5月の庭の住人たち
うちの庭、
自慢じゃないけど100パーセント雑草の庭です。
雑草の庭って天候や環境の変化で
年々表情変えるんですよ。
決して去年と同じにはなりません。
昨年の草毟りの際引き抜かないよう気を付けていたので、
今年は4月前半まで“ほぼ”スミレ畑でした。
多少カタバミが赤ちゃんの手のような葉を見せていましたが、
ほかの草たち共々まだまだ小さく目立たなく、
群生して咲くスミレの引き立て役ってほどだった。
それが今やこうです。
ひと月ほどちょっと忙しぶったり留守したりしていたら・・・
庭はアッという間に様変わりして、
スミレは消え地面はびっしりとカタバミに覆われていました。
そしてそこここに
何とも魅力に乏しいヒメムカシヨモギが林立する図となったのです。
ヒメムカシヨモギって、
ほら、道ばた、空き地、線路沿いに
必ずといっていいほど生えているアレですよ、
つまんない草。
あまりに見慣れているため
名前を知ろうとも思わない存在の。
私も今年までは何という名か知らなかった植物です。
ほら、これ、これですよ。
(中央にいるのは外猫の母さんマミです。こんなデブになりましたッ)
ヒメムカシヨモギって名、知っていました?
実は私、
3年前に『みちくさの名前。』という
雑草の名前をさぐる本を作っているのです。
植物に詳しい方3名とそれぞれのシーズン、
街中や川べりを散歩しながら
道ばたでけなげに生きている雑草の名前を教えていただくという内容の単行本で、
四季折々教えを請うたわけですが、
そこにヒメムカシヨモギは登場しなかった。
どこででも見かける雑草の代表選手のような存在ですが、
何故か、
おそらくあまりに魅力が乏しかったからか、
“名前を知りたい”アンテナに引っかからなかったんですよね。
しかし今年は、
庭を占領しつつあるコレはいったい何て名だろうか?
とさすがに気になって、
初めて『牧野植物大図鑑』で探してみました。
ところが『牧野植物大図鑑』の図版は部分のアップ図で判りにくく、
他をいろいろ探して
『雑草と楽しむ庭づくり』(曳地トシ+曳地義治著)という本へ至り、
そこに登場の4枚の写真で、
庭を占領しつつある植物は
ヒメムカシヨモギという名であると判ったのです。
面白みのない姿形にしては名前が風流過ぎる気が・・・
しないでもないけれど、
鉄道の線路沿いに広がったことから「鉄道草」という別名もあるそうです。
除草剤を撒かれ過ぎたためか
今や除草剤に耐性を付けているとも書かれていました。
それでますます繁殖するわけですね。
殺伐とした印象が人間にはあまり好まれないタイプですが、
庭住まいの猫にとってはこのヒメムカシヨモギ群、
何とも好ましい“ジャングル”らしく、
一家全員日中は
その草むらでかくれんぼしたり昼寝したりしています。
思えば去年の5月の庭はまったく異なっていたのでした。
カラスノエンドウ、ヒメジョオン、ハコベ、ハハコグサが威勢よく
ヒメムカシヨモギはちらほら顔を出している程度で、
緑も深々とした柔らかい印象がありました。
それが今年、
私の知らないところで戦いがあったらしく形勢逆転、
ヒメムカシヨモギが天下を取り
去年勢いのあった上記4種は衰退の一途を辿っています。
植物たちも過酷な競争社会に生きています。
ヒメムカシヨモギの群生に次いで意気盛んなのが、
ハハコグサの遠縁関係のウラジロチチコグサです。
ハハコグサの衰退を見透かすかのように
突如大群で登場しました。
これです。
ハハコグサに比べるといかつい印象で可愛くないのです。
こちらは衰退の一途を辿っているカラスノエンドウ(食べられます)。
これも少数派となったヒメジョオン(3月からこの一株だけ懸命に咲いている)。
ほんの一握り残るハコベ
このかそけきものが
うちの庭では絶滅寸前となっているハハコグサ。
(今年は花を付けたのは3本しか見ていない)
しかし猫たちは”天下取った”のヒメムカシヨモギがお好き。
そんなヒメムカシヨモギの天下取りなどには関係なく、
マイペースで
常にほどほどに顔を出しているニュートラルな連中は、
人間社会もそうですが植物界でも健在です。
その一つが小さな黄色い花が可愛いオニタビラコ
