ハッブルがとらえたサイディングスプリングの彗星活動 - AstroArts
提供:NASA, ESA, and J.-Y. Li (Planetary Science Institute)
昨年1月に発見されたサイディングスプリング彗星(C/2013 A1)を、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)がとらえた。太陽から約5億kmの距離にまで近づいてきた彗星を今年3月11日に撮影した画像には、昨年10月末の画像と同じく、太陽光で暖められた彗星の核から噴出する2本の塵のジェットが見られ、核の自転軸方向を知る手がかりになる。
サイディングスプリング彗星は10月25日に太陽から約2億kmの距離で近日点を通過し、地球からは天体望遠鏡で楽しめそうだ。10月19日には火星から約13万5000km以内の距離まで大接近するので、火星探査機などでの観測が期待されている。
(※全文はソースにて)
サイディング・スプリング彗星 (C/2013 A1) - Wikipedia
サイディング・スプリング彗星は、2013年1月3日にサイディング・スプリング天文台にてロバート・マックノートによって発見された。仮符号の C/2013 A1 は、この彗星が2013年中に発見された最初の彗星であることを示している。過去の観測結果を調べた結果、実際にはカタリナ・スカイサーベイによって2012年12月8日に4回観測されていたことが分かっている。この観測結果によって、軌道要素が決定された。現在では2012年10月4日まで観測結果がさかのぼられている。
2014年の火星との接近
近日点通過前の2014年10月19日18時51分 (UTC) に、サイディング・スプリング彗星は火星に最も接近する。この接近の際、火星に衝突する可能性がわずかながらあった。
2013年4月8日に出された、185日間の246回の観測結果によれば、サイディング・スプリング彗星はもっと遠い場合で火星から約29万8000km (0.00199AU) のところを通過すると考えられている。しかし、もっと接近する可能性もあり、最小距離は火星の中心から8800km (0.000059AU) である。これは、火星表面からわずか5400kmのところを通過することを意味している。もっとも最適な値では、最接近距離はわずか約11万4000km (0.00076AU) であると考えられている。7回目までの発表された値では、最小接近距離は0であった。ちなみに、火星の衛星のうち、内側を公転するフォボスの軌道長半径は9377.2km、外側を公転するダイモスの軌道長半径は2万3460kmである。仮に衝突すれば、衝突エネルギーは20ペタトン (8 × 1025J) と、リトルボーイの1兆倍、ツァーリ・ボンバの4億倍のエネルギーが放たれ、直径500km、深さ2kmのクレーターが生ずると考えられている。
サイディング・スプリング彗星の火星への接近時の相対速度は約55.96km/sである。仮に衝突する場合、この速度で火星に衝突することとなる。これほどまでに速いのは、サイディング・スプリング彗星が火星に対して逆行軌道を持っており、また、近日点距離が火星軌道とほぼ接しているため、ほぼ正面衝突に近い形で衝突するためである。
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