「火星に新たに出現した溝」の謎 « WIRED.jp
© By NASA/JPL-CALTECH/UNIV. OF ARIZONA
火星のクレーター壁の斜面に、新たなガリー(gully、溝状の地形)が出現した。
2010年11月の画像には写っていないが、2013年5月の画像では確認できる。地球上で見られる同様の地形は水の流れでできたものだが、火星ではそうではなさそうだ。この小さな峡谷がどのようにして形成されたのかは、いまのところ分かっていない。
(中略)
ガリーが形成された原因として有力なのは、アルコーヴ(窪地)からデブリ(岩屑)が崩れ落るときの浸食作用によって、新たな溝ができたとする説だ。水が削った跡のようにも見えるが、それよりは、二酸化炭素の霜(日本語版記事)が斜面に積もり、限界に達したところで雪崩を起こし、周囲の物質を引きずりながら落下した跡である可能性のほうが高い。
上のふたつの画像は、火星の周回軌道にあるNASAの探査機「マーズ・リコネッサンス・オービター」の高解像度カメラ「HiRISE」が撮影したもの。撮影時期が2年以上開いているため、どの季節に新たなガリーが形成されたのかは不明だ。
(※全文はソースにて)
マーズ・リコネッサンス・オービター - Wikipedia
アメリカ航空宇宙局 (NASA) が開発した、火星の周回軌道から火星を調査・探索する多目的探査機である。この探査機は、NASAジェット推進研究所の管轄の下に、7.2億ドルの予算で、ロッキード・マーティン社によって作られた。MROは、2005年8月12日に打ち上げられ、2006年3月10日に、火星の周回軌道に到達した。2006年8月、空力ブレーキにより、同年11月より開始される、科学観測に適した周回軌道に移ることに成功した。名前のリコネッサンス (reconnaissance) とは「偵察」、「予備調査」の意味をもち、その名の通り偵察衛星なみの高解像度カメラを搭載し、後続の地上探査機のための着陸地点の候補地を調査することを主要な目的のひとつとしている。
HiRISE (カメラ)
HiRISE (High Resolution Imaging Science Experiment)は、口径50 cm の反射望遠鏡 (reflecting telescope) をレンズ代わりにもつ高解像度のカメラで、深宇宙の探査に搭載されたものとしてはこれまでで最も大きい。 その理論上の分解能は100万分の1ラジアン (およそ角度の0.2秒) であり、探査機高度の100万分の1のもの、すなわち300 km の高さから 0.3 m のものを見分けることができる。これは地球での一般的な商用衛星画像よりもさらに細かい。
マリネリス峡谷 - Wikipedia
火星の赤道に沿って伸びる巨大な峡谷。マリナー峡谷 (Mariner Valleys) とも呼ばれる。1971年、火星探査機マリナー9号により発見されたため、この名が付けられた。
長さは4000 km、深さは7 kmに達し、幅は最大200 kmであり、地球上の代表的な峡谷の一つであるグランドキャニオンが長さ446km、平均深度およそ1200m、幅6km~29kmであるのと比べると、遥かに大規模である。
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