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きまぐれな日々

 先週もろくでもないニュースばかりだった。悪質度の高い順に挙げると下記のようになろうか。

 まず、総務相・高市早苗の「電波停止」トンデモ発言があった。これが先週のワースト答弁だ。発言を追及されることが侵害だったらしく、高市はぶんむくれていたようだが、呆れたことに安倍晋三は高市の発言を擁護した。

 それから、環境相・丸川珠代の被曝線量目標値について「根拠なし」とする発言があった。丸川は、発言自体をなかなか認めようとしなかったが、官邸(菅義偉?)の指導か何かがあったらしく、急遽発言を撤回した。

 さらに、北方担当大臣の島尻安伊子が「歯舞」を読めず、無知とともに仕事のやる気のなさを露呈した。

 最後に、それを理由にそこまでする必要があるとは正直言って思えないのだが、自民党衆院議員の宮崎謙介が不倫で議員辞職した。もっとも、もっとも、ちょっと調べてみたところ、不倫はともかく政治家としての資質の点で宮崎は国会議員に値しない人間だと思うので、この男が国会議員を辞めてくれること自体は歓迎だ(笑)。

 しかし、不倫がダメで元下着泥棒がOKという自民党(安倍政権)の基準はよくわからない。

 もっとも、率先して憲法遵守の義務を果たさないばかりか公然とそれに挑戦する総理・総裁こそ、不倫男や元下着ドロよりも遙かに罪が重いことは言うまでもない。

 政治家は国民を映す鏡というが、それを裏づけるかのようにこの内閣は支持率50%を誇る。

 ここ数日はネットに時間を割く余裕もあまりなかったし、今日は元気もあまりないので、これだけで終わりにする。来週はもう少しまともな記事にしたいものだがどうなるかはわからない。
読売新聞の世論調査(1月8?10日実施)で、鳩山内閣の支持率が56%を記録し、前回(昨年12月18?19日調査)の55%を1ポイント上回り、支持率低下に歯止めがかかった結果が出た。

記事を見ると、鳩山由紀夫首相の指導力や、小沢一郎幹事長の「政治とカネ」の問題に関する説明責任について、世論が否定的であるという結果になっているが、藤井裕久氏から菅直人副総理への財務相交代が、政権運営にプラスの影響を与えると思う人は47%で、マイナスの影響を与えるとした人の33%を大きく上回った。とかくこれまでスピード感に欠けていた鳩山政権だが、緊縮財政論者の藤井前財務相に代わって、昨年末に政府が発表した成長戦略をとりまとめた菅副総理が財務相に就任したことが、人々に期待感を起こさせ、これが内閣支持率の下げ止まりにつながったものと考えられる。なお、共同通信の調査でも、内閣支持率微増、菅直人財務相に「期待する」59.0%、「期待しない」35.2%と、読売新聞と同じ傾向が出ている。「右」の読売も「左」の共同も同じ傾向を示していることは、両者の調査結果が民意を忠実に反映していることをうかがわせるものだ。

しかし、世論から歓迎されている菅氏の財務相就任を、ほかならぬマスコミは一斉の大ブーイングで迎えた。特にひどかったのは産経新聞で、就任早々為替レートが円安に振れてほしいと菅氏が願望を口にしたことをとらえて、「菅財務相の資質に「?」の声が続々 「軽率だ」「経済知らない」…」と題した記事を掲載した。

だが、ここ最近でこそあまり行われなくなっていたが、かつては財務大臣が為替市場に「口先介入」することなど当たり前だった。特に、私はあるいきさつから、小泉政権時代の2002年12月初めに、当時財務大臣だった塩川正十郎氏(愛称:塩爺)が露骨な円安誘導発言をしたことを覚えていたので、さっそくこの件を持ち出して産経新聞を批判する記事を8日の『kojitakenの日記』に書いたところ、これが裏ブログ今年初の人気エントリとなった(下記URL)。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20100108/1262960519

リンク先を参照いただかない読者のためにエビデンスを挙げておくと、塩爺が「口先介入」をした事実は、下記URLのPDFドキュメントに記載されている。
http://www3.keizaireport.com/file/021207.pdf

以下引用する。

2002年12月1日に、塩川財務大臣は、購買力平価を念頭において、「世界の水準で計算したら1ドル=150?160円ぐらいがいいはず」と発言した。


この塩爺発言を、2002年当時の産経新聞が批判していたかどうかまで私は検証できなかったが、批判していたはずなどないことはわかり切っていた。当時私が購読していた日経新聞でも、塩爺の発言を批判する記事など見た記憶はなかったし、ましてや産経が批判していたはずなどあり得ないと思ったのだ。ありがたいことに、『Mちゃんの経世済民!』から当時の産経新聞の論調を検証したエントリを『kojitakenの日記』にTBいただき(下記URL)、想像していた通り、産経新聞は2002年当時、塩爺発言を批判するどころかむしろ歓迎していたことが明らかになった。なお、当時も菅直人が塩爺発言に同調して円安を待望する発言をしていたことが明らかにされた。
http://d.hatena.ne.jp/Mchan/20100109/1263022685

私などむしろ藤井裕久前財務相の円高容認発言の方が困ったものだと思っていた。いうまでもなく、急激な円高は、輸出産業にとってダメージが大きく、ただでさえ藤井氏の緊縮財政志向によって景気低迷が心配されているところに、円高容認発言をするとは、なんたるKYかと思った。小泉政権がやったような過度の輸出産業優遇も困るが、藤井前財務相のような財政再建原理主義者も困るのだ。菅財務相の発言によって為替市場が円安に振れたことを、経団連は当然ながら内心歓迎しているはずである。いくら頭の悪いことでは定評のある産経新聞の記者といえど、そんなことくらいは百も承知だと思うが、要するに産経新聞は、現民主党政権の悪口の材料になることであれば、どんなことでも書くということだ。

いや、産経だけではなく、この件では朝日、読売、毎日といった大新聞も菅財務相批判の記事を掲載した。『本石町日記』に掲載されたは「菅大臣の「口先介入」をめぐる報道について=「結果オーライ」だったので」のような冷静かつ的確な批評は、新聞では読めないのかと思う。いくら権力へのチェックがジャーナリズムの使命だといっても、こんなトンチンカンな批判は願い下げだ。菅直人や民主党政権を批判するのであれば、もっとまともな切り口がいくらでもあるだろう。だが産経新聞を初めとする堕落しきったマスコミはそれをしない。資質に疑問があり、軽率で経済を知らないのは新聞記者たちの方である。

ところで、こんな新聞などマスコミに事実上応援されているのが自民党だが、こちらは産経新聞に輪をかけてひどい。そもそも彼らは昨年夏の衆院選の敗因を理解していない。たとえば与謝野馨は今月末発売予定の新著『民主党が日本経済を破壊する』(文春新書)で、下記のように麻生太郎前首相を批判しているそうだ。日経新聞の記事(下記URL)から引用する。
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20100110AT3S0900H10012010.html

麻生前首相「オレの後なんて誰もいない」 与謝野氏が新著で

 自民党の与謝野馨元財務相が今月下旬、「民主党が日本経済を破壊する」(文春新書)と題した著書を出版する。この中で、昨年7月の衆院解散前に、当時、財務相だった同氏と石破茂農相が一緒に麻生太郎首相(当時)を訪ね、辞任を求めた際の内幕を明らかにしている。