地味だが根強いオオバコ
ひょうひょうとしたスイバ
かまってくれなくてもゼンゼン元気なナズナ(ペンペン草)
そんなナズナを大好きなテントウムシ
どこでもOK、西洋タンポポ
何ならコンクリ壁にも咲いてみせるムラサキカタバミ
踏まれても咲くんですのよ、のホトケノザ
毎年折れながらも
楚々とした小さな紫色の花をつける極細の植物(名前判らず)
・・・・・・などなどですね。
ミケコもヒメムカシヨモギ・ジャングルが好き
とはいえこのヒメムカシヨモギ、
放っておくと2メートル近い丈になるといいます。
現在は1メートル40センチほどですが、
一雨ごとにずんずん育つのです。
今夜(5月14日)も雨が降っているので、
明日の朝、
庭に面した戸のカーテンを開けたらさらに景色が変わっているかも。
ムカシヒメヨモギ・ジャングルの手前の開けた一角には
今年のニューフェイスが息づいています。
これは
スベリヒユに似た花を付ける小さな植物(名前判らず)
こちらは葉っぱだけのときはカキドオシと思っていたけれど・・・
赤い実が付きヘビイチゴと判明しました。
紫色の小さな花弁が鈴なりについたこの植物、
ウツボグサではないかと推察しているのですが、
はっきりしません。
薄紫の花とヨモギに似た葉と赤い茎を持つきれいなこの草も名前判らず。
葉を揉むとキュウリの匂いがするキュウリグサ
これ、日中に見ると何だかな?ですが・・・
夕方になると花が咲いてマツヨイグサ(待宵草)と判るのです。
花は朝には跡形なく萎みます。
だからほとんど人の目には触れない。
以上の植物、
去年までいなかったのにどういう経過で今年ここに着地したのか。
植物界って面白いですね。
こうやって並べてみるとけっこう種類豊富で、
うちのむさ苦しい庭に
これほどたくさんの草花が息づいていたとは知リませんでした。
去年どおりなら
これから6月にかけて
ハナニラ、ノビル、ツユクサ、イヌタデ(アカマンマ)、
ネジバナ、イネ科の植物などが繁栄するはずですが、
何せ予測不能な植物界、
どうなることやら、楽しみです。
最後に猫好きの方におまけ。
1年前のノラネコガリガリ状態から
打って変わってデブ猫となった母猫マミの近影です。
今でも人間不信のきつい性格は変わりませんが、
先日はどうしたことか「にゃ〜」と笑って
家猫風のゴロンをしたのでシャッター押しました。
自慢じゃないけど100パーセント雑草の庭です。
雑草の庭って天候や環境の変化で
年々表情変えるんですよ。
決して去年と同じにはなりません。
昨年の草毟りの際引き抜かないよう気を付けていたので、
今年は4月前半まで“ほぼ”スミレ畑でした。
多少カタバミが赤ちゃんの手のような葉を見せていましたが、
ほかの草たち共々まだまだ小さく目立たなく、
群生して咲くスミレの引き立て役ってほどだった。
それが今やこうです。
ひと月ほどちょっと忙しぶったり留守したりしていたら・・・
庭はアッという間に様変わりして、
スミレは消え地面はびっしりとカタバミに覆われていました。
そしてそこここに
何とも魅力に乏しいヒメムカシヨモギが林立する図となったのです。
ヒメムカシヨモギって、
ほら、道ばた、空き地、線路沿いに
必ずといっていいほど生えているアレですよ、
つまんない草。
あまりに見慣れているため
名前を知ろうとも思わない存在の。
私も今年までは何という名か知らなかった植物です。
ほら、これ、これですよ。
(中央にいるのは外猫の母さんマミです。こんなデブになりましたッ)
ヒメムカシヨモギって名、知っていました?
実は私、
3年前に『みちくさの名前。』という
雑草の名前をさぐる本を作っているのです。
植物に詳しい方3名とそれぞれのシーズン、
街中や川べりを散歩しながら
道ばたでけなげに生きている雑草の名前を教えていただくという内容の単行本で、
四季折々教えを請うたわけですが、
そこにヒメムカシヨモギは登場しなかった。
どこででも見かける雑草の代表選手のような存在ですが、
何故か、
おそらくあまりに魅力が乏しかったからか、
“名前を知りたい”アンテナに引っかからなかったんですよね。
しかし今年は、
庭を占領しつつあるコレはいったい何て名だろうか?
