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くまモンと遭遇!

熊本から国道3号線をバスで70分ほど北上したところに山鹿市があります。
いくつかの古墳があり、
かつての豊前街道が走り、
幻想的な灯籠祭りや復興した芝居小屋八千代座に他県からも人が集まる
古い静かな温泉の町です。
そこに先日後輩引き連れ行ってきました。
玉さま(玉三郎)の八千代座公演千秋楽を観に。

芝居の始まる前のわくわく気分を
せっかくだからできるだけ長く味わいたいよね、
と現地には早めに着き、
八千代座周辺をぶらぶらと散策していたその途中で、
あれ?
お寺のアプローチを塞ぐように
何か黒い大きなものが歩いているではないですか!
短い手足に寸胴なボディ。
熊本県民ならば名を知らぬ者は一人もいるはずのない、
あの著名なる”くま”の後ろ姿ではありませんか!

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ほんもののくまモンを直に見たのは初めてなので
思わずたがが外れたか、
人目も忘れ追いかけて写真撮影を請いました。
ツーショツト&連れともどもの記念のカットを。

RIMG0222_2.jpg
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熊本県外の方はご存じないでしょうが
くまモンというこのゆるキャラは、
県民にとって今や親戚同然の存在なのです。
何しろ朝から
イラストやシールやグッズとなったその姿を、
テレビの中、新聞紙上、バスや電車の車両内、
そして町並みの至るところで目にします。
ヘタすると子や親の顔より頻繁に目に飛び込む。
すると、
むかつくときも憂鬱なときもほっこり気分になれるのです。
キャラクター界にはあまりくわしくない人間が口にすべきではないのでしょうが、
誕生間もなくここまで地元住民の暮らしに密着しているキャラは
めずらしいのではないでしょうか。

くまモンは九州新幹線全線開業に合わせ
熊本の魅力を再発見しようという「くまもとサプライズ」キャンペーンの
PRキャラクターとして誕生しました。
名付け親は脚本家の小山薫堂さんと聞いています。
建物や抽象的なキャラではなく
”くま”という具体的でストレートなあり方に好感持てます。
それまでもこまごまとPR活動に努めていましたが、
昨秋の大阪出張では
大阪城や通天閣、はたまた吉本新喜劇の舞台にまで顔を出し、
その甲斐あってか今年になって大ブレークしました。
現在のところ全国ゆるキャラ人気投票第一位の座に輝いております。
こんな顔して9月には県知事さんから
「熊本県営業部長」の命までいただいておるンです。

P1040706.jpg


もっとも、
私が今年の3月に熊本に帰ってきた時点ですでにくまモンは著名モンでありましたね。
市役所中にそのポスターが貼られ、
国民健康保険課発行の「特定検診案内書類」封筒にも
くまモンイラストが大々的に使われていて
新参者を驚かしました。
商店街、病院、デパート、その他もろもろ県内隈なく、
くまモン印は浸透していて、
その親密度合いに当初ドギマギしたものでしたが、
今や違和感もすっかり消えて、
山鹿の町で追っかけなんぞをやってしまったわけなのです。

んなわけで先日は熊本現代美術館に行きました。
今月の28日までフリーゾーンにて
「くまモン フォトアート展」が開かれています。
くまモンが熊本県内の様々な名所で一人(一匹)佇む記念写真の展覧会、
以下の作品のほか、5点と、
特別に額装されたのが『うまに乗るくま』など数点あります。
5回観に行きましたが飽きません。


阿蘇の草原で微笑むくまモン。
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山鹿灯籠を被るくまモン。
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黒川温泉の露天風呂にて。
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八代・樅木の吊り橋で怖ッ。
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水前寺成趣園、釣り名人のゴイサギと。
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クマでありながらフォトジェニックな仕上がりの不思議な写真展。
熊本にお出での節には一度ご覧いただけたらと思います。

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「秋月育ちの益ちやんのみせ」

幾度もアップを試みるのですが、
なかなかうまく公開に至りませんでした。
パソコン作業がヘタでどうしようもありません。

で、少々古い話となってしまいましたが、
先週の雨降りの土曜日、
gallery moeのオーナー荒木さんに「ヨシモトさんにお見せしたい」と誘われて、
秋月という小さな集落へ行ってきました。
そこで素晴らしい発見があったので、
熊本便りではないけれどご報告します。

秋月は、九州自動車道路を走れば熊本市内から車で1時間半くらい。
地図で確認すると福岡県朝倉市のはじっこにありました。
昔は「黒田藩秋月城」を中心とした城下町だったということです。
今は城跡しかないけれど、
そこへ至る門前の桜並木のみごとさに
花の季節は観光客がたくさん押し寄せ当時の繁栄を偲ばせるのだそうです。
「並木道もいいけど、そこに並ぶお店がまたかわいいんですよ〜」と荒木さん。