 麻生氏は辞任を迫られると、「オレの後なんて誰もいないじゃないか」と拒否。与謝野、石破両氏の閣僚としての辞表も受け取らなかったという。与謝野氏は著書で「首相がスパッと辞めていたら、民主党が一番嫌がる展開になった」と振り返った。

 民主党については「マクロ政策がないままでは、あらゆる個別政策が漂流する」「議員を採決の頭数としか考えていない」と批判。その一方で、海外では「出直し(を目指す野党の)新党首は30?40歳代と大幅に若返りを断行している」として、自民党総裁にも思い切った若手の起用が必要との立場をにじませた。
(『NIKKEI NET』 2010年1月10日 21:34)


要するに与謝野は、麻生前首相を引きずり下ろして総理総裁の首をすげ替えれば総選挙に勝てたと考えているようだが、このような自民党議員のKYぶりが自民党を惨敗させたのである。「マクロ政策がないままでは、あらゆる個別政策が漂流する」「議員を採決の頭数としか考えていない」という与謝野の民主党批判にしても、自民党にブーメランで跳ね返ってくる話ばかりだ。安倍晋三が繰り返した強行採決はいったい何だったのか。そもそも、藤井裕久の向こうを張れる財政再建原理主義者・与謝野の政策では、景況感は今よりもっと悪くなった。民主党政権の成長戦略を好感したものかどうかはわからないが、今年の大発会では、いきなり昨年来の高値をつけた。だが、民主党政権発足直後に低迷した株価に大騒ぎしたマスコミは、このことに関してはだんまりを決め込んでいる。

マスコミに甘やかされた自民党の勘違いはさらに続く。これまた産経新聞の報じるところによると、24日に開かれる自民党大会で発表される予定の、「保守」を前面に打ち出した自民党運動方針案の全文が判明したそうだ。
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100110/stt1001102310010-n1.htm

この件についても、裏ブログ『kojitakenの日記』に「自民党に明日はない」と題した論評を書いたし、産経新聞の記事についた「はてブ」コメントおよび前記『kojitakenの日記』についた「はてブ」コメントを読めば「はてな」界隈での反応もわかるが(「2ちゃんねる」の反応がどうかは私は知らない)、要は開いた口がふさがらないということだ。

当エントリでは、産経新聞に掲載されている「自民党運動方針案の骨子」だけ示しておく。

  • 品格ある日本を目指す
  • 靖国神社参拝を受け継ぐ
  • 早期の憲法改正を実現
  • 消費税の全額が社会保障給付と少子化対策に充てられることを明確化し、税率を引き上げ
  • 日本の歴史と伝統を重んじる教育を目指す
  • 自衛隊の憲法上の位置付けの明確化
  • 北朝鮮に断固とした対応
  • 領土問題の解決に努める
  • 参院選で第一党を奪取

もはやくどくどと贅言を費やす必要もあるまい。『kojitakenの日記』の「はてブ」より下記コメントを引用すれば十分だろう。

peacemedia 自民党, お笑い自滅党 お笑い自滅党、「国民の生活は二の次(消費税率上げ)、オレ様の妄想が第一(世襲万歳・靖国参拝・改憲推進・対朝鮮強硬論・教育改悪など)。」…泉下の石橋湛山が泣いてるぜ。 2010/01/12


思うのだが、自民党にせよ産経新聞にせよ、もはや歴史的使命を終えたのではないだろうか。民主党に対抗する政治勢力や言論はもちろん必要だけれど、それが自民党や産経新聞のようなものであってはならないと思う。産経新聞は、派遣村に対しても「自己責任論」に立つ冷酷な記事を書き続けているが、ああいうのを見ていると、これは一度産経新聞の記者たちにも失職してもらう必要があるよなあ、と感じる。

産経新聞と自民党には潰れてもらった方が世のため、人のためではないかと思う今日この頃である。


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気合いの入った記事がすっかり書けなくなってきた今日この頃だが、ようやく召集された臨時国会でも、自民党の谷垣禎一総裁や、総裁選で惨敗した西村康稔の代表質問がいっこうにパッとせず、野党・自民党も全然気合いが入っていないようだ。

「全員野球」で再起をめざしているはずの谷垣総裁だが、国会開会前の今月中旬に「鳩山政権はかなり社会主義的だ」と発言し、鳩山由紀夫首相の所信表明演説の時に与党席から飛んだ声援を「まるでヒトラー・ユーゲント」だと評するなど、選挙に負けてからも相変わらず民主党へのネガティブ・キャンペーンの続きをやるかのようで、全く意気が上がらない。

思い出すと、小泉純一郎率いる自民党が「郵政総選挙」で圧勝したあと、自民党内では誰も小泉に逆らえなくなった。2006年1月の通常国会における小泉首相の施政方針演説の時、「小泉チルドレン」と呼ばれた83人の新人議員たちは、何者かの指示に従って、小泉の演説中に一斉に拍手を送ったのである。
http://blog.livedoor.jp/djnmp610/archives/50346604.html

以下、上記リンク先より引用する。

 小泉チルドレンと呼ばれる新人議員の組織 「83会」 が前日、こんな会報を各議員に送った。
「総理演説の要所要所で声援、拍手をお願いします。 終了後は、米国議会における大統領演説のように83会全員が立ち上がって、30秒ほどの間応援の拍手をしましょう」


4年前にこんなことをやっていた政党の党首が、衆議院の議席の6割を失って再起へのスタートを切る時に、民主党新人議員の応援をヒトラー・ユーゲントにたとえるなどという、「お前が言うな」と言われても仕方ないことを言っているようでは、自民党の再起などおぼつかないだろう。

実際に、臨時国会の代表質問で、鳩山首相に挑んだ谷垣総裁は、「あなた方に言われたくないんです」(=「お前が言うな」)と鳩山首相に切り返された。谷垣は顔を紅潮させて不快感をあらわにしていたそうだが、自業自得としか言いようがない。

谷垣に限らず、自民党の政治家たちは民主党を「社会主義」呼ばわりばかりしているのだが、これには、政治思想的な右翼からの批判と、経済政策上の新自由主義側からの批判という2つの意味合いがある。麻生太郎が総裁として戦った衆院選では、もっぱら政治的右側からの民主党批判キャンペーンが中心だったが、ここにきて民主党の政策を「バラマキ」と批判し、来年度予算の概算要求が95兆円になるとこれを批判するという、新自由主義側からの批判も目立つようになった。谷垣も代表質問で概算要求95兆円の件を批判したが、一方で麻生内閣の補正予算執行を停止したことも批判していたから、何が何だかさっぱりわからず、単に民主党政府にいちゃもんをつけたいだけなのかと思ってしまう。

現実には、藤井財務相を中心とした人たちが緊縮財政に走り、民主党政権発の不況悪化を招くことが懸念されているのに、谷垣のトンチンカンな質問は不況悪化を助長することこそあれ、景気回復につながることはない。

民主党を「社会主義」として非難している今一人の大物が安倍晋三である。
http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news.php?k_id=36000670910260001

上記リンク先の朝日新聞山口版の記事を引用する。

「本質は社会主義的」

◆自民議員ら内閣批判

  自民党県連の政治資金パーティー「政経セミナー」が25日、山口市内で開かれ、党員ら約800人が出席した。閣僚経験者がそろう県選出の国会議員や自民党員の二井関成知事らから、「本質は社会主義的」などと現政権を批判する発言が相次いだ。

