3連休の2日目にあたる日曜日(17日)未明、突如安倍政権の御用放送局であるNHKが、今月下旬に開会する臨時国会の冒頭に、安倍晋三が衆議院を解散する見通しだと報じた。
北朝鮮がミサイルの試射を繰り返すばかりか核実験まで行い、金正恩とトランプがお互いに対して挑発しまくる情勢に加え、日本国内では民進党の内紛や、安倍が宿願の改憲のための補完勢力としてあてにしていたであろう小池百合子系の新党が立ち上がりそうで立ち上がらない状況を見て、「衆院の解散総選挙をやるなら今しかない」と判断したものだろう。
もちろん安倍がもくろんでいる解散は違憲の疑いが強い。これまで、野党4党が憲法53条の
それでなくても、秘密保護法、安保法、「共謀罪」法などの数々の違憲法を成立させてきた安倍政権は、未だ明文改憲はしていないとはいえ憲法を無視し続けてきた「非立憲政権」だ。反自民の野党は「非立憲の安倍政権と立憲野党との選択の選挙」だとして、有権者にアピールすべきだ。
ところで、事実上10月22日の衆院選が確定したが、現在はその「初動」の時期に当たる。この時期に、反自民の野党が注力しなければならないことの一つは、可能な限り早い段階で「若狭・細野新党=論外の泡沫政党」との印象を有権者に植えつけることだ。
都議選であれだけ「都民ファーストの会」が圧勝したというのに、何を言うか、とおっしゃる方もおられるかもしれない。しかし、都議選圧勝に増長した小池百合子が、関東大震災の際の朝鮮人虐殺への追悼文送付取り止めを決定したことが東京新聞に暴露された8月下旬から、それまで小池に対して礼賛または迎合一色だったテレビの風向きが変わり、小池は後藤謙次や星浩といった「ぬるいキャスター」からさえ批判をあびるようになった。
加えて、「都民ファーストの国政政党版」がなかなか立ち上がらない。これは、小池百合子の傀儡・若狭勝の無能によるところが大きく、小池が若狭と民進党を離党した細野豪志とを引き合わせて、ようやく若狭・細野の2人と民進党で細野の配下だった笠浩史・後藤祐一・鈴木義弘を加えた5人で政党立ち上げの目処を立てた。しかし、当初新党参加が予想された長島昭久さえこのところ「若狭・細野新党」と距離を置いているように見える。
若狭は、立ち上げたばかりの自身の政治塾(入塾に際して希望者の思想調査を行ったというアレ)から立候補者を立てるつもりらしいが、そもそも「若狭・細野新党」は何を目指す政党なのかさっぱりわからない。ただ小池百合子が「しがらみのない政治」と言っているだけで、そんなものは何の意味もない言葉だ。
若狭は「一院制を新党の一丁目一番地とする」と宣言したが、「何それ?」というのが大方の人の感想だろう。一院制は、かつてみんなの党や日本維新の会が導入を強く主張したいきさつがあるが、当然ながら憲法を変えなければ実現できない。要するに、ただ単に「若狭・細野新党は改憲政党ですよ」とアピールしただけの話だ。そんな政党を「立憲野党」の枠組みに入れてはならないことは当然だ。
しかも、若狭勝の実力が惨憺たるものであることが、17日投開票の摂津市議会選挙ではっきり示された。小池側近の若狭が応援したことで(ごく一部から)注目されたこの地方選で、「市民ファースト」を掲げた4人のうち、言い出しっぺの元職が落選し、残りの3人に至っては当選に必要な4桁の得票数どころか、100票にも満たない2桁の得票数で、最下位から順番に下位の3つの順位を独占したのだ。
そもそも「都民ファーストの会」自体、マスコミが風を吹かせたことと安倍政権及び自民党の醜態が相俟ってあんな結果(都議選圧勝)を得てしまっただけで、全く内実が伴っていない。「都民ファーストの会」の都議が自由な発言が封じられていることや、突然の同会代表交代が相次ぎ、その度に代表選出に透明性が全くないことがマスコミに批判されるようになっている。テレビのワイドショーももう「小池劇場」などとは言わなくなったのではないか(ワイドショーなんか見ていないので知らないが)。
