柳美里の今日のできごと

福島県南相馬市小高区で、
「フルハウス」「Rain Theatre」を営む
小説家・柳美里の動揺する確信の日々

『創』休載の理由

2014年10月15日 19時06分53秒 | 日記

『創』の連載エッセイ「今日のできごと」が休載されています。

今月発売号の編集後記に、休載の理由が一言も触れられていなかったので、ここに書きます。

現状では、柳美里が「落とした」のだと誤解されるから――。

実は、もう何年も稿料が支払われていないのです。

先月、意を決して、「稿料未払い分を計算して、振り込んでください。全額振り込まれるまで、次の原稿を書くことはできません」と篠田博之編集長にメールしました。

篠田編集長から、9月2日にメールが届きました。

「返信が遅くなって申し訳ありません。ショッキングなメールでしたので、考える時間が必要でした。
おっしゃること、もっともだと思います。何とかしようとは思っているのですが、大変な時期に力になれずにいて申し訳ありません」


篠田さん、何故、支払ってもらえない稿料を支払ってください、とお願いすることが 「ショッキング」なのでしょうか?

わたしは、原稿を書くことで収入を得ています。
原稿執筆労働者です。
1枚数千円の原稿を毎日書いて、家族を養い、猫たちを養い、猫の糖尿病治療費や、福島県南相馬市への交通費や滞在費を捻出しているのです。

篠田さん、筆者に稿料を支払うことは、筆者の「力になる」ことではありません。
労働の対価を支払うことです。

10月5日に届いた篠田編集長からのメールです。

「弊社から『黒子のバスケ』脅迫犯の手記がようやく発売になり、これが売れるとある程度入金もあると思いますので、可能になり次第、原稿料を振り込んでいきます」

もし、手記が売れなかったら、原稿料は支払われないのでしょうか?

まず、2007年8月連載開始から現在まで、原稿用紙何枚分の原稿料が未払いで、そのうちいくらを何月何日までに支払い、残額を何月何日までに支払うのかを明らかにしてください。
(そちらで明らかにしないのであれば、税理士に相談して、計算してもらった上でご請求いたします)


そして、篠田さん、読者には、編集長として休載(あるいは、連載終了)の理由を説明すべきだと思います。

おかしいですか?

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