福祉国家」といったん言い換えた上で記事を書くように心がけたいと思う。
なお、同じエントリのコメント欄で、「衆議院議員の地位を世襲させた小泉は新自由主義者とはいえないのではないか」との意見が見られたが、これは正しくは「小泉は市場原理主義者とはいえない」と言うべきである。新自由主義というのは、デヴィッド・ハーヴェイ的な理解によると、新自由主義とは、「富裕階級の権力回復のプロセス」であり、「経済成長ではなく格差の拡大を真の目的としたプロジェクト」である。つまり、市場原理主義は格差を拡大するためのツールに過ぎず、その真の意図は階級の固定にあるのだから、小泉は平然と議席を息子に世襲させたのである。その意味で、「市場原理主義」と「新自由主義」という言葉は区別して用いられるべきである。それにしても、小泉が地位を世襲させたことは、ハーヴェイの仮説の確からしさを一段と高めるできごとだった。
2001年の小泉純一郎内閣発足以来、どうしようもない間違った政策が続けられてきたために「ぶっ壊された」日本を再建することは容易ではないが、「ローマは一日にして成らず」である。焦りは禁物だ。しかしそれと同時に、今まさに見殺しにされている人たちを悠長に放っていてはならない。長期的視野と応急処置の両方が求められるのだから大変だが、今が重要な時だ。
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以前のコメントで管理人さんから再反論を頂いていたことを新しい記事を読んで知りました。申し訳ないです。「気まぐれ」読者なので定期的に訪れていませんでした。
「大きな政府」「小さな政府」と言ってもレッセフェールか福祉かと言ってもあまり変わりません。より分り易くなっても二者択一的な、理念的な、ideologicalは議論は不毛と考えています。ただ一般論として福祉そして財政の規模拡大を唱えている方にお聞きしたいのは財源をそうするのか、ということです。旧財投を含めればいったいいくらになるか分らない借金をどうするのでしょうか。どうしてもその辺の議論が見えないのです。インフレ政策を考えておられるのでしょうか。もちろん緊縮が正しい、と言っているのではなく、要は支出拡大に長期的展望が見えないのです。福祉国家を唱える人には何とかなる、といった奇妙な楽観論しか見えないのです。
また日本のように高水準の消費生活を行いしかも人口が多い社会で福祉を高めるには経済成長を続けるしかありません。経済成長には競争が不可欠ですが、競争と成長の重要性の認識も見えません。
また小泉氏を新自由主義と考えておられるようですが、そんな単純なものでもなく、また小泉氏が本当に新自由主義を理解しているとも思えません。貸出金利の自由化は新自由主義の経済学者が必ず主張することですが、サラ金規制が成功したのは実質的には小泉政権下です(法案は安部政権ですが)。もともと彼は金融業から金をもらっていません。立法に近い人から聞きましたが、小泉氏の影響がなければ成立は無理だったということです。そして法案成立を後押しした人の一人が「小さな政府」の河野太郎氏です。これを見てもレッテル貼りが意味を成さないことが分ります。
2009.10.16 12:11 URL | TY #- [ 編集 ]
TYさん、
もちろんおわかりとは思いますが、「継続的な読者の方」と書いたのは、確信せる新自由主義者であると推察するTYさんではなく、他の方を指します。新自由主義者の方の中には、「我々の考え方はソフィスティケートされた現代の経済学理論に基づいている」と自信満々の方が多く、そういった方々にご来訪いただけるブログであるとは全く思っていません。
私の方は逆に、これだけ雇用情勢が悪くて、働きたくても働けない人だとか、旺盛に消費したくてもできない人が大勢いる現状で、政府支出抜きで自律的な経済成長が可能であるという考え方の方がさっぱり理解できません。TYさんはもしかしてずっと首都圏におられる方なのではないかと推察しますが、都市部にも地方にも長く住んだ経験のある私から見ると、地方の惨状は大都市圏に住む人々には理解できないのではないかと思います。
「経済成長には競争が不可欠」と仰いますが、再分配も経済成長のためには必要不可欠であると私は思いますし、その認識がTYさんに十分あるようにも思われません。1998年以来ずっと年間の自殺者が3万人を超え続けている国で、再分配がうまくいっているなどということがあり得るでしょうか?