要するに、もうすっかりメッキが剥がれたのが「小池ファースト」であり、しかも「作られたカリスマ」小池百合子自身は間違っても「若狭・細野新党」から衆院選に立候補するはずもない。こんなのは、志位和夫や枝野幸男が「自民党の補完勢力だ」として「若狭・細野新党」を一刀両断にする姿勢で良いのだ。
「若狭・細野新党」に勢いが全くつかなければ、東京都知事であって本来国政選挙に関わること自体筋が通らない小池百合子が、「私は東京都知事なので」とかなんとか言って「逃げ」に走るだろう。野党は早く小池をそういう状態に追い込み、「若狭・細野新党」から奪われる票をゼロに近づけなければならない。これが衆院選の戦略の「基本の基本」だろう。
しかし、民進党代表の前原誠司は、相変わらず寝ぼけた発言を繰り返している。たとえば、『ホウドウキョク』によると、
問題は何も前原誠司に限らない。小沢一郎の影響力の強い人たちも同じだ。例えば民進党の右派議員で、以前から小沢との結びつきの強い原口一博は、下記のような馬鹿げたツイートを公開した。
https://twitter.com/kharaguchi/status/909641962386464768
要するに、原口一博の「無党派の友人」(嘘つけ! どう見たって「小沢信者」じゃないか)は、民進・社民・自由3党の国会内統一会派結成にとどまらず、3党が早期に合流してその党首に小沢一郎を「三顧の礼」で迎え入れ、小沢の影響力を小池百合子に及ぼして自由党議員のみならず民進党を離党して新党に流れようとしている細野らの議員までをも「民進・社民・自由」合流新党に参加させよう、などという荒唐無稽なつぶやきをしているのである。
これが国会議員のツイートかと呆れるばかりだが、問題は、こんな馬鹿げたツイートを、「野党共闘」の理論的指導者の一人であると思われる「こたつぬこ」こと木下ちがや氏がリツイートしていることだ。私はそれによって原口のツイートを知った。
しかも、木下氏はこんなツイートまで自ら発している。
https://twitter.com/sangituyama/status/909666008843001856
そりゃ自らが深く関わっている国政新党立ち上げに水を差す安倍晋三の衆院解散に小池百合子が怒り心頭なのは当然だろう。しかし、その小池の動きに期待するかのような木下ちがやのツイートはどうだろうか。私はこれを見て怒り心頭に発した。
これまで述べてきたように、「野党共闘」の勝利のためには、可及的速やかに「若狭・細野新党」の戦力を殺いでその影響力をゼロにしなければならない時に、原口一博だの木下ちがやだのは一体何をやっているのだろうか。原口の背後にいる小沢一郎や、前述の前原誠司などとともに、原口や木下らに対して腹が立ってならない。
こうした原口・木下・小沢・前原らの妄言・妄動こそ「野党共闘」の惨敗と安倍自民党の大勝をもたらす元凶になりかねないのではないか。そう強く危惧する今日この頃なのである。
北朝鮮がミサイルの試射を繰り返すばかりか核実験まで行い、金正恩とトランプがお互いに対して挑発しまくる情勢に加え、日本国内では民進党の内紛や、安倍が宿願の改憲のための補完勢力としてあてにしていたであろう小池百合子系の新党が立ち上がりそうで立ち上がらない状況を見て、「衆院の解散総選挙をやるなら今しかない」と判断したものだろう。
もちろん安倍がもくろんでいる解散は違憲の疑いが強い。これまで、野党4党が憲法53条の
という条文に従って臨時国会の召集を要求してきたのを安倍晋三は無視し続け、3か月も国会を閉じたままにしておいて、やっと臨時国会を開くと思ったらいきなり何の審議もせずに冒頭解散とは、いくらなんでも滅茶苦茶だろう。憲法無視も良いところだ。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。
それでなくても、秘密保護法、安保法、「共謀罪」法などの数々の違憲法を成立させてきた安倍政権は、未だ明文改憲はしていないとはいえ憲法を無視し続けてきた「非立憲政権」だ。反自民の野党は「非立憲の安倍政権と立憲野党との選択の選挙」だとして、有権者にアピールすべきだ。
