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熊本市動植物園が部分開園しました!

地震で大きな被害を受け
やむなく休園を続けていた熊本市動植物園が、
2月25日土曜日、
比較的被害の少なかったエリアのみですが
およそ10ヶ月ぶりに開園されました。
さっそく行ってきましたよ。

今回再開されるのは園の南側、
小動物のふれあい広場や植物園の広がるゾーンで、
その東のはずれに位置するゾウ舎、キリン舎も含まれます。
多少の被害はあるにしてもゾウもキリンも元気とか。
やっと会えるね、と、はやる気持ちで動植物園の入口に立ちました。

でも、ほら。
いつもは子供たちが走り回って賑やかな正門前も
園内復旧工事のため今は閉ざされ“ひっそりかん”。

閉鎖中の正門



この部分開園は当面、
毎週土・日曜日と祝日に行われ、無料で入れます。
入園時間は午前9時から午後5時(入園は4時半)まで。
西門の復旧工事が終わる6月(あくまでも予定)までは
江津湖に面した南門と
画図橋そばの臨時門の2カ所からの入園となります。

それで園の東側の道を、
ちょうど園を迂回するような形で
江津湖に向かって進みました。
こういうルートで入園するのは初めてなのでわくわくします。
園をつつむ木立の向こうから
動物たちの鳴き声が聞こえ、獣の匂いが漂ってくるのを、
お酒の摘みのように愉しみながら歩きました。

脇の道から


すると、あ、キリン舎が見えるじゃないですか!
閉園中でもここに来ればキリンに会えたんですね。

キリン舎が見えた


春近い江津湖が現れました。
たくさんの水鳥がいてバード・ウォッチングの人も多かった。

春近い江津湖


南門入口のポスターです。

部分開園初日



ゾウのガイドが始まるところに間に合いました。
飼育員の北川さんがアフリカゾウの解説をしてくれます。
地震で運動場は約10センチ沈下して、壁にもヒビが入っています。

ゾウの竹割り


「ここにいる牙が長くて尻尾に毛のないがマリーで、
 牙が短く尻尾の先に毛がふさふさあるのがエリで、
 どちらも雌です」と北川さん。
2頭はお尻を見せるだけ。

エリとマリー



 野菜や果物が大好きですが、すぐに食べてしまうし、
 果物ばかりだと糖分が多すぎるので、干し草や竹も与えます。
 孟宗竹は好きなようで、たくさん食べますよ。
 ほとんどウンチになるんですけど、
 竹のいいところはそういう整腸作用もですが、
 食べるのに時間が掛かることです。
 いろいろ工夫していつまでも食べています」

太くて長い孟宗竹をバリバリと踏みつけたエリ、
短い牙をテコにしてバリンと折り曲げて、
鼻で巻いて口に運んで、お見事です。
煙を立てて割れた竹の青くさい匂いがモートを越えて漂ってきます。
ああ、動物園にいるんだなあ・・・という実感にひしひし浸れて幸福でした。

バリバリと竹割り

エリ、今度は鼻先利用して竹を細く裂いていく。
竹が鼻に刺さるとか切るとか、怪我しないのかな、と心配になりましたが、
そういえば一度ゾウの鼻に触ったことがあるのでした。
その皮膚の固さとそれを覆って生えている短く硬い毛には驚きました。
それを思い出して安心しました。 

鼻で上手に



「アフリカゾウはアジアゾウ共々生息数が激減して絶滅危惧種になっています。
 野生はもちろん世界の動物園の飼育下でも減り続けて、
 日本でも全国に30頭しかいません。
 九州でアフリカゾウを2頭見られるのはここだけになってしまいました」
と北川さんが教えて下さる。
思わず「繁殖の計画はないのですか?」と訊ねてしまいました。
計画はあるがゾウの繁殖は難しくて、
現在は人工受精の可能性を探っている段階というお答えでした。
うまく事が運ぶことを祈っています。

その先のキリン舎に行くと、
カシの葉の食事が終わったあとらしく柵には枝だけが残っていた。
ここには誕生日が私と同じ9歳のマサイキリン、リキ(雄)、
やはり9歳の小春(雌)、
2頭の子供で地震のあとに生まれた秋平(雄)、
そのひと月後に国内最高齢の22歳で死んだランとリキとの子供、
冬真(雄・1歳)の4頭が飼育されています。
マサイキリンも現在国内には11頭しかいない。
いっぺんに4頭見られるなんてここだけですね。

キリン4頭


これが去年の9月8日に生まれた秋平。
4月の地震のときは母親小春のお腹の中で、
飼育員の人たちは気を揉みましたが、
ポンと生まれたような気のする安産だったそうです。
生まれて1週間目のかわいい姿が新聞に載りました。
見に行きたくてジリジリしたことを覚えています。

秋平


これが母親の小春です。色が白く美形です。

小春


父親リキと息子の秋平。
生まれたときは170センチほどだった秋平も早3メートルの大男に。
それでもリキと並ぶとまだまだ小さい坊や。

父と息子


冬真と秋平の仲良し異母兄弟。いつも一緒。

冬真と秋平


けれど雄同士の縄張り争いを避けるため、
冬真は年内に他の動物園へ移るそうです。
仲のいいツーショットも、
4頭そろい踏みの光景も、
部分開園中の今だけと聞きました。
また来なくては!

ゾウ舎、キリン舎に別れを告げて、
久しぶりだからと植物ゾーンをぶらぶらすると、
肥後百花苑のエリアで
やっと梅の花がほころび始めていました。

梅も咲いていました


10月には正門が復旧予定だそうです。
するとペンギンやシフゾウなどが見られます。
すべての動物を公開できる全面再開は来年4月を予定とのことで、
早くそうなるようにと、
帰りの南門で受け付けている「復興応援サポーター」に登録して
わずかですが支援金をお渡ししました。
何しろ園の受けた被害の総額たるや9億円近いのです。
これまでは日本動物園水族館協会を通しての支援金で、
もちろんそれも動物たちの餌代に使われたのだから不満はないのですが、
何としても直にお渡ししたいと思っていたので、
このサポーター制度は願ってもないことでした。
5千円以上寄付した個人と、2万円以上の団体には、
公開休止エリアの見学会や
バックヤードツアーなどの特典が用意されているのも嬉しいことです。

4月には市の「動植物園復興委員会」に参加させてもらって
雑誌クレアの「するめ基金」の一部をお渡しする予定です。
クレア読者の皆さんからいただいた貴重なお金がムダにならないよう
使い道を直接動植物園にお願いできるのを嬉しく思います。

春の訪れとともに、
長いこと眠っていた動物園に行く楽しみが
じわじわと蘇ってきた週末でした。





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