ヨシミ、ムネオ 「非自民」結集目指し手を伸ばす民主(産経新聞)
民主党は、次期衆院選後の政権交代をにらみ、社民、国民新両党以外の新たな勢力との連携強化に動き始めた。非自民勢力結集の地ならしをしておく狙いがあり、鳩山由紀夫代表ら党幹部が、渡辺喜美元行政改革担当相や新党大地の鈴木宗男代表らと相次いで接触している。ただ、鳩山氏の政治資金をめぐる虚偽記載疑惑が新たに発覚したことで、鳩山氏の構想に狂いが生じる可能性も出てきた。
鳩山氏は今月24日夜、菅直人代表代行とともに、都内で渡辺氏や江田憲司衆院議員と会談した。渡辺氏らは、自民、民主両党と一線を画した新党結成を模索していることから、次期衆院選の情勢分析や選挙後の連携の可能性などについて意見交換したとみられる。
実際、菅氏は25日の記者会見で、渡辺、江田の両氏が目指す公務員制度改革に関し、「民主党の考え方と共通点が極めて多い」と強調した。
鳩山氏は25日も、フロノイ米国防次官との会談を岡田克也幹事長らに任せ、鈴木氏らと都内の個人事務所で懇談した。
民主党はもともと、社民、国民新の両党と連立政権樹立に向け、経済対策や社会保障などで共通政策づくりに着手する考えだ。しかし、社民党とは外交・安保、憲法などで隔たりがあり、非自民勢力との連携を深めるとともに、「社民党の影響力を相対的に低下させたい」(中堅)との思惑もありそうだ。
その昔カイワレ大根の一気食いという芸で一世を風靡した民主党議員によりますと、渡辺喜美なんぞの公務員制度改革は「民主党の考え方と共通点が極めて多い」そうです。まぁ、党の責任ある立場の人間が断言するからには、自他共に認めるところなのでしょうね。逆に政策面での隔たりが大きいのは社民党で、現に鳩山兄は社民党との連携解消を示唆するコメントを残しているだけに、産経新聞の推察も概ね当たっているような気がします。
しかし、政権交代を旗に掲げておきつつも、渡辺喜美みたいなカイカク路線の継承者に擦り寄るのは感心できませんね。一方で鈴木宗男なんかはむしろ対照的なタイプですから、いったい民主党がどっちの方向に進もうとしているのかはっきりしない、単に場当たり的に人を集めているような印象もあります。まだ旗色を明らかにしていない大物(人気の面で)としては橋下がいるわけですが、この橋下と手を組むとあらば、いよいよもって政権交代が意味のないものになりそうです。そもそも、国政レベルでは政権交代を掲げ、「非」自民での連携を探っているものの、地方となると……
横須賀市長選、小泉元首相応援の現職敗退…33歳新人が当選(読売新聞)
小泉純一郎元首相のおひざ元の神奈川県横須賀市で28日、市長選の投開票が行われ、新人で前市議の吉田雄人氏(33)が、元首相が応援する現職の蒲谷亮一氏(64)ら2人を破り、初当選を果たした。
14日に31歳で初当選した熊谷俊人・千葉市長らに続き、全国で3番目に若い市長の誕生となる。
小泉元首相は告示前の14日に街頭演説で、告示日の21日夜にも蒲谷氏の個人演説会で、旧自治省(総務省)出身の蒲谷氏の行政経験を挙げ、支持を訴えた。元首相が地元で選挙の街頭演説をしたのは9年ぶり。次期衆院選には、神奈川11区(横須賀市など)から次男進次郎氏(28)が出馬する。
米海軍横須賀基地を抱える同市では、9期36年にわたり、旧自治省出身者3人が市政を担い続けてきた。今回も自民、民主、公明の県議や市議らが超党派で蒲谷氏を応援したが、吉田氏は「若さ」と「変革」を前面に掲げて、無党派層の多くを取り込んだ。蒲谷氏を応援した市議は「小泉人気も通用しなかった。選挙の方法を一から見直さなければならない」と話した。
地方選挙では珍しくないことですが、ここでも自民党と民主党、公明党が相乗りで候補を出しています。国政では「自民・公明」連立ですが、地方では往々にして「自・民・公明」なんですよね。政権交代を至上命題とし、政権交代のためなら何があろうと民主党に着いていくような人々は、こうした地方選挙に何を思うのでしょうか。あくまで民主党を支持して、自民党との連立政権を支えるのか、それとも政権交代のためとして、民主党の対立候補に一票を投じるのでしょうか? 熱心な民主党支持のブロガー諸氏には是非、地方選挙でどこの政党に投票したかを聞いてみたいところです。
で、このニュースには明るい話題もあります。あの小泉純一郎が応援したにもかかわらず、現職の候補が敗れました。小泉のエピゴーネン、新しい小泉には事欠かない昨今ではありますが、小泉本人の意向には翳りが見えてきたのかも知れません。もっとも当選を果たした吉田氏の掲げた「若さ」「変革」そして他紙報道によると「脱官僚」などのアピールポイントは、対立候補(旧自治省出身で経験豊富なんて、いかにも今どきの有権者に嫌われそうな属性です。こういう人を「抵抗勢力」と呼んで敵に見立てるのが小泉流だったはず!)以上に小泉的なポピュリズムの匂いを感じさせるところがあります。小泉本人の神通力は万能でなくなったとしても、「小泉的なるもの」は不滅です。政党色を出すよりも「無党派」が有権者に好まれるのも相変わらずのこと、まぁ今回の候補は正真正銘の無党派のようですから、その辺は自称無党派で媚びを売るタイプよりマシなのでしょうけれど。