  二井知事は23日に岩国基地の民間空港再開問題で馬淵澄夫国交副大臣と面会した際に「要求額や再開時期について、これから行政刷新会議で決めるので一切言えないの一点張りだった」とやりとりを紹介。「情報公開の面でも大きく後退した。政治主導というのが秘密主義、統制主義になっているのではないか」と話し、政権交代後、従来よりも政府内の情報が得られなくなったことへの不満をあらわにした。そのうえで、「自民党がよみがえることが県政の安定につながる」と自民の復権に期待感を示した。

  続いて県選出の衆院議員が相次いで登壇。高村正彦元外相は「国際公約を全く無視してことを進めようとしている」と述べ、日米関係が悪化することへの懸念を示した。河村建夫前官房長官も、子ども手当など国民への直接給付にこだわる現政権に「日本の国はいつから社会主義国家になったのか」と皮肉たっぷり。

  さらに、安倍晋三元首相は「民主党政権の本質は社会主義的政権であると言ってもいいと思う。まず給付ありきだ。国から給付をもらおうという堕落した国家への道を踏み出そうとしている」と痛烈に批判した。

(朝日新聞山口版 2009年10月26日付記事)


この記事を読むと、安倍は自ら小泉政権の中枢を経て自らも総理大臣に就任したものの、国民生活の問題をそっちのけにして改憲の準備にばかり熱中したために一昨年の参院選で惨敗した過去を、全く反省していないことがよくわかる。安倍は、自らが格差拡大の責任者であることも、財政の役割も、何一つ理解していない。この記事に報じられた発言には、安倍の頭の悪さがにじみ出ている。

鳩山首相の所信表明演説を評して、民主党を旧ソ連や中国の共産党、それに北朝鮮労働党、さらにはファシズムにたとえているのが城内実である。
http://www.m-kiuchi.com/2009/10/27/firstpolicyspeech/

以下、城内のブログ記事から引用する。

 鳩山総理の下で民主党が推進する行き過ぎた脱官僚・政治主導路線は、本来あるべき政治(=国民)主導ではなく、結果として(特定の)党主導路線に走りがちである。そのへんのところは、ファシズムやソ連共産党、中国共産党、北朝鮮労働党のようなたったひとにぎりの党エリートがすべてを牛耳るような全体主義路線の教訓を思い起こせば明らかである。立法府と行政府(=官僚組織)との適度な権限配分あるいは緊張関係こそ、日本の国益擁護と国民・市民の幸福実現につながると確信している。

 また、経済学的にも乗数効果が高く、わが国の景気浮揚にとって有効な社会資本整備(=内需拡大)を、悪しき公共事業と決めつけ、これまで民主的なルールにのっとって決定された事項を革命的な手法で白紙に戻すようなやり方は、小泉竹中路線と軌を一にする。

 結局、小泉竹中構造カイカク路線は、総理の靖国参拝を通じた似非右翼ポピュリズム、民主党の脱官僚政治主導路線は革命的な左翼ポピュリズムという側面がぬぐえない。

 鳩山(小沢)民主党政権がお隣の韓国のノムヒョン政権のような結果にならないことを祈るばかりである。

(城内実の「とことん信念」ブログ 2009年10月27日付記事より)


左翼だったら、前回のエントリで紹介したアラル海を干上がらせてしまったソ連のように、行き過ぎた計画経済で国土を破壊する方向性を持つはずであり、城内の批判の論理は、むしろ現在民主党政権が止めようとしている、不必要または有害なダム建設を推進してきたこれまでの自民党政権について当てはまる。そして、過度の公共事業叩きに走りがちな民主党に対する批判は、小泉政権に対するのと同じ方向性で批判すればよい。この論法だと、行き過ぎた計画経済と、行き過ぎた市場原理主義をともに批判する私の論法と同じになるが、城内には、自民党、特に安倍晋三やその仲間たちへの未練がまだ強くあるように見受けられ、それが城内のブログ記事を支離滅裂なものにしている。

谷垣禎一、安倍晋三、城内実と見ていくほどに惨憺たる野党勢力の言論であり、自民党(OBを含む)がこの体たらくでは、民主党政権の懸念される動きに歯止めをかけることはできず、せいぜい共産党に期待するしかないかと思う今日この頃である。


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かねて予告していた通り、ブログの更新頻度を落としているが、当然ながらその間にも新しいニュースは次々と飛び込み、それに思いをめぐらせている間に次のニュースに関心を奪われる日々だ。特に、政権交代が起きた直後だけに、変化が急激で劇的だ。

そんな中、かつて自民党タカ派といわれた政治家たちが話題にのぼることが多い。モラトリアム法案を言い出して、マスコミによって猛烈に叩かれている亀井静香金融・郵政担当大臣、2016年の東京五輪落選が決まった東京都知事の石原慎太郎、それに急死した中川昭一。

一方、タカ派でも、政権再編の起爆剤になるどころか3議席しか得られなかった平沼一派は、選挙が終わってすっかり忘れ去られた存在になっている。Wikipediaで平沼赳夫の項を見ると、かつて平沼赳夫は「石原慎太郎、亀井静香、中川昭一ら中川一郎に近い保守系議員たちと共に行動」してきたという。しかし、当然のこととはいえ、その後の彼らの運命は、それぞれに山あり谷ありで、ずいぶん違った道を歩むようになった。

彼らの中でもっとも華々しい道を歩んだのが石原慎太郎だろう。1999年に東京都知事に就任以来、高い支持率を誇り、2002年頃には総理大臣を目指すために03年の都知事選には立候補しないのではないかとの観測もあった。小泉純一郎がその動きを封じ込んだために、その野望はかなわなかったが、都政では暴政をほしいままに今日まできている。東京五輪招致は、一昨年の都知事選の争点にもなり、3人の対立候補は全員五輪招致に反対したし、毎日新聞がかつて携帯サイトで行っていた「日本のスイッチ」というアンケートで、都知事選の直前に東京五輪招致の可否について聞いたところ、五輪招致に「反対」と答えた人が72%に達した。しかし、それにもかかわらず東京都民は都知事選で石原を圧勝させたのである。そして、選ばれるはずのない五輪招致運動に東京都は大金をかけ、都民の血税が浪費された。都知事選当時、東京が五輪に選ばれなければ石原は都知事の職を投げ出すのではないかと観測する向きもあったが、政権も交代してもはや国政に復帰しても総理大臣になる目も完全になくなった石原は、都知事にでもしがみつくしかないと思っているのだろう、醜く権力の座に執着している。