2009.10.16 21:02 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]
なぜこの日本の経済が危ぶまれている今、福祉を重要視するか?
「そこに救うべき弱者がいるからさ!」
なんて答えはもちろん、唾棄すべき思い上がりです。
「弱者を救ってやる」なんて考え方自体、弱者として見ている対象が、いかに日々 自らを貶めない気概を保って生きているか、その努力をまったく無視した考え方です。
「哀れな弱者像」など、高見から見える上っ面に過ぎません。
苦界に生きる人の身の 自らを救うは自らのみ、です。
弱者を救いたいと主張するとき、もっとも救われたがっている哀れな人間はその人自身である、と私は考えます。
私が福祉を重要視するのは「救うべきが弱者かどうかはともかく、誰かのために働いているという喜びは、何よりも尊い労働の対価であるから」です。
支払われる現金が少なくても、この「俺は今、確実に誰か(出来ればなるべく具体的近親的な対象が望ましい)の役に立ってる!」感があると、少ない収入でも人間はそれなりの満足で暮らせていきます。
経済が苦しいなら、せめて「誰かのために」という生き甲斐くらいは提供すべし、と思うわけです。
ついでに言えば、老人や身体に障りのある方が手厚く社会から恩恵を受けるのを見ることで.
働きづめで哀れにみすぼらしく老いて社会から虐げられる自分や、働きいそしんだがために体を壊して社会から放逐されてしまう自分などの将来像を労働者に想起させず、
「老いても体を壊しても、たとえ生まれつき、また終生 身体に障りがあっても、この国は自分を大切にしてくれる!」
と思わせることで、労働者の働くモチベーションを社会的にバックアップする効果もあります。
自分(及び自分に近しい位相)が大切にされているという実感・安心感は、厳しい経済的労働環境下にこそ、いよいよ必要になってくるものでしょう。
それこそがこの先 訪れる貧しさを伴う国難の中、この国の民を長期に生かしていく精神的下支えとなるのではないか、
故にそのための出費なら、赤字国債を発行しようが、多少の無理は将来投資として大目に見ようではないか、と私は思うわけです。
ま、近頃 千葉県で発覚して県知事が頭を下げたような、地方における「埋蔵金」の存在を期待しないわけではありませんが、
最悪それが無かったとしても、投資に見合うだけのリターンは長期的総合的には見こめる、
だからこそ、多少の経済的負荷をいま国にかけても、福祉を重要視すべし、と私は思うのです。
2009.10.17 03:10 URL | 朱の盤 #XQYq98OQ [ 編集 ]
朱の盤さん、
今回のコメントは福祉国家支持の立場に立つものと読めますが、これまでの「小さな政府」支持のご意見と矛盾しませんか?
ちなみに、経済成長を重視する立場に立った場合でも、再分配を重視して政府支出を増やすべき、という議論が成り立ちます。
果たして、現在の富裕層がその所得に見合った貢献を日本の社会や経済に対してなしているかというと、大いに疑問を感じます。
民主党政府は所得税の累進性強化に踏み切るべきです。特に分離課税が多すぎて高所得者の税負担が異様に軽くなっていることは改めなければなりません。
2009.10.17 12:14 URL | kojitaken #e51DOZcs [ 編集 ]
管理人さんへ
返信ありがとうございます。
まず申し上げたいのは、私は幾度か申し上げていますが、レッテル貼りが嫌いなのです。右か左かのイデオロギー的な論争は不毛だと常に感じています。
新自由主義派の経済学については、不案内ながら、コチコチの新自由主義者の学者から集中講義を受けて、驚愕したことがあります。私自身は新自由主義とは無縁です。しかしそのことを書き出すと長くなるので触れません。
地方経済は不景気になると政府支出なしでは維持できないとのことですが、それでは断続的にであれ政府支出を続けないと経済的に自立できないということですね。この問題は私の能力をはるかに超えているので分りませんが、自立できる産業を育成する必要があると思います。これはお嫌いな新自由主義派のアイディアですが、企業がもっと農業に進出することも良いのではないでしょうか。とにかくお金を有効に落とす人を探し、人口を増やす必要があるのではないでしょうか。
