小惑星カリクロに環を発見、小天体として初
小惑星が恒星の前を通りすぎ恒星が隠される食現象の観測から、小惑星カリクロに環が発見された。
小天体の周囲に環の存在が確認されたのは初めてのことだ。
小惑星カリクロ((10199) Chariklo)は、土星軌道と天王星軌道の間を約60年の周期で公転している、直径250kmほどの小天体だ。木星軌道と海王星軌道の間に分布する「ケンタウルス族」に分類される小惑星のなかでは最大の天体である。
(中略)
複数地点からの観測結果を合わせると、環は2本存在しており、内側の環は半径391kmで幅7km、外側の環は半径405kmで幅3kmであるとわかった。
環のある天体といえばこれまで、土星をはじめとして木星、天王星、海王星と大きな惑星しか知られていなかった。これほど小さい天体に環が見つかったのは初めてのことだ。環がどのように作られたのかは不明だが、天体同士の衝突の残骸が広がったのではないかとみられている。また、環の幅や形を保つように作用する衛星も存在しているのではないかと考えられている。
(※全文はソースにて)
カリクロー (小惑星) - Wikipedia
1997年2月15日にスペースウォッチの James V. Scotti によって発見された。カリクローという名は、ケイローンの妻カリクローから付けられた。
2001年に行われた光度測定では、自転周期をはっきりと求めることが出来なかった。赤外線観測では、カリクローの表面は氷におおわれていることが示されている。
軌道
ケンタウルス族の天体はエッジワース・カイパーベルトに起源を持つと考えられており、いずれは現在の不安定な軌道を外れて、太陽系から飛び出すか、惑星や太陽に衝突するか、もしくは短周期彗星に進化するとされる。
カリクローの軌道は天王星との4:3軌道共鳴の位置から0.09天文単位以内にあり、long orbital half-life はおよそ1030万年と推定されている。
環
環の数は2つで、ブラジル天文台等のチームは内側の環をブラジル北端のオヤポク川にちなみ「オヤポク」(Oiapoque)、外側の環をブラジル南端のチュイ川にちなみ「チュイ」(Chuí)と名付けている。オヤポクは半径391km、幅7kmで、チュイは半径405km、幅3kmであった。またこの環に羊飼い衛星が付随していることや、スペクトルの分析から水の氷が少なくとも存在する可能性も指摘されている。小惑星に環が確認されるのはこれが最初となる。
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