2023-01-01から1年間の記事一覧

「前原新党」は政界再編の波に乗れるか藻屑と消えるか、2024年京都市長選挙にみる政治構造の変化(下)、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その12)、岸田内閣と野党共闘(77)

岸田首相の「安倍派一掃人事」から1週間余り、各紙の紙面には岸田政権への「ダメ出し」が目立つ。手元にある新聞スクラップ(12月分)の見出しを拾ってみても、容赦ない言葉が並ぶ。 〇「首相火だるま、見限る自民」(朝日新聞、14日) 〇「裏金疑惑と岸田首…

非共産対共産の「2極構図」が崩れ、維新・前原新党が加わった「3極選挙」時代が始まった、2024年京都市長選挙にみる政治構造の変化(上)、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その11)、岸田内閣と野党共闘(76)

1カ月前には予想もつかなかった〝政局の嵐〟が政界を直撃している。自民党派閥の政治資金パーティー収入の裏金疑惑を受け、岸田首相は12月14日、松野官房長官、西村経済産業相、鈴木総務相、宮下農水相の4閣僚(いずれも安倍派)を交代(更迭)させ、後任人…

「政治資金収支報告」に見る党勢の消長、党費・赤旗購読料・個人寄付の縮小による「20世紀成長型モデル」の破綻、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その10)、岸田内閣と野党共闘(75)

2023年11月24日、総務省から「2022年政治資金収支報告」が公表された。翌25日の赤旗には、日本共産党中央委員会(党中央)の政治資金収支報告概要が掲載され、財務・業務委員会の岩井鐵也責任者の談話が発表された。その中で私が注目したのは、次の4点である…

〝人口減少問題〟にまったく触れない決議案の不思議、第29回党大会決議案を読んで(2)、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その9)、岸田内閣と野党共闘(74)

最近の赤旗広告欄で頻繁に目に付くのは、友寄英隆著『人口減少社会とマルクス経済学』(新日本出版社、2023年10月刊)の広告だ。友寄氏は共産党中央委員、赤旗編集委員、同経済部長、月刊誌『経済』編集長などを歴任した多数の著書を持つ共産党の理論家であ…

〝党勢後退〟についての本格的な分析と総活がない決議案では事態を打開できない、第29回党大会決議案を読んで、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その8)、岸田内閣と野党共闘(73)

日本共産党第10回中央委員会総会(10中総)が終わった。第29回党大会(2024年1月)に提案される大会決議案が全員一致で採択されたというが(赤旗11月15日)、ざっと読んでみても疑問に感じる点が多い。最大の問題点は、これまでもしばしば言及してきたように…

政党は社会とのキャッチボールの中でこそ育てられる、党内外の多様な交流を妨げる「民主集中制」はその障害物でしかない、第29回党大会では「開かれた党規約」への改定が求められる、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その7)、岸田内閣と野党共闘(72)

「革命政党」を標榜する共産党が、社会の〝前衛〟として大衆を導き、階級闘争を指導する時代はいまや遠くに去ったのではないか。大衆社会が〝市民社会〟へと発展し、国民一人ひとりの自発的意思に基づく世論が形成され、無党派層が政党支持層全体の半数に近…

党中央主導の「民主集中制」は半ば崩壊している、党勢拡大大運動は「笛吹けども踊らず」で成功しない、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その6)、岸田内閣と野党共闘(71)

小池書記局長の「緊急の訴え」(赤旗10月21日)、「オンライン全国都道府県委員長会議への問題提起」(11月4日)に引き続き、今度は志位委員長のオンライン会議での「発言」が赤旗に大々的に掲載された(11月5日)。そこでは、「第一の手紙」に引き続いてな…

人口減少時代における「持続可能型モデル」の必要条件、「民主集中制」(党規約)の廃棄と党首公選制の実現が求められる、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その5)、岸田内閣と野党共闘(70)

本論に入る前に、党勢拡大大運動の直近の進捗状況をみよう。赤旗(11月3、4日)によれば、小池書記局長は全国都道府県委員長会議(オンライン)で10月の党勢拡大の到達点について「党員拡大は680人、機関紙拡大では日刊紙(電子版含む)は前進、日曜版は123…

少子高齢化・人口減少が一段と加速し、新聞購読数が激減している中で、〝党勢拡大〟を追求する矛盾、「成長型モデル」から「持続可能型モデル」への転換が必要、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その4)、岸田内閣と野党共闘(69)

かねがね思うことだが、共産党は政治の動きには素早い反応を示すが、社会の動向や時代の流れに関しては恐ろしいほど鈍感だ。目下、党の命運がかかっているとして連日ハッパをかけている〝党勢拡大大運動〟にしても、その視野は党周辺の狭い「拡大対象者」に…

時代と社会の流れが政治のあり方を決める、政党はその変化を受け止めなければ生き残れない、「身を切る改革」が必要なのは共産党だ、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その3)、岸田内閣と野党共闘(68)