現在、即効性のある雇用対策は政府支出しかない点については100%同感します。ただその原資を生み出すためには経済成長しかないと思っています。再分配の重要性は理解しているつもりですが、これほど雇用が悪化し不幸な人が増えている原因は、80年代後半以降に膨大な借金を積み重ねて投資してきたものが全くリターンを生まない、つまり経済成長に結びつかないものだったことです。
この経済成長を産まない、一時的な雇用しか創出しない、数百兆円の無駄な投資を作り出すシステムが日本を貧しくした元凶と思っています。民主党が戦っているものもそのシステムですし、管理人さんは反対するでしょうか、小泉元首相が戦ってきたのも実はこのシステムだったと思います。
それからこちらへ気まぐれでお邪魔させていただいているのはネットをそれほど見ないためで、管理人さんの明晰な思考にはいつも敬服しております。ただ私の見方からは少し一方的に感じることがありましたので、ご意見を申し上げているだけであります。
2009.10.17 12:58 URL | TY #- [ 編集 ]
>kojitakenさん
先に書きました「私の『小さな政府』論」にもありますように、私の考えでは行政福祉サービスは地方地域に中央と対等な立場の『小さな政府』=分権化された地方地域自治政府によって為す方が、きめ細やかなサービスの提供が為されやすいだろう、という考えです。
そして将来的には各地域自治政府でそれぞれが財源を作って、それぞれが独立独自の予算を組み、福祉に関しても独自財源から予算配分してもらうことは目指しますけれども、
現状において「明日からさあやれ」なんてことは、非常に限られた地方都市地域でしか無理でしょう。
都市部でない地域で財源も含めた地方分権が確立するのなんて、30年は少なくともかかる話ではないでしょうか。
移行期においては、いくらなんでも地方が国債を発行できるわけはないので、中央に身銭(赤字国債)を切ってもらう以外にはないでしょう。
ただし、(使い方のチェックなどは中央・地方地域の政府と繋がりをもたない 第3者調査機関にやってもらい)中央は金だけ出してもらい、使い方に関しては地方地域にまかせてもらう。
当面についてはそういう形で『小さな政府』=地方自治政府それぞれへの権力委譲を進め、徐々に独立採算を地方地域の自治政府に求めていく、
というのが、(中央・地方地域自治政府連邦体を目指していくとして)現実的なやり方ではないでしょうか。
国の予算配分もさることながら、地方地域の予算配分というものは、現状その地方地域の方々にきちんとチェックを受ける形になっているのかというと、その方がよっぽど怪しかったりするわけですが、
とにもかくにも「福祉第一の政治」を日本全体として始動させるには、金を動かして車輪を回すことがまず必要でしょうから、
初動の緊急的処置(10年は全額国負担かもわかりません)として、これは国が金を出す。
ただし、その後徐々に(50年くらいかけて)地方地域の自治政府にその負担は請け負ってもらう、ぐらいのことはやらんといかんと思います。(地方が中央からもらえる予算にあぐらをかき自助努力を怠ったり、中央とのパイプを太くする方向で寄生虫化を目論む(現状の維持・強化)ことも考えられますので)
そうなると(地方地域の財源を巡って)地方に納める税と中央に納める税の徴収においての大々的な改革・調査も必要になりましょう。
中央・地方地域自治政府連邦体への道は、以上のように問題が山積みです。
2009.10.17 13:44 URL | 朱の盤 #XQYq98OQ [ 編集 ]
>80年代後半以降に膨大な借金を積み重ねて投資してきたものが全くリターンを生まない、つまり経済成長に結びつかないものだった
ん?
誰がそんなことを言っているのですか?
「効果があったことが証明された」の間違いでしょう?
経済成長は各部門の支出の総和なんですよ。
それに、政府支出は民間への移転なんです。政府支出が戻ってこないとしたら、政府が支出を拡大したことに問題があるのではなく、税制あたりに問題があって家計・企業がせっかくばら撒かれた通貨を内部留保してしまったことにあります。
これは政府ではなく、民間の問題です。
(「さらに強力な政府をやれ」と言うなら解決できますが、自由主義社会の枠をはみ出すことを人々は望まないでしょう。)
TYさんに「政府投資にリターンがない」と吹き込んだのは、どこの誰ですか?
