安倍首相に残された道はもはや内閣総辞職しかない、仙台市長選での野党系候補の勝利、毎日新聞世論調査の内閣支持率26%がその道を示している、国民世論は「脱安倍」へと着実に向かい始めた(41)、改憲派「3分の2」時代を迎えて(その72)

拙ブログで「国民世論は『脱安倍』へと着実に動き始めた」とのシリーズを書き始めたのは、昨年暮れの12月26日のことだった。それから半年余り、漸くこのサブタイトルを外す時が来た。次のサブタイトルは「安倍内閣は国民世論に見捨てられた」とでもしようか。

早寝早起きの私は、昨夜のNHKニュースで安倍首相が全国青年会議所のイベントで今なお憲法改正の意義を滔々と語るのを見て、この人は自分のやりたいことしか考えない子どものような人物だと慨嘆して眠りに就いた。この人物は幼児性丸出しの性格で、周囲のことなどは全く目に入らないらしい。国政を与っている責任ある立場など全く念頭になく、自分の好きなお友達には大盤振る舞いで特別待遇することに何ら抵抗を感じず、自分の秘蔵っ子はどんな不適格人間でも登用し、国民から何と言われようと庇い続ける...。

そんな人物が5年近くにわたって国政の最高責任者の地位にあることの不幸を日々嘆いていたのだが、今朝の各紙朝刊を見て積年の閊え(つかえ)がやっと取れたような気がした。東京都議選に続いて地方の大型首長選挙である仙台市長選で自民系候補が敗北し、世論調査では毎日新聞と日経新聞の両紙で内閣支持率の続落が大きく報じられていたからだ。毎日は支持率が前回6月調査から支持率10ポイント減の26%、不支持率は12ポイント増の56%。日経も6月前回調査から支持率が10ポイント下がって39%、不支持率は10ポイント上がって52%だった(毎日の支持率が低いのは、回答選択肢が「支持する」「支持しない」「関係ない」の3択のため)。

興味深いのは、毎日新聞の質問で「ポスト安倍」に関する項目が数多く出てきたことだ。世論調査の質問項目は、その時々の政治情勢や社会動向を鋭く反映する。だからこそ「世論調査」だと言えるのだが、今回7月の毎日調査の特徴は内閣改造と政権交代についての質問が数多くあることだ。主な項目の結果を再録しよう。

〇安倍首相は8月初めに行う内閣改造で、今の内閣の柱である麻生太郎副総理兼財務相と菅義偉官房長官を留任させる考えです。これを評価しますか。「評価する」30%(女性26%)、「評価しない」52%。

〇安倍首相は自民党総裁として現在2期目で、任期は来年9月までです。安倍首相が3期目も引き続き、自民党総裁を務めた方がよいと思いますか。「総裁を続けた方がよい」23%(女性21%)、「代わった方がよい」62%。

〇東京都議選では小池百合子都知事が率いた都民ファーストの会が圧勝しました。都民ファーストの会が次の衆院選で候補者を立てて、国政に進出することを期待しますか。「期待する」36%(女性37%)、「期待しない」48%。

〇安倍首相に対抗できる勢力が与党にも野党にもいない「安倍1強」といわれる政治状況が続いてきました。この状況について、あなたの考えは次のどれに近いですか。「自民党から安倍首相に代わる人が出てきてほしい」31%(女性28%)、「野党から首相に対抗できる人が出てきてほしい」25%(女性26%)、「新しい政党や政治団体から首相に対抗できる人が出てきてほしい」23%(女性20%)、「安倍首相が強いままでよい」7%(女性7%)。 

これらの結果についての毎日の見出しは、「内閣支持層26%、危険水域 政権に衝撃」「『仙台』ダブルパンチ」「改造人事 期待低く」というもの。一方、日経の方は「『安倍離れ』浮き彫り」「不支持最高52%」「『防衛相交代を』73%」「都民フの国政進出 期待割れる」というものだった。いずれも(1)安倍内閣への不支持が過半数レベルに達していること、(2)支持率が「危険水域」に近づきつつあり、とりわけ女性の支持率が低いこと、(3)内閣改造に対する期待が低いこと、(4)安倍首相の交代を望む意見が強いことなど、安倍内閣の総辞職につながる結果ばかりだ。

今日7月24日の衆院予算委員会で、安倍首相がこれらの世論調査結果にどんな反応を示すか、もはや弁明の余地ない「加計疑惑」に対して如何なる詭弁を弄するか興味は尽きないが、事態はもはやその域をはるかに越えている。国民世論は安倍内閣の総辞職を求めているのであり、それ以外の回答は受け付けない心理状態が国中に充満している。「身から出た錆」は自分で決着つけるしかない。安倍首相はもうそろそろ子どもみたいに駄々を捏ねるのは止めて、首を洗う時が来たことを自覚すべきなのである。(つづく)