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「ハラスメント対応を」と求めた相談員を免職 公立病院で何が

分限免職処分についての謝罪や処分の撤回などが盛り込まれた和解勧告文書=長崎県諫早市で2022年9月26日午後2時33分、樋口岳大撮影
分限免職処分についての謝罪や処分の撤回などが盛り込まれた和解勧告文書=長崎県諫早市で2022年9月26日午後2時33分、樋口岳大撮影

 佐賀県伊万里市と有田町でつくる組合運営の公立病院に地方公務員の医療ソーシャルワーカー(MSW)として勤務していた40代男性が分限免職処分の取り消しなどを求めた佐賀地裁の訴訟は18日、組合が謝罪の意を示し、訴訟での主張と免職処分を撤回するなどの内容で和解が成立した。院内のハラスメント対応などを担当していた男性は「病院側にハラスメントへの適切な対応を求めたところ、根拠なく業務改善や配置転換を命じられるパワーハラスメントを受け、免職にされた」と訴えていた。地域医療を担う公立病院で何があったのか。【樋口岳大】

 男性は有田町の伊万里有田共立病院に勤務し、病院を運営する伊万里・有田地区医療福祉組合を相手取り、免職処分の取り消しと精神的苦痛に対する慰謝料など495万円の国家賠償を求めていた。原告代理人によると、公的機関が訴訟の和解で、公務員の免職処分について謝罪し、処分を撤回したうえで訴訟上の主張まで撤回するのは極めて異例だ。

 訴状などによると、社会福祉士と精神保健福祉士の資格を持つ男性は2018年4月、同病院の嘱託職員として働き始め、19年4月に正職員となった。地域医療連携室のMSWとして不安や問題を抱える患者から相談を受ける他、職員のハラスメント事案に対応するハラスメント委員会の委員を務めた。男性は職員からハラスメントの相談を受ける窓口になり、病院側の対応が不十分だと考えられる事案では院長らに繰り返し対応を求めていた。男性自身も医師から威圧的な言動を受け、同僚に相談したこともあった。

 同5月、不可解なことが起こった。…

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