この1年余り、刊行された何冊かの日本共産党に関する著書のなかで大きな刺激を受けたのは、中北浩爾著『日本共産党、「革命」を夢見た100年』(中公新書、2022年5月)と碓井敏正著『日本共産党への提言、組織改革のすすめ』(花伝社、2023年9月)の2冊であ…

「数値目標」偏重では党勢伸びず、〝乾いた雑巾〟はもう絞れない、日本共産党9中総の志位委員長のあいさつを読んで、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その2)、岸田内閣と野党共闘(67)

2023年10月5,6日に開かれた日本共産党第9回中央委員会総会(9中総)の冒頭、志位委員長は第29回党大会(2014年1月15~18日)に向けたあいさつで、「第29回党大会成功、総選挙躍進をめざす党勢拡大・世代的継承の大運動を、文字通りの全支部運動に発展させ、…

日本共産党は〝志位体制〟を固守してこのまま衰退の道を歩むのか、それとも刷新して再生の道を見出すのか、いまその分岐点に立っている(その1)、岸田内閣と野党共闘(66)

日本共産党百年史の際立った特徴は、〝党勢拡大〟がその根幹に据えられていることだ。党勢拡大の意義と重要性は、(1)日本の民主主義革命ひいては社会主義革命を達成するためには、何よりも党の〝自力〟をつけなければならない、(2)「革命政党」として…

日本共産党の統治システム〝民主集中制〟が機能不全に陥りつつある、志位委員長はこの危機を打開できるか(その7)、岸田内閣と野党共闘(66)

日本共産党創立101周年記念講演会が2023年9月15日に開かれ、志位委員長が「歴史に深く学び、つよく大きな党を――『日本共産党の百年』を語る」と題して講演した(赤旗9月16日)。昨年9月17日、志位委員長は「日本共産党100年の歴史と綱領を語る」とのテーマで…

党勢拡大運動の変遷から見た日本共産党史(2000年代~現在)、志位委員長はこの危機を打開できるか(その6)、岸田内閣と野党共闘(65)

志位書記局長が委員長に就任した第22回党大会(2000年11月)は、2005年までに「五十万の党」を実現するため5カ年計画が立てられたが、党員数は40万人余にとどまり目標を達成できなかった。しかし、それ以上に深刻なのは、党員の年齢構成が急速に高齢化しつつ…

党勢拡大運動の変遷から見た日本共産党史(1980年代~2000年代初頭)、志位委員長はこの危機を打開できるか(その5)、岸田内閣と野党共闘(64)

1960年代と70年代が〝大衆的前衛党〟の建設が進んだ「躍進の時代」だったとすれば、不破書記局長が〝百万の党〟を標榜した80年代から90年代にかけては、党勢拡大に急ブレーキがかかった時代だった。60~70年代は党勢拡大が計画的に進展したが、80年代に入る…

党勢拡大運動から見た日本共産党史(1960年代~80年代初頭)、志位委員長はこの危機を打開できるか(その3)、岸田内閣と野党共闘(62)

前々回の拙ブログで、日本共産党百年史のむすびが「党の政治的影響力は、党づくりで飛躍的前進を開始した1960年代に比べるならばはるかに大きくなっています。全党のたゆまぬ努力によって、1万7千の支部、約26万人の党員、約90万のしんぶん赤旗読者、約2400…

党勢の伸長と後退は、国民・有権者の〝大局的判断〟で決まる、支配勢力が全てを操作できるわけではない、志位委員長はこの危機を打開できるか(その2)、岸田内閣と野党共闘(62)

8月2,3両日にわたって開かれた共産党の全国都道府県委員長会議は、志位委員長や小池書記局長の発言が報道されただけで、討論の詳しい内容はわからない。ただその中で、福岡県委員長の「特別発言」が志位委員長の「中間発言」の次に掲載された(赤旗8月4日…

『日本共産党の百年1922~2022』にみる党存亡の危機、志位委員長はこの危機を打開できるか(その1)、岸田内閣と野党共闘(61)

1990年7月に書記局長に選出され、2000年11月に委員長に就任した志位和夫氏(1954年生)は2023年8月現在、日本共産党の最高幹部を在任すること実に33年の長期に及ぶ。志位氏が委員長に就任して間もなく刊行された『日本共産党の八十年1922~2002』(2003年1月…

「岸田降ろし」が自民党内で起こらないことが維新の存在を際立たせている、岸田内閣低支持率の影響(その1)、岸田内閣と野党共闘(60)

7月24日に公表された毎日新聞世論調査(22,23日実施)と読売新聞世論調査(21~23日実施)によると、岸田内閣の支持率は急落の一途をたどっている。毎日は支持28%、不支持65%。前回(6月17,18日実施)の支持33%、不支持57%から支持は5ポイント下落して…

立憲民主党が今なすべきことは「あいまいな候補者調整」ではなく、「まともな野党共闘」を担える党代表に代えることだ、岸田内閣と野党共闘(59)

立憲泉代表の〝迷走〟が止まらない。羅針盤が狂っているのか、もともと持っていないのか、とにかく言うこと為すこと全てが思いつき程度のことばかりなのである。ついこの間まで言っていたことが1週間もしないうちにガラリと変わるので、政党関係者はもとよ…