とさすがに気になって、
初めて『牧野植物大図鑑』で探してみました。
ところが『牧野植物大図鑑』の図版は部分のアップ図で判りにくく、
他をいろいろ探して
『雑草と楽しむ庭づくり』(曳地トシ+曳地義治著)という本へ至り、
そこに登場の4枚の写真で、
庭を占領しつつある植物は
ヒメムカシヨモギという名であると判ったのです。
面白みのない姿形にしては名前が風流過ぎる気が・・・
しないでもないけれど、
鉄道の線路沿いに広がったことから「鉄道草」という別名もあるそうです。
除草剤を撒かれ過ぎたためか
今や除草剤に耐性を付けているとも書かれていました。
それでますます繁殖するわけですね。
殺伐とした印象が人間にはあまり好まれないタイプですが、
庭住まいの猫にとってはこのヒメムカシヨモギ群、
何とも好ましい“ジャングル”らしく、
一家全員日中は
その草むらでかくれんぼしたり昼寝したりしています。
思えば去年の5月の庭はまったく異なっていたのでした。
カラスノエンドウ、ヒメジョオン、ハコベ、ハハコグサが威勢よく
ヒメムカシヨモギはちらほら顔を出している程度で、
緑も深々とした柔らかい印象がありました。
それが今年、
私の知らないところで戦いがあったらしく形勢逆転、
ヒメムカシヨモギが天下を取り
去年勢いのあった上記4種は衰退の一途を辿っています。
植物たちも過酷な競争社会に生きています。
ヒメムカシヨモギの群生に次いで意気盛んなのが、
ハハコグサの遠縁関係のウラジロチチコグサです。
ハハコグサの衰退を見透かすかのように
突如大群で登場しました。
これです。
ハハコグサに比べるといかつい印象で可愛くないのです。
こちらは衰退の一途を辿っているカラスノエンドウ(食べられます)。
これも少数派となったヒメジョオン(3月からこの一株だけ懸命に咲いている)。
ほんの一握り残るハコベ
このかそけきものが
うちの庭では絶滅寸前となっているハハコグサ。
(今年は花を付けたのは3本しか見ていない)
しかし猫たちは”天下取った”のヒメムカシヨモギがお好き。
そんなヒメムカシヨモギの天下取りなどには関係なく、
マイペースで
常にほどほどに顔を出しているニュートラルな連中は、
人間社会もそうですが植物界でも健在です。
その一つが小さな黄色い花が可愛いオニタビラコ
地味だが根強いオオバコ
ひょうひょうとしたスイバ
かまってくれなくてもゼンゼン元気なナズナ(ペンペン草)
そんなナズナを大好きなテントウムシ
どこでもOK、西洋タンポポ
何ならコンクリ壁にも咲いてみせるムラサキカタバミ
踏まれても咲くんですのよ、のホトケノザ
毎年折れながらも
楚々とした小さな紫色の花をつける極細の植物(名前判らず)
・・・・・・などなどですね。
ミケコもヒメムカシヨモギ・ジャングルが好き
とはいえこのヒメムカシヨモギ、
放っておくと2メートル近い丈になるといいます。
現在は1メートル40センチほどですが、
一雨ごとにずんずん育つのです。
今夜(5月14日)も雨が降っているので、
明日の朝、
庭に面した戸のカーテンを開けたらさらに景色が変わっているかも。
ムカシヒメヨモギ・ジャングルの手前の開けた一角には
今年のニューフェイスが息づいています。
これは
スベリヒユに似た花を付ける小さな植物(名前判らず)
こちらは葉っぱだけのときはカキドオシと思っていたけれど・・・
赤い実が付きヘビイチゴと判明しました。
紫色の小さな花弁が鈴なりについたこの植物、
ウツボグサではないかと推察しているのですが、
はっきりしません。
薄紫の花とヨモギに似た葉と赤い茎を持つきれいなこの草も名前判らず。
葉を揉むとキュウリの匂いがするキュウリグサ
これ、日中に見ると何だかな?ですが・・・
夕方になると花が咲いてマツヨイグサ(待宵草)と判るのです。
花は朝には跡形なく萎みます。
だからほとんど人の目には触れない。
以上の植物、
去年までいなかったのにどういう経過で今年ここに着地したのか。
植物界って面白いですね。
こうやって並べてみるとけっこう種類豊富で、
うちのむさ苦しい庭に
これほどたくさんの草花が息づいていたとは知リませんでした。
去年どおりなら
これから6月にかけて
ハナニラ、ノビル、ツユクサ、イヌタデ(アカマンマ)、
ネジバナ、イネ科の植物などが繁栄するはずですが、
何せ予測不能な植物界、
どうなることやら、楽しみです。
最後に猫好きの方におまけ。
1年前のノラネコガリガリ状態から
打って変わってデブ猫となった母猫マミの近影です。
今でも人間不信のきつい性格は変わりませんが、
先日はどうしたことか「にゃ〜」と笑って
家猫風のゴロンをしたのでシャッター押しました。
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