2009.10.17 14:06 URL | sonic #- [ 編集 ]
関西国際空港が今のような埋め立て空港になったかご存知でしょうか。この空港の誕生までの歴史を見ると、いかに日本が無駄な公共事業を行った結果、経済成長による利益が健全な社会を創生することに使われてこなかったのかを理解できると思います。
当時、大阪では2通りの工法が盛んに議論されていました。といっても、住民たちの間では、そんな議論があったことなど知る由もありません。議論といっても、大阪市、大阪府、和歌山県などの地方公共団体、および建設業界、造船業界などの業界による議論にしかすぎませんでした。1つは現在の埋め立て工法、もう1つは浮島工法、つまり固定式の巨大な空母のような建造物を作るというものでした。どちらがいいのか様々な議論がなされました。結論は明確でした。浮島工法のほうがほとんどの面で有利でした。特に建設費と自然への影響の面では、浮島工法が圧倒的に有利でした。例えば、埋め立て工法は浮島工法の数倍の費用がかかることは、すでに予想されていました。また、自然への影響の面でも、埋め立て工法は、埋め立てのための土砂を大量に採取する必要があることから自然破壊をもたらすことも明らかでした。そんなことは百も承知で埋め立て工法が採用されました。なぜか。造船業界と建設業界の力関係が大きく作用したと考えるのが普通でしょう。膨大なお金をもたらす埋め立て事業に政治家や中央と地方の役人が飛びついたというのが現実です。関西国際空港の建設は飛行機を飛ばすことが目的であるのに、実際には空港を造ることが目的でした。後は野となれ山となれ…
昔から日本は大きな政府でした。だから、莫大な借金があるのです。問題は使い方でした。例えば、借金するにしても、関西国際空港を浮島工法で建設し、余ったお金を中小企業の育成や福祉に回していたなら、今のような大阪の惨状はなかったでしょう。自民党による一党独裁政治が続いた結果、密室によって政策が決められるようになり、一部の恵まれたものだけが利益を享受し、普通の人々はそのおこぼれにありつくという構図が全国各地で見られるようになったのです。それにしても、馬鹿げているのは、大阪と神戸に3空港があるという現状そのものです。あんな阪南の地によくもまあ、あんな金食い虫の空港を造ったものです。関西国際空港はやがて廃港になるかもしれません。いや、廃港にしたほうがいいのかもしれません。
2009.10.17 16:43 URL | 負け組みの矜持 #- [ 編集 ]
もう一度、書かせてもらいます。私も早速、山崎行太郎のブログにアクセスしましたが、鳩山首相に対する批判が「一国の総理総裁が、就任したばかりのこの時期に、夫婦そろって、ファッションショーの舞台へ登場とは…。はっきり言って醜悪である。」とコメントする低レベルなもの。しかも、そのエントリに対して、「障害者団体によるチャリティーです。マスコミの操作に注意しましょう」とコメント欄でたしなめられる始末。
はっきりいって、酔いどれの落選議員の中川氏を「あんさつ」するほど、その種の集団は暇じゃないでしょう。ばかばかしい。
それよりも許しがたいのは、橋下大阪知事の「全職員に一斉送信したメールに批判的な返信をした女性職員に対する厳重注意処分」です。「トップに対する物言いとして常識を逸脱している」と橋下知事は述べていますが、常軌を逸しているのはどちらでしょうかね。女性職員は保健所勤務です。府が約380億円の損失を被った紀の川大堰(和歌山市)事業を巡り、橋下知事は「恐ろしいくらい、(職員の)皆さんは冷静です。民間なら、組織あげて真っ青ですよ!」などと、公金に対する意識の低さを指摘したようですが、インフルエンザの対応に追われていると思われるその職員にまで、同堰事業による損失に対して責任を押し付けるとは、その神経を疑います。本来なら、同堰事業を認めた議会や当時の知事を非難するのが最初でしょう。まだまだ、新自由主義者の右翼は健在です。
2009.10.17 18:53 URL | 負け組みの矜持 #- [ 編集 ]
>借金するにしても、関西国際空港を浮島工法で建設し、余ったお金を中小企業の育成や福祉に回していたなら、今のような大阪の惨状はなかったでしょう。
それそれ。
ようするにバラマキを徹底することは良いことで、途中で回収をさせたり蓄積させたりするのは悪なわけです。
もちろん、それ以前にバラまかないことは悪そのものです。
2009.10.17 23:00 URL | sonic #GCA3nAmE [ 編集 ]
>sonicさんへ
>ん?
