電力会社の努力または努力不足|河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり
2011年はLNGを使用している電力七社のうち、四社が平均輸入価格を上回る単価で購入し、2010年も三社が上回っている。
色々とアレな発言で痛い人からの支持を集めてきた河野太郎氏ですが、まぁ父親は立派でも息子は……という典型ですね。だから世襲議員はダメなんだと感じるところでもあります。「クラスの35人の内18人が平均点を下回っている! 生徒の努力不足だ!」などと叫び出す学校教師が能力不足を理由に解雇されても、それは不当解雇に当たらないと思いますけれど、議員の場合はどうなんでしょう。こんなのを所属させていて自民党はよく恥ずかしくないな、と。いや、むしろ当選を許してしまった国民こそ恥じるべきなのでしょうか。ともあれこの河野太郎氏、原発問題を巡って「利権が、利権が」と連呼しては喝采を浴びたりもしていたわけですが……
吹田市、国に虚偽報告 補助金事業 市長後援企業と随意契約(産経新聞)
大阪府吹田市が3月、環境省の補助金を活用した工事を、井上哲也市長の後援企業に随意契約で発注し、環境省に「競争入札で実施した」と虚偽報告していたことが31日、分かった。平成23年度末で余った補助金を返還する必要があり、市は「競争入札では間に合わず、市の工事で実績があると判断して契約した。市長の後援会関係者とは把握していなかった」と釈明している。
市によると、温暖化対策を進めるための「グリーンニューディール基金」から補助金約5850万円を受け、2月、市庁舎の照明をLEDにする事業など3事業で指名競争入札を実施した。
(中略)
また、指名競争入札を行った3事業でも、市は事前に1社からしか見積書を取っていなかったにもかかわらず、国の会計検査で問題視されるのを逃れるため、落札業者に虚偽の見積書を複数作成させて提出させていたという。
別に珍しくも何ともないニュースです。ただ、河野太郎の「利権が、利権が」を真に受けてしまうような人もいたこともまた事実、特別に原発周りが、あるいは既存の電力会社周りが際立って利権にまみれているかのごとくに印象づけようとしてきた人々、信じてきた人々は引用したような事例にも真摯に向き合うべきでしょう。とかく環境面で「グリーン」なものは金銭的にも「クリーン」であるかのような錯覚が蔓延していますけれど、現実問題として何であれお金が動く以上、そこで美味しい思いをする人はいる、儲ける人は発生するのです。風力や太陽光発電なんて元から補助金漬けの世界じゃないかというのを差し引いても尚、金銭的なしがらみから免れるものではありません。
パナソニック7650億円赤字 通期見通しを下方修正(朝日新聞)
パナソニックが31日、2013年3月期の純損益の業績予想を赤字7650億円に下方修正した。7月時点では黒字500億円と見込んでいた。同日発表した12年9月中間決算で、太陽電池など不振事業について大幅な会計上の損失処理をしたことなどが響く。
シャープ、過去最大4500億円の赤字=ソニーは売上高を下方修正―今期(時事通信)
シャープは1日、2013年3月期の連結純損益が4500億円の赤字となり、従来予想の2500億円の赤字から拡大する見通しと発表した。主力の液晶テレビやパネル、太陽電池の販売が振るわず、12年9月中間連結決算で在庫評価損などを計上したことが響く。純損益の赤字は12年3月期の3760億円を上回り、2期連続で過去最大となる。
1キロワット時当たり42円という超高額の買い取りが保証されている太陽光発電事業ですが、にも関わらずパナソニックとシャープでは太陽電池が大きく経営の足を引っ張る形となったことが伝えられています。まぁ、建設業界(発電じゃなくて通信系ですけれど)の隅っこで噂を聞いた限り品質面でもシャープは評判が芳しくないようです。プラズマクラスターだの光の「4原色」だのと称するクアトロン等々とハッタリでしか勝負できないシャープが見限られるのは致し方ないことでしょう。そしてパナソニックでも想定していた利益が出ないとのこと、太陽光で発電した電気を電力会社に売りつけるビジネスはともかくとして、太陽光パネルの生産は既に暗雲がたれ込む世界のようです。
「わが日本の技術は世界一ィィィ!」という信仰をお持ちの方も少なくないようですが、現実は厳しく韓国や中国の突き上げの前に「日本製」の優位など微々たるものです。再生可能エネルギーへの投資が新産業・雇用生み持続可能な成長実現云々と懲りずに言い続ける人もいますけれど、その辺はオバマ政権の失敗例も多少は参考にすべきところでしょう。まぁ何であれ金を使えば雇用(ついでに利権!)は生まれるのかも知れません。ただ、「日本国内で」それが循環するかは別問題です。アメリカでもそうであったように、より低コストで生産能力に優れた新興国の企業にいずれは駆逐されていくことを今の段階から視野に入れておく必要もあります。そこで新興国と利益を分かち合えるように経済的な連携を深めていくのか、それとも保護主義に走るのか、少なくとも太陽光発電など再生可能エネルギーに都合の良い未来ばかりを夢想している場合ではないでしょうね。