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トランプ氏の「脅迫外交」、パナマ運河が標的に 通航料引き下げ要求

米西部アリゾナ州で演説するトランプ次期大統領=2024年12月22日、AP 拡大
米西部アリゾナ州で演説するトランプ次期大統領=2024年12月22日、AP

 トランプ次期米大統領は22日、西部アリゾナ州で演説し、太平洋と大西洋をつなぐパナマ運河で「(米国船が)法外な通航料を要求されている」と訴えた。パナマ運河は1999年まで米国が管理権を持っていた経緯があり、パナマ政府が通航料引き下げに対応しなければ「返還を要求する」と脅した。

 トランプ氏は2025年1月の就任前から「脅迫外交」を展開している。カナダとメキシコ、中国には追加関税をちらつかせて、米国への不法移民や麻薬密輸に関する対策を要求。欧州連合(EU)にも追加関税を示唆し、貿易不均衡解消と石油・天然ガスの購入を求めていた。

 トランプ氏は22日の演説で、パナマ運河が「愚かにもパナマに与えられた」と批判。通商路としてだけでなく、米軍艦隊が有事に大西洋から太平洋に向かう際にも重要だと指摘した上で、「不当で無分別な通航料が請求されている」とパナマを批判した。

 AP通信によると、パナマのムリノ大統領は、トランプ氏の発言後にビデオ声明で「運河はパナマのもので、今後も変わらない。通航料は、運河の運用コストや需給といった要素を考慮して、専門家が決めているものだ」と反論した。

 パナマ運河は1914年に完成した。米国は1903年にパナマのコロンビアからの独立を支援した見返りとして、当初から支配・管理権を握っていた。77年に当時のカーター米大統領とパナマのオマル・トリホス将軍が返還で合意。99年にパナマに管理権が返還された。【ワシントン秋山信一】

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