誰がそんなことを言っているのですか?
「効果があったことが証明された」の間違いでしょう?
おかしなことを書かれているので、時期遅れになりましたが付け加えます。
政府支出があればその分がGDPに乗るのは当たり前で、そんなことは足し算ができれば分ります。そうではなく、リターンを生まないと指摘しているのです。Sonicさんの主張は国賊と私が考えているケインジアンのものです。要するにピラミッドを建てただけなのです。投資は次の投資を呼び込む効果がなければ意味がないのです。雇用だけであれば、仕事がなくとも給料を払えば済むのです。巨大な事業費をかけるなら、それにより投資効果生れなければ穴を掘って埋めることを繰り返すのとのと同じです。穴を掘って埋めるような事業を毎年数十兆円借金を作って続ければ、どんな豊かな国でも貧しくなります。それが現在の日本です。分りましたか。
2009.10.20 14:02 URL | TY #- [ 編集 ]
>分りましたか。
それって竹中たちの屁理屈といっしょじゃんか。
公共事業無しで日本国中に通貨が流通すると本気で思ってるなら、夢の中に生きているとしか思えん。
あまりにも空想的。
2009.10.22 08:59 URL | sonic #GCA3nAmE [ 編集 ]
それにね。
今、飯が喰えるかどうかが重要でね。
大きな政府は使い方次第だが、小さな政府は人をころす
ケインジアンが国賊だろうが何だろうが、新自由主義より何倍も増しだ。
だいたい、国を貧しくしたのはケインジアンではない。その債務処理をしようとプライマリーバランスを取ろうとした連中だ。
小泉・竹中以後はそれが加速した。
しかも政府の債務を倍増させた。
小泉以後は純債務も危機的状況に近づいている。それ以前は健全な状態だった。
小さな政府はケインズ政策をとるより、更に財政を悪化させた。これが現実だ。
TYさんは、非難する相手を間違えている。
なるほどケインズ政策は悪かったとしよう。
それ以上に小泉・竹中政治は悪かったと言うことは認めなければならない。
2009.10.22 09:08 URL | sonic #GCA3nAmE [ 編集 ]
>sonicさんへ
公共事業をやれば国中に通貨が行き渡るのですか。例えば旧新潟3区があります。故田中角栄氏の選挙区です。日本でも最も所得の低い地域の一つでした。でも70年以降、日本で最も集中的に公共事業が行なわれました。今でも現地に行けばピカピカの道路が走っています。しかし80年の調査でも所得は低いままでした。これは有名な話で、野坂昭如が当時立候補した動機もここにあります。
もし金を行きわたらせたいのなら、現金を配る方が速いのです。公共事業の予算は数百億円になっても労働者に行くのは数%に過ぎず、地元に落ちるお金も同じくらいです。
公共事業は新たな投資を伴わない限り、お金を捨てるだけの結果になり、税収を枯渇させ、消費税のアップにつながり、国民を窮乏させます。ゼネコン、政治家に騙されてはいけません。公共事業で地域振興につながったのは60年代で終わりです。
穴を掘って、穴を埋めるような公共事業をした結果、現在国債地獄となり、福祉予算が切り詰められています。ケインジアンのやったことはこんな結果しか産みません。日本はこれにより本当に貧しくなりました。ダム二つやめていれば、母子家庭は救済できたのです。
2009.10.22 14:30 URL | TY #- [ 編集 ]
公共事業そのものは悪ではないと思いますよ。
問題は優先順位。
一律に公共事業を削減する大愚策により 地方経済は疲弊しました。
老朽化したインフラが全国で沢山あります。もっと、生活に密着した分野に投資すれば内需拡大を図ることができます。
田中角栄氏を批判する方もいますが、私は『政治の本質は利益誘導』だと考えています。
70年代に求められたことと現代に求められることは違いますが、税金をいかに適正に再配分するかの本質は変わりません。
2009.10.22 23:46 URL | 葉隠 #CRmGiUQU [ 編集 ]
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