中川一郎の流れにつながる人物で、現在もっとも勢いのあるのは亀井静香だ。亀井金融相の打ち出したモラトリアム法案は、なぜかマスコミの袋叩きになっており、特に一昨日(3日)に放送された読売テレビ(大阪)製作の辛坊治郎司会の番組はひどいものだった。日本の民放局の中でももっとも極端に右傾しているのはこの読売テレビではないかと思うが、これは同局解説委員の岩田公雄の趣味なのだろうか。ゲストに竹中平蔵を呼ぶ頻度が極めて高く、塩川正十郎や森本敏がコメンテーターの常連であるこの番組で、一昨日は竹中こそ出ていなかったものの、集中砲火を浴びた亀井は切れていた。昨日(4日)のフジテレビ「新報道2001」でも亀井の政策は批判されていたが、フジは同時に中小企業の経営者たちが亀井の政策をどう思うかと聞いた映像も流していた。彼らは、「仕事内容に集中しなければならない時期なのに、お金の心配ばかりしなければならない状態だから、亀井大臣の政策には拍手喝采だ」と言って、亀井の政策を支持していた。それを受けてフジテレビは亀井静香がチェ・ゲバラに心酔していると報じ、1994年に日本航空のキャビンアテンダントを派遣にしてはならないと横槍を入れた例も紹介していた。常に弱者の立場に立って政治を行うのが亀井静香の信念だというのである。

少し前に、当ブログのエントリについた「はてなブックマーク」で、野中広務と城内実が「左翼に人気のある右翼」だと指摘したコメントがあった。私には城内実が左翼に人気のある理由がさっぱり理解できない。「郵政民営化反対」で売り出したものの、城内は雇用問題にも差別問題にも関心がないようだからだ。「派遣村」運動に、今回の衆院選で城内に雪辱を許した片山さつきは参加したけれども、城内実は参加しなかったし、差別問題については「関心がない」どころか、自ら差別意識をむき出しにしたブログ記事を書くなど、極右排外主義者以外の何者もでもないとしか思えない。しかし、野中広務は差別と向き合ってきた人生を送ってきた人だから、左翼に人気があるのもわかる。そして、野中以上に左翼の人気が高いのが亀井静香である。94年のJALキャビンアテンダントの件は、時代を10年以上先取りしていたし、ダム建設を推進してきた亀井が突如方向転換し、ダム建設計画の内容を精査するようになったのも第2次森内閣時代の2000年である。市場原理主義をとるなら、率先して「脱ダム」を打ち出しても不思議はなかった小泉時代に「脱ダム」の動きが鈍ったことは、小泉自民党の政策において、「痛み」は庶民にのみ押しつけられて、ゼネコンは優遇されてきたことを物語っている。この欺瞞性こそが「新自由主義」の一側面であり、「新自由主義」は「市場原理主義」とイコールではない。「市場原理主義」に見せかけて、所得を低所得者層から高所得者層へ、庶民から大企業へと逆再分配してきた詐術こそ、「新自由主義」の正体なのである。小泉の新自由主義と比較すれば、まだ市場原理主義の方が幾分マシなくらいだ。これでは格差が極端に拡大するはずであり、私は現状でのモラトリアム政策は止むを得ない方策として支持するのだが、マスコミはヒステリックに亀井大臣を叩き続けている。これは、マスコミが所得逆再分配の恩恵にあずかっているからにほかならない。

しかし、マスコミにこれだけ叩かれているのに、亀井大臣の政策を支持する意見も多く、考えようによっては政治家冥利に尽きるともいえるかもしれない。逆にもっとも悲惨な結末を迎えたのが中川一郎の息子・中川昭一である。昨日報じられた急死のニュースを聞いて、自殺だろうと思ったのだが、死因ははっきりしないようだ。衆院選に落選したショックがあまりに大きかったのか、挨拶回りもしておらず、次の総選挙に立候補するつもりがあるのかと訝られるくらいだったというから、人生の目標を失ったところに突然の病魔に襲われたのかもしれない。過度の飲酒癖があったそうだから、自然死でも決して不思議ではない。

中川昭一というと、誰もが「もうろう会見」のことを思い出すだろうが、私はそれよりも2005年に安倍晋三とともにNHKの番組を改変させた悪行を書き記しておきたい。「死者に鞭打つ」ことを潔しとしない風潮もあるが、私はその行き方をとらず、死亡時にも辛口の文章を書くことにしている。安倍と中川の二人で行ったあの件で、NHKと朝日新聞は大いに萎縮することになった。両巨大マスメディアの罪も重いが、番組を改変させた政治家である安倍と中川の罪も重い。

それにしても、安倍晋三を巡って非業の死を遂げる人はなんと多いことだろう。ともに「安晋会」のメンバーが絡んだ耐震偽装事件とライブドア事件では、死亡者が1人ずつ出た。そのうちの1人、「野口英昭」氏については、いまだにこの名前を検索語にしたネット検索によるブログ訪問者が後を絶たない(当ブログは野口氏怪死事件当時未開設であったにもかかわらず)。安倍とは直接のかかわりはないが、ライブドア事件では「偽メール事件」を引き起こした民主党の永田寿康元衆院議員も自殺した。安倍内閣では松岡利勝農水相が自殺し、「消えた年金」問題とともに内閣支持率急落の原因になった。そして今度は、安倍とともにNHK番組改変事件を引き起こした安倍の盟友・中川昭一の急死。どうしてこう、安倍晋三の周辺にばかり「非業の死」が集中するのだろうか。

平沼赳夫、安倍晋三、中川昭一、麻生太郎の4人の頭文字をとった「HANAの会」というのもあった。OBの平沼赳夫を含んで、自民党タカ派の4人を中心に結成された「真正保守」の集まりだ。そういえば、石原慎太郎は必ずしも「真正保守」には数え入れられないことが多いようだが、早い時期に議員辞職したせいだろうか。また、2005年に下野して野党政治家として民主党や社民党と共闘してきた亀井静香も「真正保守」とは呼ばれないのが普通だ。

だが、現状を見ると、麻生太郎は自民党を下野させた元総理だし、その禍根は安倍晋三に遡る。そして、平沼赳夫は政界再編の起爆剤になるどころか政界の「絶滅危惧種」になり、中川昭一にいたっては早世してしまった。石原慎太郎を含め、「真正保守」及びその亜種は一様に黄昏時を迎え、右翼イデオロギーに固執しなかった亀井静香だけが意気盛んだ。

長かった「右翼の時代」がようやく終わりを迎えようとしているように見える。


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NHKが「自民党のコマーシャル」までやった昨年の賑やかさとは打って変わって、さして注目もされていない自民党総裁選だが、谷垣禎一、河野太郎、西村康稔の三氏によって争われている。

昨年の総裁選は、麻生太郎、与謝野馨、石原伸晃、小池百合子、石破茂の5氏が立候補したが、不思議なことに候補者は一人も重複していない。昨年は、この5氏のほかに、棚橋泰文と山本一太が立候補の意思表示を行ってテレビ朝日の『サンデープロジェクト』で行われた討論会で自説をアピールしたが、立候補しなかった。推薦人が集まらなかったためというが、棚橋の場合はそれより総選挙目当ての売名活動と思われたし、2007年の参院選で当選した山本一太の場合は、今後の政治活動への布石を打ったつもりだったのだろう。