ところで、事実上10月22日の衆院選が確定したが、現在はその「初動」の時期に当たる。この時期に、反自民の野党が注力しなければならないことの一つは、可能な限り早い段階で「若狭・細野新党=論外の泡沫政党」との印象を有権者に植えつけることだ。
都議選であれだけ「都民ファーストの会」が圧勝したというのに、何を言うか、とおっしゃる方もおられるかもしれない。しかし、都議選圧勝に増長した小池百合子が、関東大震災の際の朝鮮人虐殺への追悼文送付取り止めを決定したことが東京新聞に暴露された8月下旬から、それまで小池に対して礼賛または迎合一色だったテレビの風向きが変わり、小池は後藤謙次や星浩といった「ぬるいキャスター」からさえ批判をあびるようになった。
加えて、「都民ファーストの国政政党版」がなかなか立ち上がらない。これは、小池百合子の傀儡・若狭勝の無能によるところが大きく、小池が若狭と民進党を離党した細野豪志とを引き合わせて、ようやく若狭・細野の2人と民進党で細野の配下だった笠浩史・後藤祐一・鈴木義弘を加えた5人で政党立ち上げの目処を立てた。しかし、当初新党参加が予想された長島昭久さえこのところ「若狭・細野新党」と距離を置いているように見える。
若狭は、立ち上げたばかりの自身の政治塾(入塾に際して希望者の思想調査を行ったというアレ)から立候補者を立てるつもりらしいが、そもそも「若狭・細野新党」は何を目指す政党なのかさっぱりわからない。ただ小池百合子が「しがらみのない政治」と言っているだけで、そんなものは何の意味もない言葉だ。
若狭は「一院制を新党の一丁目一番地とする」と宣言したが、「何それ?」というのが大方の人の感想だろう。一院制は、かつてみんなの党や日本維新の会が導入を強く主張したいきさつがあるが、当然ながら憲法を変えなければ実現できない。要するに、ただ単に「若狭・細野新党は改憲政党ですよ」とアピールしただけの話だ。そんな政党を「立憲野党」の枠組みに入れてはならないことは当然だ。
しかも、若狭勝の実力が惨憺たるものであることが、17日投開票の摂津市議会選挙ではっきり示された。小池側近の若狭が応援したことで(ごく一部から)注目されたこの地方選で、「市民ファースト」を掲げた4人のうち、言い出しっぺの元職が落選し、残りの3人に至っては当選に必要な4桁の得票数どころか、100票にも満たない2桁の得票数で、最下位から順番に下位の3つの順位を独占したのだ。
そもそも「都民ファーストの会」自体、マスコミが風を吹かせたことと安倍政権及び自民党の醜態が相俟ってあんな結果(都議選圧勝)を得てしまっただけで、全く内実が伴っていない。「都民ファーストの会」の都議が自由な発言が封じられていることや、突然の同会代表交代が相次ぎ、その度に代表選出に透明性が全くないことがマスコミに批判されるようになっている。テレビのワイドショーももう「小池劇場」などとは言わなくなったのではないか(ワイドショーなんか見ていないので知らないが)。
要するに、もうすっかりメッキが剥がれたのが「小池ファースト」であり、しかも「作られたカリスマ」小池百合子自身は間違っても「若狭・細野新党」から衆院選に立候補するはずもない。こんなのは、志位和夫や枝野幸男が「自民党の補完勢力だ」として「若狭・細野新党」を一刀両断にする姿勢で良いのだ。
「若狭・細野新党」に勢いが全くつかなければ、東京都知事であって本来国政選挙に関わること自体筋が通らない小池百合子が、「私は東京都知事なので」とかなんとか言って「逃げ」に走るだろう。野党は早く小池をそういう状態に追い込み、「若狭・細野新党」から奪われる票をゼロに近づけなければならない。これが衆院選の戦略の「基本の基本」だろう。
しかし、民進党代表の前原誠司は、相変わらず寝ぼけた発言を繰り返している。たとえば、『ホウドウキョク』によると、
とのことだ。こういう「若狭・細野新党」への迎合は、民進党から新党へと票を流出させることにしかならないのだが、前原はそれを理解していないようだ。共産党や日本維新の会などとの連携や、細野元環境相や若狭衆議院議員らが結成を目指す新党との連携について、前原氏は、「われわれが掲げる理念・政策が共有できるところであれば、どことでも協力していく」と述べた。(9月17日)
