ようやく統一地方選挙も終わりまして、住環境に恵まれた人はこれで選挙カーに悩まされずに済むと胸を撫で下ろしているところでしょうか。私の住む地域は相変わらず喧噪が絶えず、選挙カーの有無ごときでは何も変わっていません。ともあれ結果を振り返ってみることとしましょう。
衆院補選 千葉5区 34歳の女性候補が55歳の男性候補に勝利
衆院補選 和歌山1区 41歳の女性候補が57歳の男性候補に勝利
衆院補選 山口2区 31歳の男性候補が69歳の男性候補に勝利
衆院補選 山口4区 38歳の男性候補が71歳の男性候補に勝利
参院補選 大分 56歳の女性候補が67歳の男性候補に勝利
こうしてみると今回の補選で女性の政界進出が進んだ、議員の若返りも進んだと言えるでしょうか。当選に必要な地盤・看板・鞄を既に得ている先行者が議席をキープし続ける反面、有権者の共感は若い方が得やすいところもあるように思います。また党の公認候補者に選ばれさえすれば、むしろ女性の方が票を集めるとも言えそうです。男女比が大きく偏り高齢化も顕著な日本政界ですが、性別と年齢の面では是正に向かっているのかも知れません。もっとも若い議員が増える、女性の議員が増えることで世の中が良くなるかと言えば、そこは全く別の問題になりますが。
世間の注目度の高い国政選挙の陰で、我が町の市議会議員選挙も行われました。先日も書きましたとおり無投票を免れただけで大半の候補は当選する選挙ですし、その結果で何かが変わることもないでしょう。数十人の候補者の主張を斜め読みした限りでは、どれも似たようなきれい事を並べており大して違いは見つけられませんでした。もっと日頃の議員活動に注視していれば、選挙向けのアピールと実際の活動の矛盾などにも気づけるのかも知れませんが、国政と比べて地元の政治は情報源が限られますし。
ただ一応は無投票を免れましたので、落選した人もいるわけです。当選する人の方が圧倒的多数派である地方の市議会議員選挙で落選するのはどのような人か、逆に興味深くも思えます。行動力だけはあるけれど常軌を逸している感じの候補もいて、その落選は致し方ないと言えます。一方で落選した人の中には「至って普通の」候補者もいて、当選した有象無象の地方議員と掲げた主張は大差ない、それなのに集まった票だけが少ない人もいました。他の候補と同等の票を得られても良さそうなのに何故、という思いはあっても良さそうです。
もちろん他の候補者と差別化できているわけでもありませんので、抜きん出て多い票を集める理由はなかったかも知れません。しかし票が逃げる理由もなかったはずです。それでもどうして票が集まらなかったのか、政党の公認がなければ不利になることもありますが、一方で事実上の公認を隠し無所属をアピールする政治家の方が圧倒的な支持を集めてきたケースも目立ちます。政策面では他の候補と似たり寄ったりでも、若さや無党派をアピールすれば支持は集まりそうなもの、それでも何故か落選した人もいる、選挙の世界は世間で考えられているよりずっと複雑な力学が働いているのかも知れません。