いずれにしても、自民党総裁になれば総理大臣の座を勝ち取れる昨年の総裁選には立候補し、野党のリーダーとして地道に党を立て直す必要のある今回の総裁選に立候補しない政治家は、私だったら軽く見る。石破茂や石原伸晃は、ポジション的には保守本流、新自由主義者、「真正保守」(笑)の三者いずれもが受け入れられる人物であり、立候補すべきだったと思うが、彼らはその道を選ばなかった。今回は実質的に谷垣禎一と河野太郎の争いだろうが、両者にはともに相容れない勢力がある。谷垣はもと加藤紘一の側近だった宏池会の政治家で、若手のカイカク派には受け入れられないだろうし、河野太郎は長老連中と「真正保守」には到底受け入れられない政治家だ。ネット右翼が作成した「売国議員リスト」を見ると、河野太郎は黒字に白文字で「売国度SSS+」と評価されており、加藤紘一や谷垣禎一の「売国度S」以上に蛇蝎のごとく嫌われていることがわかる。特に、国籍法改正の推進役を果たしたことがネット右翼の評価が異様に低い理由の一つになっている。だから、河野太郎は平沼赳夫や城内実と不倶戴天の間柄にあり、もし河野太郎が自民党総裁に選出された場合、平沼一派の自民党復党の可能性はなくなる。

政治思想的には極右と反りの合わない河野太郎だが、正真正銘の自民党左派政治家だった父の河野洋平とは異なり、護憲派ではないし、何より新自由主義者である。昨日の『サンデープロジェクト』でも、自民党は小さな政府で経済成長を目指す政党であるべきだ、と持論を述べていた。河野太郎は、保守本流とも「真正保守」とも違う、小泉純一郎や渡辺喜美から右翼への媚びへつらいを取り除いたような、正真正銘の新自由主義者、と言って悪ければ「カイカク派」の政治家と位置づけられる。本来「みんなの党」に属するべき政治家ともいえるが、渡辺喜美より河野太郎の方が同じ二世でも能力は上だろう。仮に河野太郎が勝てば、自民党が「みんなの党」を糾合できる可能性があるが、その一方で、「真正保守」が離反して、改革クラブや平沼一派とくっつこうとする流れが生じるのではないか。つまり、自民党が新自由主義勢力と「真正保守」(笑)の二党に分かれる可能性が出てくる。

これは、森喜朗や安倍晋三にとっては全く好ましくない事態である。自民党が二つに分かれてしまえば、権力の奪回はいよいよ難しくなるからだ。いくらなんでも、今回の衆院選惨敗のA級戦犯である町村派から総裁は出せないから、今回は町村派にとってより害の少ない谷垣禎一で我慢しようというのが彼らのもくろみだ。町村派の若手である西村康稔が立候補しているが、知名度が低く、最初から当選を目指している候補ではない。狙いはただ一つ、地方票が河野太郎に流れるのを食い止めることにある。

『kojitakenの日記』にも書いたが、私があれっと思ったのが、西村康稔がサンプロの討論で小泉構造改革を明確に否定したことだ。西村の批判は河野太郎に向けられたもので、西村は、河野が都市部選出の議員であり、小泉改革の継承を主張しているが、地方の痛みがわかっていないと言っていた。

だが、この発言は私には「ビックル一気飲み」ものだった。ネット右翼は西村のことを「聞いたこともない議員」などと言っているが、ライブドア事件を熱心に追っていた人間なら、西村の名前にはなじみがあるはずだ。西村は、ライブドア事件の時に、投資事業組合にかかわった噂が流れた政治家である。灘高─東大─通産省と進んだ西村のキャリアは、村上世彰と完全に同じであり、西村は村上の3年後輩にあたる。3年前には、西村が村上ファンド関連会社役員から献金を受けていた事実を、『しんぶん赤旗』に暴露された。こんな人物が「小泉構造改革」を否定し、地方代表の政治家面するなんてちゃんちゃらおかしい。西村こそ小泉構造改革のうまみをたっぷり吸った人間ではないか。西村の選挙区の明石や灘高校のある神戸はれっきとした都市部である。それなのになぜ西村が「小泉構造改革」を批判し、河野太郎が地方の痛みをわかっていないと主張するのか。その理由はただ一つ。地方票が河野太郎に流れるのを阻止することが狙いである。西村自身が地方の痛みを理解し、地方を豊かにする政治を目指しているわけでは決してない。

もう一つ、西村の小泉構造改革批判は、小泉純一郎が国会を去った現在、町村派にとって「カイカク」がその存在意義を失ったことを意味する。仕切りたがりの森喜朗や、狂った極右思想に頭を支配されている安倍晋三にとっては、小泉改革など初めから自民党延命のための道具に過ぎなかった。安倍は、小泉の後継者になるためにそれが必須だったので小泉構造改革路線を支持しただけの話で、本心では経済政策には何の関心もない。今後、民主党政権が支持を低下させた時、平沼赳夫や城内実のような国家主義者の台頭が予想されるが、平沼一派は、現にそうであるように、経済政策では反「構造改革」の立場をとっている。要するに、彼らは国家社会主義者なのである。西村康稔の総裁選当選は、今回に限ってはあり得ないが、西村の出馬および西村への支持の拡大は、国家社会主義の台頭という、もっとも警戒すべき動きへの道を開こうとするものであると当ブログ管理人は考える。

そんなことになるくらいなら、河野太郎に自民党総裁になってもらって、現在の自民党が新自由主義者と極右、それに少数の「保守本流」にすっきり分かれる道を開いてくれた方がよほど良い。だから、私は河野太郎の総裁選当選が日本にとっても自民党にとっても一番ましな選択ではないかと思うのである。反「カイカク」を主張する読者の方は目を剥かれるかもしれないが、急がば回れである。今さら、新自由主義政権が復活する可能性などほとんどない。西村康稔の「陽動作戦」に騙されてはならない。


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昨日(19日)朝のNHKニュースで、2016年の五輪を東京に誘致するために麻生太郎首相が主催した、来日中のIOC評価委員会を歓迎する公式晩餐会について報じていた。アナウンサーの首藤奈知子が、カメラを入れることは許されなかったのでと言いながら、晩餐会で出されたメニューの紹介をしていたが、それ以上ニュースを見る気がしなくなってチャンネルを替えた。私は2016年の五輪は東京なんかでやるべきではないと思うが、NHKは石原慎太郎や麻生太郎に媚びを売っていた。このところのNHKニュースの御用報道化はひどい。おかげで、ニュースを読まされるアナウンサーの印象まで悪くなっている。首藤奈知子も、松山放送局でローカルニュースを読んでいた頃の方が良かった。騒々しくて朝のニュースには似つかわしくない。

それでもNHKなどに持ち上げられて麻生太郎はこのところずいぶん機嫌が良いらしく、記者会見でエビちゃん(蛯原友里)を知っているかとか、あぶさん(水島新司の野球漫画の主人公)の年齢を知っているかとか、どうでも良い質問を記者にしたそうだ。内閣支持率が20%台、提灯持ちのNHK調査では30%に達して、これで実質的に封じられていた解散権を回復したぞ、というのが強気になっている原因らしい。しかし、昨年秋の首相就任当時には、麻生は内閣支持率が40%台にとどまったことに、予想外の低さだとショックを受けていたのだった。そして、このまま解散総選挙をやっても勝てないという調査結果が出て、解散に踏み切れなかった。それが今や、支持率が20%台に「上がった」ことで有頂天になっているのだから、根っからの楽天家というかおめでたい人である。たぶん15兆円の追加経済政策も国民の支持を得られると信じているのであろう。

