映画業界で地位や関係性を利用したハラスメントが後を絶たない。厳しい上下関係や複雑な契約関係が温床になっているとされ、映画監督有志がハラスメント防止対策に乗り出している。その中心人物で、「万引き家族」などの作品で知られる是枝裕和監督と、「LOVE LIFE」を手がけた深田晃司監督に話を聞いた。監督たちが実践する取り組みや今後求める対策とは。【吉永磨美】
今春以降、映画などに出演した俳優らが、有名監督や俳優らから性行為を強要されたという告発が相次いだ。俳優やモデルらを対象にした一般社団法人「日本芸能従事者協会」のアンケート調査でも、「ハラスメントを受けたり、見聞きしたりしたことがある」と回答したのは9割超に上り、映画業界にはびこるハラスメント体質が改めて浮き彫りになった。
是枝氏は映画製作現場でのハラスメントについて具体的には触れなかったが、「個人の問題ではなく、業界全体の構造的な問題があるのだろう。個人を排除するのも大事だが、これから(業界全体で)適正化への取り組みがどのくらい改善につながるか注視している」と指摘する。その上で「構造的に監督とプロデューサーに権力が集中してしまう。そのような状況を温存してしまったことを冷静に捉え直さないといけない」と自省を込めて語った。
著名監督として自らの役割にも言及し、…
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