問題は何も前原誠司に限らない。小沢一郎の影響力の強い人たちも同じだ。例えば民進党の右派議員で、以前から小沢との結びつきの強い原口一博は、下記のような馬鹿げたツイートを公開した。
https://twitter.com/kharaguchi/status/909641962386464768
私の無党派の友人が彼の希望として以下のシナリオを提言。
党首会談→国会内統一会派→三顧の礼→党首会談→衆議院統一名簿もしくは一気に統一政党→民主党、民進党離党者等の呼び戻し→党首会談→地域政党との契約→党首会談→立憲共闘。
10日でこれができるか。小異を捨てて大道につく決断をと。
21:55 - 2017年9月17日
要するに、原口一博の「無党派の友人」(嘘つけ! どう見たって「小沢信者」じゃないか)は、民進・社民・自由3党の国会内統一会派結成にとどまらず、3党が早期に合流してその党首に小沢一郎を「三顧の礼」で迎え入れ、小沢の影響力を小池百合子に及ぼして自由党議員のみならず民進党を離党して新党に流れようとしている細野らの議員までをも「民進・社民・自由」合流新党に参加させよう、などという荒唐無稽なつぶやきをしているのである。
これが国会議員のツイートかと呆れるばかりだが、問題は、こんな馬鹿げたツイートを、「野党共闘」の理論的指導者の一人であると思われる「こたつぬこ」こと木下ちがや氏がリツイートしていることだ。私はそれによって原口のツイートを知った。
しかも、木下氏はこんなツイートまで自ら発している。
https://twitter.com/sangituyama/status/909666008843001856
ポピュリスト小池「反安倍」で仕掛けてきますよ。
小池知事「大義、分からない」 早期の衆院解散を批判:朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/amp/articles/ASK9L4TGLK9LUTIL00N.html …
23:30 - 2017年9月17日
そりゃ自らが深く関わっている国政新党立ち上げに水を差す安倍晋三の衆院解散に小池百合子が怒り心頭なのは当然だろう。しかし、その小池の動きに期待するかのような木下ちがやのツイートはどうだろうか。私はこれを見て怒り心頭に発した。
これまで述べてきたように、「野党共闘」の勝利のためには、可及的速やかに「若狭・細野新党」の戦力を殺いでその影響力をゼロにしなければならない時に、原口一博だの木下ちがやだのは一体何をやっているのだろうか。原口の背後にいる小沢一郎や、前述の前原誠司などとともに、原口や木下らに対して腹が立ってならない。
こうした原口・木下・小沢・前原らの妄言・妄動こそ「野党共闘」の惨敗と安倍自民党の大勝をもたらす元凶になりかねないのではないか。そう強く危惧する今日この頃なのである。
テレビ報道はこのところミサイル試射どころか核実験までやらかした北朝鮮をめぐる報道ばかりだ。もちろん北朝鮮の核実験は「絶対悪」以外の何物でもなく、無条件で厳しく批判されなければならない。下手に日本が撃ち落としたら日本の方が戦争を始めたことになりかねないミサイル試射とは問題の深刻さが全く異なることは指摘しておかなければならない。
ただ、北朝鮮の蛮行が間接的に安倍政権を助けまくり、早々と通常国会を閉めたにもかかわらずなかなか臨時国会を開こうともしない「ズル休み男」の安倍に、金正恩が「棚からぼた餅」を供給し続けている構図になっていることは腹立たしい限りだ。もちろん金正恩の眼中には日本はなく、金正恩に負けないくらい非理性的な狂気の指導者というべきアメリカのトランプとチキンレースを繰り広げているのが実態ではあるが。
日本国内にも、金正恩の北朝鮮と同じくらい安倍内閣支持率の「V字回復」に協力している政党がある。いうまでもなく民進党だ。
滅び行く組織というのは、魅入られたように悪い方の選択肢を選び続ける、というのが近年得た私の経験則だが(そのもっとも極端な例が、先の戦争における日本の指導者たちの選択だ)、昨年の東京都知事選における鳥越俊太郎の惨敗以降の民進党はまさにその典型例だ。