昨日の早朝に放送されたTBSの『時事放談』では、国民新党の亀井静香が政府・与党の追加経済政策を「選挙目当てのバラマキで、しかもそれを消費税増税で回収しようとしている」と一刀両断にしていた。自民党案よりさらに規模の大きな財政出動を主張する国民新党の亀井氏による「バラマキ」批判だが、実際に政府・与党はエコカー買い替えへの補助金など、一定以上お金を持っている人たちにしか恩恵がもたらされない政策ばかりを打ち出すものだから、これでは財政政策に本来あるべき「富の再分配」の機能を果たさない「バラマキ」と批判されても仕方ないものだ。当ブログは、「バラマキ」という語の用法に特に注意しており、原則として批判語として用いないことに決めているが、今回は例外にせざるを得ない。言語道断なのは、亀井氏も言っていたが、ばらまいた分を消費税増税で回収しようともくろんでいることだ。

何より良くないのは、昨日朝8時からの同じくTBS『サンデーモーニング』で寺島実朗や金子実らも言っていたと思うが、政策に今後の産業を育成する理念がないことだ。今後は環境・エネルギー関係の産業を育成するのが世界の趨勢だが、たとえばコイズミが2005年に太陽光発電への補助金を打ち切って以来、日本の同分野のシェアは急落した。この分野は、政府が電力会社に過剰に配慮していて、政策がきわめて及び腰になっている。政府と電力会社は、日本の将来を暗くする国賊だと言っても過言ではない。環境エネルギー政策を転換するのは、自民党政府にはやはり無理だ。

しかし現在は、西松事件の影響で民主党の攻勢がすっかり鈍っているので、全然議論が盛り上がらない。前述の『時事放談』で亀井静香は、西松事件は「検察が選挙妨害をやってしまった」もので、「小沢さんは潔白だ」としながら、国民が不信感を持ってしまった以上、このまま総選挙に突入すると民主党は惨憺たる結果になる、「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」で、小沢氏は辞任すべきだと語っていた。また、経済3ポストを兼務している与謝野馨に対しても、あれほどの財政規律至上主義者がバラマキ政策をやるとは何事か、どうしても自分の信念に反する政策をやらざるを得ないのだったら職を辞して、後任の人にやってもらうべきだと主張した。小沢一郎についても与謝野馨についても的を射た批判だと思う。政治は結果がすべてだが、信念に反することを平然とやる与謝野馨の無神経さは、特にいただけない。与謝野馨は、朝日新聞や読売新聞の大のお気に入りなので、マスメディアにはほとんど批判されないが、日本の将来を暗くする無能な政治家であって、一刻も早く表舞台から退いてほしいものだと私は常々思っている。

ところで、麻生太郎が浮かれているほど自民党に追い風が吹いているかというと、全然そんなことはなく、昨日も青森市長選で現職の佐々木誠造氏が、27年間の地方議員時代に一度も政党に属さなかった「市民派無所属」の鹿内博氏に敗れた。地方自治体の選挙には、それぞれの地域の事情があり、鹿内氏にも、市長になったらそれまで行っていた核燃料サイクル施設への反対運動はしないと表明して、一部保守系県議らの支援をとりつけ、自民党支持層に食い込んだ作戦勝ちがあったことを見逃してはならない。しかし、それを考慮しても、青森で自公が支持したほか連合青森と電力業界の支援まで受けた現職市長が敗れたとはただならぬ事態である。地方都市にも自民党に対する不信がそこまで広がっているわけで、もちろんそれが民主党への支持にはつながっていないのだが、とりあえずは自民党を政権から引きずり下ろすしかないというのが、国民の多くの感覚なのではないか。今朝(4月20日)の朝日新聞2面にも、今春の地方選で自民党の苦戦が目立っていることが報じられている。麻生の支持率が多少持ち直したことは、選挙における自民党の成績改善には全然つながっていないのである。

お隣の韓国でも、盧武鉉前大統領のスキャンダルが報道されて、就任直後から支持率が下がり続けていた李明博大統領の支持率が上がっているそうだ。韓国では、故朴正煕元大統領の娘、朴槿恵の影響力が今後増すとの観測もあるが、日本で影響力を増すのはどんな人たちだろうか。昨日のテレビ朝日『サンデープロジェクト』が橋下徹や東国原英夫の宣伝をしていたのが私には気になるところだ。

いずれにせよ、自民党の命運は既に尽きている。麻生太郎の好きな漫画のセリフで言えば、「お前はもう死んでいる」といったところだろう。


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先日(13日)、自民党の菅義偉選対副委員長が国会議員の世襲制限を唱えたことが報道され、これに対して世襲3世の麻生太郎首相が難色を示していることには笑える。

この件が、昨夜のテレビ朝日『報道ステーション』で取り上げられた。政治家の世襲制限については、番組でも市川寛子キャスターの質問に対して菅直人が答えていた通り、民主党が公約に盛り込もうとしていたもので、岡田克也がとりまとめ役のはずだ。番組では、自民党の国会議員に占める世襲議員の異様な多さを指摘し、本当に菅義偉が言うような世襲制限ができるのかと疑問を呈するとともに、メインキャスターの古舘伊知郎が、これでますます自民党と民主党の政策が似てくると言っていた。

だが、現実には政策が似ているのではなく、自民党が民主党の政策をパクっているだけの話なのだ。たとえば経済政策では、民主党の政策は基本的にコイズミ以来の構造カイカク路線へのカウンターで、少し前まで自民党はこれを「バラマキ」として批判していたはずなのだが、自民党は民主党の政策を大企業や富裕層を優遇する方向に修正をかけた財政出動路線にいつの間にか転向したのである。いうまでもなく、「政策は自民党も民主党も似たようなものですよ。だから、これまでずっと政権を担ってきた自民党にこれからも政権を任せて大丈夫ですよ」という印象を有権者に与えるのが狙いだ。しかし、現実には自民党は郵政総選挙で圧勝したコイズミの頃の政策とは全然違うことをやろうとしている。

もっとも、コイズミ自身も前回の総選挙ではほとんど「郵政民営化」しか言わなかった。しかし、選挙に勝ってしまったら、社会保障の削減をバンバンやった。コイズミが勝手に総理を辞めると、後継の安倍晋三が狂ったように改憲に向かって邁進したあげく参院選で惨敗し、もはや民意は自民党政権を支持していないことは明白なのに、安倍、福田康夫、麻生太郎と政権を党内の世襲政治家がたらい回しした。その間、コイズミ、安倍、福田と三人続けて政権を投げ出した(世間では安倍と福田のことばかり言われるが、政権投げ出しの元祖はコイズミである。あそこでコイズミが政権を投げ出すなら、安倍は首相就任直後に衆議院を解散すべきだった)。

このように、世襲政治家はろくなことをやらない。『報道ステーション』で一色清が言っていたように、かつては世襲政治家が総理大臣になる例はきわめて珍しかった。当ブログでも何度も指摘しているが、三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫、中曽根康弘の「三角大福中」に世襲政治家は一人もいない。番組でもイギリスの例が引き合いに出されていたが、イギリスではトニー・ブレア率いる労働党が政権をとった1997年に世襲議員制度の改革が行われ、政治家の世襲は制限されている。日本でも、民主党が政権をとれば世襲議員を制限する選挙制度改革が行われることが予想されており、例の小沢一郎の国替えの件も、地元選挙区(岩手4区)における元小沢秘書・高橋嘉信との確執もあるのだろうけれど、世襲議員制度改革との絡みもあるかもしれない。小沢一郎自身が世襲議員だからである。

