「あなたはここにいなくとも」 心の中には存在するあなたを感じる物語。
それぞれが何かしらの問題を抱えた主人公5人、
5編の短編集。
「あなたはここにいなくても」という表題通り、
もう存在しない、ここにいない人が、
生き方や言葉で導いてゆくのが面白い。
おばあちゃん子には特に響く、
おばあちゃんの言葉や優しさ。
人生の大先輩の言葉は深く、
心に染みわたる。
誰もが人にはわからない悩みだったり、
生きづらさを抱えていると思う。
何で自分ばかり、
誰も自分をわかってくれない。
そうだろうか?
本当に誰も見てくれていないのだろうか?
人生の途中で行き詰まったり、
一歩を踏み出せない時は誰にでもある。
そこに風穴を開けるのは、
背中を押してくれるのは、
もういない誰かの言葉だったり、
捨てたはずの何かだったりする。
ここにはいない人が遺していった物。
存在は消えても心は思いは残る。
読み終わった時に、
あなたのここにはいない大切な人が、
思い浮かぶことでしょう。