選挙日程に合わせて候補者調整すると言うのは、まともな「野党共闘」と言えない、立憲泉代表のご都合主義は完全に破綻している、岸田内閣と野党共闘(58)

7月8日、朝日新聞は「泉氏一転 一本化を明言、『選挙遠のき、再考は当たり前』」との見出しで、次のように伝えた。 ――立憲民主党の泉健太代表は7日の記者会見で、次期衆院選での野党候補の一本化に向けた調整を進めると明言した。これまで日本維新の会や共産…

〝革命政党〟を掲げて野党共闘を追及する矛盾、日本共産党第8回中央委員会総会報告を読んで、共産党党首公選問題を考える(その16)、岸田内閣と野党共闘(57)

日本共産党第8回中央委員会総会(8中総)が終わった翌日、6月26日の赤旗は1面トップで「革命政党として統一と団結固める」という特大見出しを掲げた。赤旗にはそれまで「政治をもとから変える」というフレーズがしばしば登場していたが、それが〝革命政党〟…

「政治には節目必要」「体力があるうちにバトンタッチするのが常道」、穀田恵二共産党衆院議員(比例近畿・当選10回)が引退表明、共産党党首公選問題を考える(その15)、岸田内閣と野党共闘(56)

共産党の穀田恵二衆院議員(76歳)は6月23日、次期衆院選に立候補せず、引退すると表明した。その理由は「政治には節目が必要」「体力があるうちにバトンタッチするのが常道」というものだ(朝日新聞6月24日)。これまでも穀田氏は(高齢を理由に)過去幾度…

岸田内閣の支持率急落に見る世論の構造変化、政党支持基盤に地殻変動の予兆があらわれている、岸田内閣と野党共闘(55)

6月17、18両日に実施された朝日新聞、毎日新聞、共同通信の世論調査結果を見て、いつもとは異なる気配を強く感じた。岸田内閣の支持率が急落したことに加えて、自民・公明連立政権に対する否定的評価がはっきりとあらわれていたからだ。自公連立政権の継続・…

岸田首相が解散・総選挙を見送った、総選挙を弄ぶ首相の対応は国民の信を失う、岸田内閣と野党共闘(54)

今国会中の解散を事あるごとに匂わせていた岸田首相が6月15日夕、官邸記者団に「今国会での解散は考えていない」と語った。同日の日経新聞が「与党、今国会解散見送り論」「岸田政権、マイナ巡り連日陳謝 内閣支持率、下落の兆し」との見出しで、情勢の変化…

総選挙に向けて早くもスタートを切った共産党、統一地方選挙の総活はいったいどうなる、共産党党首公選問題を考える(その14)、岸田内閣と野党共闘(53)

次期衆院選を巡る解散・総選挙の情勢が混沌とするなか、共産党機関紙「赤旗」は2023年6月4日、1面トップで「総選挙に向けスタート、『もとから変える』党伸びてこそ」との見出しで、比例南関東ブロック候補を応援する志位委員長の街頭演説の様子を伝えた。 ―…

首相官邸と公邸は同一敷地内にあって24時間厳重に警護されている、公邸は丸ごと〝公的スペース〟であって〝私的スペース〟ではない、岸田内閣と野党共闘(52)

5月24日の『週刊文春』記事に続いて6月2日、今度は写真週刊誌『フライデー』が岸田一族の「忘年会」記念写真を暴露した。前日の6月1日、岸田首相の長男秘書官が公邸での「悪ふざけ記念撮影」などの不行跡を問われて更迭されたばかりで、「またか!」と国民が…

〝サミット効果〟を台無しにした岸田翔太郎・首相長男秘書官更迭の波紋、「泣いて馬謖を斬る」か、「百日の説法屁一つ」か、岸田内閣と野党共闘(51)

岸田首相は5月29日、長男の岸田翔太郎秘書官(32)を6月1日付で辞職させ、更迭する意向を表明した。昨年末の公邸内での忘年会の際、長男秘書官が親族らと「閣議ごっこ」や「記者会見まがい」の記念撮影をしたことが『週刊文春』に暴露されたのが事の始まりだ…

立憲泉代表による「非自民・非共産路線」は成功しない、連合の支援を受けても次期衆院選は大敗する、岸田内閣と野党共闘(50)

G7広島サミットのPR効果で岸田内閣の支持率が上がる一方だが、立憲民主党の影は日に日に薄くなっていく。5月20、21両日に実施された毎日新聞世論調査では、内閣支持率が前回36%から45%へ9ポイント上昇し、不支持率が56%から46%へ10ポイント下落した…

次期衆院選が間近に迫る、維新から袖にされて進退窮まった立憲泉代表はどうする、岸田内閣と野党共闘(49)

立憲民主党の岡田幹事長は5月13日、千葉県柏市の街頭演説で「6月解散、7月投票の可能性は十分にある」と述べたという。岸田首相が6月21日の通常国会会期末までに衆院を解散して「勝負に出る」可能性が大きい――、というのがその理由だ。また、昨年から国会共…