菅義偉と民主党の案には、ともに親と同じ選挙区からの世襲議員の立候補を認めないことが盛り込まれるようだが(たとえば鳩山由紀夫はこれをクリアしている)、これは菅義偉と反りの合わないコイズミの次男・小泉進次郎に対する牽制ともいわれている。しかし、菅の意図はどうあれ、方向性としては間違ったものではない。しかし、実施時期は次の次の選挙から、としており、自民党に大量にいる世襲議員に配慮した形だ。

『週刊文春』の1月15日号に、宮川隆義による衆議院選挙の予想が出ていて、これは西松事件の前の記事だから、民主党が280議席で圧勝し、自民党は149議席しか取れないという予想になっているが、この記事には、コイズミチルドレンは大量に落選するものの、世襲議員の減り方は相対的に少なく、次の選挙のあとでは自民党の世襲議員の比率はますます上がるという試算が出ている。現在でも37.3%の自民党の世襲議員占有率は、予想された選挙結果になると43.8%にまで上がり、一方民主党は小沢一郎が国替えすれば選挙後の予想世襲議員占有率は6.3%にとどまる(この記事では、「選挙地盤世襲議員」と「政治家家系の二世議員」を区分しており、親と同じ選挙地盤でなければ後者となって「世襲議員」にはカウントされない)。43.8%対6.3%ともなれば、どっちもどっちの世襲議員王国政党などとはとてもいえないだろう。

結論は、世襲政治家の弊害を取り除こうと思ったら、自民党を選挙で葬るしかないということだ。民主党は、代表の小沢一郎と幹事長の鳩山由紀夫の印象が強いために、自民党とどっちもどっちの世襲政党と見られがちだが、両党は実態が全く異なり、本当の世襲王国は自民党である。菅義偉が持ち出した世襲制限案は、一種の目くらましであり、選挙で勝ってしまえば自民党はそんな案など平気で反故にする。お隣の韓国には直接世襲国会議員は一人もいないそうだが、この上まだ自民党なんかに選挙で勝たせると、ネット右翼が見下して止まない韓国よりもはるかに遅れた、民主主義の後進国ニッポンの迷走がますます続くことになる。

騙されてはならない。世襲政治家の弊害を改めるためには、自民党を総選挙で惨敗に追い込み、下野させるしかないのである。


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北朝鮮のロケットだかミサイルだか知らないが、「飛翔体」発射にはしゃいでいるはねっ返りの右翼政治家たちのニュースに接するたび、その低劣さにうんざりする今日この頃だが、どんなにこっちが飽き飽きしても、痴呆どもはこれでもかこれでもかとばかり雄叫びをあげて狂態を演じ続けている。

大阪府知事・橋下徹は、「北朝鮮国内にいる人は声を上げられないから、せめて日本にいる北朝鮮の皆さんが声を上げて、今の体制を変更するように運動を起こしてもらいたい」と言った(朝日新聞より)。「お前が言うな」と反射的に思ってしまう。

敵地攻撃論は、ついに防衛大臣の浜田靖一まで言い出した。細田博之は、「ライス前長官らは弱腰だった」と言ったらしいが(産経新聞より)、面と向かっては絶対にそんなことは言えないだろう。自民党の役員連絡会では、「日本も核を持たざるを得ないという気持ちで取り組むべきだ」(同)という意見も出たという。

上記産経の記事には、この発言の主は明らかにされていないが、読売新聞によると発言の主は坂本剛二組織本部長で、坂本は核兵器保有論だけではなく、国連脱退にまで言及したとのことだ。

坂本は、記者団に「日本が核武装も国連脱退もできないことはわかっている。ただ、北朝鮮に強く臨むため、例え話をした」とイイワケしたが、山崎拓に「『日本も核武装して北朝鮮に対抗しよう』という意見が、公然と党の会議で言われることは非常に憂慮すべきだ。極端に言えば人類を破滅に導く議論だ」と批判された(同)。筋金入りのタカ派政治家・山崎拓が最近はハト派に見えてしまうくらい、自民党政治家のはね上がりぶりはひどい。

それにしても、国連脱退に言及とはおだやかではない。これを聞いて、1933年の国際連盟脱退を思い出さない人はいないだろう。当時、朝日新聞は「連盟よさらば!我が代表堂々退場す」という一面の見出しで、国際連盟で脱退の演説をぶった松岡洋右を称賛した。朝日新聞のコラム「今日の問題」の執筆者は、調子に乗って軍歌「連盟よさらば」の作詞までして、戦意を煽りに煽った。なお松岡洋右はかつて核保有論を唱えた安倍晋三と縁戚関係にある。

いったい坂本剛二は、松岡洋右にでもなりたかったのだろうか。パッとしなかったこれまでの政治家人生を振り返って焦りを感じ、松岡洋右に自らをなぞらえて、自ら属する町村派の大物政治家・安倍晋三に媚びを売ることによって、一躍名を売ろうとでもしたのだろうか。いずれにしても頭が悪いとしか言いようがなく、こんな痴呆にでも政治家が務まる日本の現状に、激しい怒りを感じずにはいられない今日この頃である。


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定額給付金を麻生がもらうとかもらわないとかでマスコミや与野党が騒いでいるが、どうでもよい話である。そんな無意味な議論によって時間を空費する政治の罪は重い。そんなことについては何も書きたくないので、今日は山口県の地方選挙を取り上げたい。

1日に投開票が行われた柳井市長選で、民主党の平岡秀夫衆院議員の秘書を務めていた井原健太郎氏が、前自民党県連幹事長で前県議の長谷川忠男氏を破って初当選した。また、同日に行われた山口県議補選では、民主新顔の河北洋子氏が自民新顔の松野利夫氏を破って初当選した。
http://www.asahi.com/politics/update/0301/SEB200903010007.html

柳井市は平岡秀夫議員が議席を持つ山口2区だが、昨年の衆院補選で自民党公認で立候補した、「ノーパンしゃぶしゃぶ」「耐震偽装」で悪名高い山本繁太郎の出身地で、同補選でも柳井市に限っては山本繁太郎の票が平岡秀夫を上回った。その柳井市長選で民主党系の候補が自民党系の候補を破ったことは、いよいよ自民党の退潮がここまできたかと思わせるものだ。

ところで、個人的に注目しているのは、3月15日に行われる下関市長選である。この市長選には、あの悪名高い安倍晋三直系の江島潔が出馬を断念したのである。以前にも書いたように、ブログで江島について書いたいくつかのエントリのアクセス数が急に増えたことから、江島引退の一件を知った。

市長選に出馬するのは、友田有前県議(51)と香川昌則前市議(45)、中尾友昭元県議(59)の新人三人であり、このうち安倍晋三の系列に当たるのが友田氏らしい。今回の市長選では、安倍が江島に見切りをつけて友田氏に乗り換えたもののようだ。1月に友田氏が出馬表明をした時には、江島市政の刷新を訴えて地元を驚かせたとのことだが、当初は江島潔も出馬する姿勢を見せていた。江島は安倍晋三に支持を取りつけに行ったものの、あまりの悪政のために評判がさんざんで事前の調査でも当選の見込みの低かった江島は、安倍にこっぴどく叱られ、泣く泣く5選を断念したなどといわれているが、私は地元民ではないので正確なところはわからない。対抗馬は中尾友昭氏もかなり有力だが、今のところ友田氏が最有力とされているようだ。地元で悪政を行った江島と違って、安倍はまだまだ地元下関での人気が高いらしい。一方、中尾友昭氏を自民党の林芳正参院議員の系列とする見方がある。つまり、安倍晋三と林芳正の鞘当てがあるということらしい。