昨日(10日)に公開された『広島瀬戸内新聞ニュース』の記事「蓮舫前代表の小池ファースト抱きつきが響き、離党が止まらない民進党」の指摘はまさに正鵠を射ている。「民進党前代表の蓮舫が『小池ファーストに抱きつこうとして振り払われた』ことが民進党の『痛恨の敗着』だった」ことは、現在の民進党について論じる時、議論の前提として論者たちに共有されなければならない観点だと私は思う。
しかし実際には、民進党代表選に当選した前原誠司に批判的な民進党シンパたちの間ですら、こういう認識はなされていないように思われる。たとえば、昨年蓮舫が小池百合子に「協力」を申し出て、それに対して小池が「4島ならぬ4党」、つまり「北方領土」の4つの島に引っかけて、公明党、かがやけ、民進党、共産党(!)を引き合いに出した時に「ワクワク」した市井のブログ主は、その後も蓮舫支持を表明していながら、蓮舫と同じ方向性を目指す前原誠司を批判する記事を書いている。要するに、ブログ主自身がどこか「小池ファースト」に対する未練を引きずっているのだ。もちろんこのブログ主とて最近では「小池百合子となかまたち」批判側に回ってはいるのだが、小池に惹かれる心性はまだ残っているように見受けられる。
これが民進党の国会議員になるともっと顕著で、この週末に離党への動きが報じられた笠浩史ら5議員のみならず、代表の前原誠司までもが小池に秋波を送るありさまだ。その一方で前原は「野党共闘」継続へのシフトともとれる人事も行い、矛盾と混乱を前原自らが招いている。いかにもこの男らしい。
民進党を離党した山尾志桜里の件でも、前原はその無能さをさらけ出した。自ら抜擢した「秘蔵っ子」(前記「ワクワク」氏のブログの表現を借りた)を前原はろくに守ろうともせず、それどころか前原が選んだ執行部の中には山尾に対して強圧的な態度を取る者もいたらしい。それに山尾は不信感を抱いたというのだが、前原の子飼いだったことからも明らかなようにもともと民進党右派の議員だった元検事の山尾は、その思想信条から言っても小池ファーストとの親和性は高そうだから、山尾が小池ファーストに移ったとしても私は驚かない。
その山尾を引きずり下ろした民進党議員たちの心理に共通するのは「嫉妬」だろう。民進党の党勢が傾く中、同党の特に右派議員たちは、自らも小池ファーストに心惹かれる一方で、党内でのし上がろうとしていた山尾志桜里に対しては嫉妬むき出しなのであって、およそ人間の醜いエゴイズムを恥ずかしげもなく世間に晒している人たちの集まりとしか私には思えないのだが、そんな集団が「たかが不倫」が報じられた議員に離党や議員辞職への圧力をかける。およそモラルもへったくれもあるとは思えない醜悪な人たちなのに、人の不倫にはびっくりするほど厳しい。自分には徹底的に甘く、人にはとことん厳しい連中が寄り集まった組織。こんな馬鹿げた政党に嫌悪感を抱かない方が私には不思議だ。
民進党代表選の論戦で、枝野幸男は民進党を離党した候補者には選挙で刺客を送ると明言していたのに対し、前原は口を濁してかつての同志だった細野豪志(つまり小池ファースト)の「新党」との連携に含みを持たせる発言をしていた。
しかし、旧細野派である「自誓会」の3人を含む民進党議員たちの離党の意向が報じられると、前原も彼らに刺客を送ると言明せざるを得ない羽目に追い込まれた。明らかに、枝野を代表に選んだ場合と比較して対応が後手に回っている。
民進党は今回も「魅入られたように悪い選択肢を選んでしまった」といえる。ここまできてしまった以上、この政党はもはや「なるようにしかならない」だろう。何を言っても無駄だ。
ただ、北朝鮮の蛮行が間接的に安倍政権を助けまくり、早々と通常国会を閉めたにもかかわらずなかなか臨時国会を開こうともしない「ズル休み男」の安倍に、金正恩が「棚からぼた餅」を供給し続けている構図になっていることは腹立たしい限りだ。もちろん金正恩の眼中には日本はなく、金正恩に負けないくらい非理性的な狂気の指導者というべきアメリカのトランプとチキンレースを繰り広げているのが実態ではあるが。
