たまには純文学的な小説を…と
短文、SSの書き方を覚えるための習作として始めた恋愛SSシリーズ「まるで純度の高い恋の結晶のような…」(略して「純恋結晶」)ですが、これまでに自分がネット上で連載してきた小説とは明らかに違う点があります。
それは「ファンタジーではない」ということ。
(2作目の「守護霊の恋」は霊が主人公という時点で、ある意味ファンタジーと言えばファンタジーなのですが…。)
それと「舞台が現代の現実社会」だということです。
これは意図的に選んだ設定です。
何となく「『津籠はファンタジーしか書けない』と思われたら嫌だなぁ」とか「ファンタジー書きが純文学的なモノを全く書けないと思われたら嫌だなぁ」という気持ちがあって「ここらでいっちょ純文学的なものを書いておこうか」と思ったからです。
一般的に言う「純文学」の定義がどんなものなのか、実はよく分かっていないのですが…何となく遠藤周作さんの「沈黙」的なものをイメージして書いています。
(ジャンルや文体が、という意味ではなく、「哲学的なテーマを含んだ小説」という意味で。)
とは言え、元々自分は「自分の意見を押しつける」ことが好きではないタイプなので、ぎっちりしっかりテーマを持っているというより、“モチーフ”的な感じになっている気がしますが…。
ただ「純文学」というジャンルが、数ある小説ジャンルの中でも集客性の低いジャンルだということは分かっていますので、「純文学でも読みやすい」「構えずに読める純文学」を目指して書いています。
たとえば文体で「より現代的な」言文一致を目指していること。
それと、昨今のネット小説の書き方にならって、改行や行間スペースを多くとっていることなどです。
(そんな書き方をしているがゆえに、逆にラノベ的にとらえられて評価が下がるリスクを考えないでもなかったのですが、そこは「純文学にラノベのテクニックを取り込んで何が悪い」と開き直れば済む話かなぁ…と。)
文体がライトであろうと、文章量が少なかろうと、その中にちゃんと「人間がこの世界でぶつかる悩みや痛みや葛藤」が書かれているということは、ヘンな先入観を抱かずにちゃんと読んでいただければ、分かっていただけると思うので。
(…まぁ、作者の力量不足で分かりづらい、という可能性もなきにしもあらずですが…。国語の最高偏差値80と言えど小説に関してはアマチュアですから…。)