毎日新聞の山口版に、3候補のマニフェストが掲載されている。地元でもなんでもない当ブログとしては、市長選についてはこれ以上書かないが、私が関心を持っているのは江島潔の動向である。

いくらなんでも、次期総選挙における山口4区からの立候補はあり得ないと思うが、元参議院議員を父に持ち、東京出身で東大の工学系大学院を修了し、38歳にして下関市長になった世襲政治家の江島潔がこのまま終わるとは考えられない。県政に進出し、ゆくゆくは国政入りを狙う可能性が高い。世襲政治家の跳梁跋扈を許さないためにも、今後も監視していく必要のある男だと思う。


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辞任した中川昭一の後任が、誰もが「よりにもよって」と声をあげた最低最悪の増税爺にして超緊縮財政論者の与謝野馨だった(但し、予算成立までの暫定的な兼任らしいが)から、またぞろ中川(酒)の泥酔辞任が「○○の陰謀」によるものではないかとの声が出ている。

当ブログは、コイズミが麻生太郎首相批判を始めて以来、「お前が言うな」と、一貫してコイズミを徹底的に批判してきたが、麻生や中川(酒)を、右側から擁護する陰謀論者たちと共闘するわけにはいかない。「敵の敵は味方」というのは、道を誤る考え方である。ちょっと前、政権交代に躍起の民主党が、コイズミの麻生批判に飛びつこうとした時、当ブログが民主党を厳しく批判したのも、「敵の敵は味方」の論理の落とし穴を警戒したからだ。思い出しておきたいのは、あの郵政解散の時に、当時民主党代表だった岡田克也がガッツポーズをしたことである。あれは、誰の目にも大きな敵失に見えた。これでコイズミは終わりだと思ったが、そうは問屋が卸さず、期待とは真逆の結果になった。

当ブログは、基本的に新自由主義にも国家主義的な新保守主義にも反対であるから、コイズミ一派に対しても平沼赳夫一派に対しても徹底的に批判する立場を貫く。「敵の敵は味方」の論理はとらない。結果的に意見が一致することもあるかもしれないが、それは「たまたま」であって、たとえばコイズミに対しては、それぞれ独立して違った角度から批判していると考えている。

面白いと思ったのは、上田勝さんと仰る方の『DAILYPOINT SQUARE』というブログの記事で、この人は「小泉が動いた!本格化する麻生降ろしへの動き」と題された記事を見ていると、コイズミにかなり親和的な人みたいで、私と立場は全然合わないのだが、「「真の保守」達の嘆き」「中川昭一擁護の声が痛々しい」などの国家主義者たちを批判するエントリは、わさびがよくきいている。後者は、城内実のブログを題材として、極右たちの間に蔓延する陰謀論を批判したものだ。以下、一節を引用する。

中川昭一氏の衝撃的な会見映像から昨日の辞任に至るまで、あちこちのブログを訪問した。特に香ばしい匂いを発していたのが城内実氏の「とことん信念」ブログである。城内実氏と言えば、郵政民営化に反対し、小泉自民党から公認を受けられず、刺客に敗れた前衆議院議員だ。あのアパグループ代表で小松基地友の会会長の元谷外志雄氏とも親交が深い関係からか、多くの「真の保守」派達のコメントが寄せられ、中には中川氏酩酊状態の原因を某国政府機関の陰謀とみなすものさえあって、痛々しさにあふれていた。

(『DAILYPOINT SQUARE』 2009年2月18日付エントリ「中川昭一擁護の声が痛々しい」より)


ここで書かれているように、中川(酒)の泥酔辞任の一件における極右たちの陰謀論丸出しの議論には、またかとうんざりさせられる。中川(酒)を陥れようと官僚が読売新聞の記者と謀ってどうこう、という記事はあちこちで読んだ。だが、他の冷静なソースを当たってみると、くだんの官僚氏は中川(酒)の実務を常にサポートしていた人で、中川(酒)本人にはたいした能力はなく、官僚頼みの政治家だった。また、読売新聞について批判されるべきは、「中川(酒)を陥れた」ことではなく、中川(酒)が飲酒して泥酔していたことを知っていながら、それを記事にするのが遅れたことだろう。

そもそも、中川(酒)の飲酒癖については、読売新聞の記事にも書かれているように、以前から何度も失態を演じてきたもので、そもそもこのような人物を財務相に据えた麻生太郎首相に問題がある。今朝の新聞を読んでいると、麻生は憔悴しきって目を潤ませていたそうだが、思い出すのは松岡利勝元農水相が自殺した時の首相だった安倍晋三の反応である。状況は呆れるくらいそっくりで、安倍も麻生も昭和の有名な総理大臣の「孫」である。「東京に三代住めば白痴になる」と放言して批判を浴びたのは故大平正芳首相だったが、それを思い起こさせる元・現首相のていたらくである。

それもこれも、世襲政治が招いた失態だ。現在、『週刊文春』では上杉隆が厳しい世襲政治批判を展開している。小倉秀夫弁護士は、ブログで小渕優子議員を批判して、

 結局,小泉=竹中ラインが,中産階級を破壊すべく様々な改革を繰り広げる間,この種の人たち(注:小渕優子議員に代表される人たち)はぬくぬくと特権を味わいつづけてきたわけで,「世代間闘争」を訴える新自由主義者たちは,「中高年正社員」にわずかながらの富をはき出させる情熱のごくわずかでもこの種の特権階級に相応の富をはき出させるためには使わないわけです。要するに,目くらましをしているだけなのです。

と書いている。

そこにこそ問題がある。そもそも、中川(酒)、麻生、安倍らはみな能力に問題のある世襲議員である。どうしようもない無能政治家である麻生や安倍とは違って、中川にはまだ少しは頭の切れるところもあったが、飲酒癖が招いた失態を何度も繰り返してきた男が、閣僚ポストの「渡り」をしてきたのが、世襲政治家王国自民党の政権だったのだ。中川(酒)、麻生、安倍といった極右政治家とコイズミら新自由主義政治家は同じ穴の狢であって、両者をともに厳しく批判するのが当ブログのスタンスである。城内実とは断じて共闘などしない。

今朝(20日)の朝日新聞には、「薬と酒、ローマの窮日」と題された記事が出ている。朝日新聞の記者も中川(酒)の飲酒を疑ったが、裏が取れないまま朝刊の締め切り時刻が過ぎてしまったとする記事である。テレビ報道よりかなり中川の飲酒疑惑を追及する報道が遅れたイイワケをしていて、「ユーチューブ」などにこれらの映像が勝手に投稿された、と書いてインターネットの著作権侵害批判もしているのだが、記事の内容はともかく、「ローマの窮日」という見出しにはウケた。もっとも私が読んだのは大阪本社版であって、東京本社の紙面も同じ表現を用いているかどうかは知らない。中川昭一も、会議や記者会見から脱走して、つかの間のローマの休日を楽しみたかったに違いないが(実際、会議及び会見のあとにはバチカン観光を楽しんだらしいが)、この窮状に陥ったのは中川昭一の自業自得の自滅であって、誰に陥れられたわけでもないと思う今日この頃なのである。


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