日本国内にも、金正恩の北朝鮮と同じくらい安倍内閣支持率の「V字回復」に協力している政党がある。いうまでもなく民進党だ。
滅び行く組織というのは、魅入られたように悪い方の選択肢を選び続ける、というのが近年得た私の経験則だが(そのもっとも極端な例が、先の戦争における日本の指導者たちの選択だ)、昨年の東京都知事選における鳥越俊太郎の惨敗以降の民進党はまさにその典型例だ。
昨日(10日)に公開された『広島瀬戸内新聞ニュース』の記事「蓮舫前代表の小池ファースト抱きつきが響き、離党が止まらない民進党」の指摘はまさに正鵠を射ている。「民進党前代表の蓮舫が『小池ファーストに抱きつこうとして振り払われた』ことが民進党の『痛恨の敗着』だった」ことは、現在の民進党について論じる時、議論の前提として論者たちに共有されなければならない観点だと私は思う。
しかし実際には、民進党代表選に当選した前原誠司に批判的な民進党シンパたちの間ですら、こういう認識はなされていないように思われる。たとえば、昨年蓮舫が小池百合子に「協力」を申し出て、それに対して小池が「4島ならぬ4党」、つまり「北方領土」の4つの島に引っかけて、公明党、かがやけ、民進党、共産党(!)を引き合いに出した時に「ワクワク」した市井のブログ主は、その後も蓮舫支持を表明していながら、蓮舫と同じ方向性を目指す前原誠司を批判する記事を書いている。要するに、ブログ主自身がどこか「小池ファースト」に対する未練を引きずっているのだ。もちろんこのブログ主とて最近では「小池百合子となかまたち」批判側に回ってはいるのだが、小池に惹かれる心性はまだ残っているように見受けられる。
これが民進党の国会議員になるともっと顕著で、この週末に離党への動きが報じられた笠浩史ら5議員のみならず、代表の前原誠司までもが小池に秋波を送るありさまだ。その一方で前原は「野党共闘」継続へのシフトともとれる人事も行い、矛盾と混乱を前原自らが招いている。いかにもこの男らしい。
民進党を離党した山尾志桜里の件でも、前原はその無能さをさらけ出した。自ら抜擢した「秘蔵っ子」(前記「ワクワク」氏のブログの表現を借りた)を前原はろくに守ろうともせず、それどころか前原が選んだ執行部の中には山尾に対して強圧的な態度を取る者もいたらしい。それに山尾は不信感を抱いたというのだが、前原の子飼いだったことからも明らかなようにもともと民進党右派の議員だった元検事の山尾は、その思想信条から言っても小池ファーストとの親和性は高そうだから、山尾が小池ファーストに移ったとしても私は驚かない。
その山尾を引きずり下ろした民進党議員たちの心理に共通するのは「嫉妬」だろう。民進党の党勢が傾く中、同党の特に右派議員たちは、自らも小池ファーストに心惹かれる一方で、党内でのし上がろうとしていた山尾志桜里に対しては嫉妬むき出しなのであって、およそ人間の醜いエゴイズムを恥ずかしげもなく世間に晒している人たちの集まりとしか私には思えないのだが、そんな集団が「たかが不倫」が報じられた議員に離党や議員辞職への圧力をかける。およそモラルもへったくれもあるとは思えない醜悪な人たちなのに、人の不倫にはびっくりするほど厳しい。自分には徹底的に甘く、人にはとことん厳しい連中が寄り集まった組織。こんな馬鹿げた政党に嫌悪感を抱かない方が私には不思議だ。
民進党代表選の論戦で、枝野幸男は民進党を離党した候補者には選挙で刺客を送ると明言していたのに対し、前原は口を濁してかつての同志だった細野豪志(つまり小池ファースト)の「新党」との連携に含みを持たせる発言をしていた。
しかし、旧細野派である「自誓会」の3人を含む民進党議員たちの離党の意向が報じられると、前原も彼らに刺客を送ると言明せざるを得ない羽目に追い込まれた。明らかに、枝野を代表に選んだ場合と比較して対応が後手に回っている。
民進党は今回も「魅入られたように悪い選択肢を選んでしまった」といえる。ここまできてしまった以上、この政党はもはや「なるようにしかならない」だろう。何を言っても無駄だ。