朝倉市内を走り抜けると田園地帯が広がります。
田園地帯を突っ切ると、
おとぎ話に出てくるような小川があらわれ、
こびとが渡るような小さなアーチ石橋が見えてきます。
それらどこかしらノスタルジックな風景に見入りながら山里へ上って行くと、
石垣や白い蔵や黒い武家屋敷が
ささやかながら城下町の面影を残す一角に出て、
そこが秋月の集落でした。
福岡の片隅にこんな魅力的な場所があったのか、と、うっとりしましたね。
そうそう、
古民家を利用した小さなギャラリーやワイン専門店などもありました。
山里に若い人が戻って来ているんですね。

城跡の桜並木へ向かいました。
並木道の入り口に、恐ろしく小さい、けれど旨そうな
おにぎり屋と焼き餅屋があります。
しかし今回はこのあと
知る人ぞ知るという素敵な季節料理屋に行く予定なので、
泣く泣く素通りすることに。
次回はゼッタイこの二軒で空腹を満たすことにします!

季節外れの団体さんが一組あるにはあったけれど、
その塊を抜けると全体にしんと静かな並木道です。
桜の古木の曲がりくねった太い幹が、
雨に濡れて黒々と怪しげながら魅惑的な姿を見せています。
そして桜並木の右側に小さな店がぽつぽつと。
店といっても、
銀髪ショートヘアのきれいなご婦人は
大変辛いという手作り柚胡椒の青いの、赤いのをほんの少し
小さな台に並べておられるだけ。
その先の店も、
野菜味、果物味のお手製ソフトクリームや
自分のところで採れた果物、野菜、手作り漬け物などが並んでいるだけ。
雑貨屋さんは覗きませんでしたが、
そのお隣には
姿の良いモミジや山野草などの苗木が楚々と並んでいます。
次の店では小さなおばあさんがやはり
手作り柚胡椒の青いの、赤いの、黄色いのを小さな台に並べておられました。

城跡がこの集落の観光目玉で、
だからその参道に並ぶ以上はいわゆる観光客相手のみやげもの屋なのですが、
ここが他と異なっているのは
売っているものが100パーセント店主の手作りという点です。
荒木さんはそれを私に「見せたかった」わけでした。

もう充分に感動して、
この店で柚胡椒を買い、あの店ではトマトを買い、
など算段していると最後の店舗があらわれ、
エッ、と足が止まりました。
目が丸くなりました。
間口一間ほど、奥行き1メートルほどのスペースに
何ともおしゃれで清らかな世界が広がっていたのです。


店先

人によっては何てこともない光景でしょう。
しかし私は極上のインスタレーションを見たときの感動に
近いものを感じました。
どんよりと俗世の垢に濁っていた両目が清められた思いです。
文字と紙も含めて何と美しい配置のことか。
柚を二つだけ置いた遊び心。
冬瓜と白瓜の斬新な縦並び。
色が生き、形が生きている!
デコレーターでもいるのだろうか?!

柚こしょうや唐辛子など



こちらはふりかけと野菜の粉末。
袋の並びと文字の並びが見事な調和を見せている。
アートディレクターでもいるんじゃなかろうか。

オリジナルの乾物



胡椒のあれこれ。たかが胡椒が美しい。

唐辛子



ディスプレイの詳細はきりがないのでこのくらいで止めますが、
きのこ、豆、野菜、山菜の干したものが“ぴっちり”と同じ大きさの袋詰めにされ、
それこそ目を見張るくらい“きっちり”整然と並んでいるのです。
驚いている我々を笑いながら見ておられるお店の方に聞きました。

金子益さん

 我々「失礼ですがご主人ですか?これ、みんなご主人の手作りですか?」
 お店の方「はい、金子といいます。ぜんぶわたしが作っとります。ウチの畑で採れたのを
       天日干しして、何でも作っとりますよ」
“秋月育ちの益ちやんのみせ”という店名がわかったのは、
店の上に刺繍文字の入った暖簾が掛かっていたからです。
 我々「ということは金子さんが益さんですか?」
 益さん「そうですよ。“や”が大きいのは間違って縫ったとですよ」  
 我々「袋詰めも益さんがぜんぶ?」
 益さん「そうですよ。人が寝ている間も起きてせっせとやっとります」
 我々「すごく整然と並んでいますが、そういう性格ですか?」
 益さん「そうかもしれません。きれいにせんと落ち着かんですもんね」

益さんはここで28年も営業されているそうです。
もちろんこれからも寝る間を惜しんで、
作物作りと袋詰めに精を出されることと思います。
この美しいお店には四季折々顔を出そうと思いました。
買いたいものは山ほどでしたが持てません。
とりあえず今回は、
天日干しの有機米2キロ、
葉山椒の佃煮、
実山椒の粉末、
天日干し生切りぼし、
それからもちろん柚胡椒、を購入。
申しわけないくらい安かったなあ。

柚胡椒は、入っているプラケースをポリ袋で包み、
タッパーに入れて冷凍するように言われました。
その三重包みなら鮮度は落ちないらしいです。
カチカチには凍らないので
使う分だけ取り出して、常に冷凍庫保存でOK。

さっそく翌朝、柚胡椒うどんを作りましたね。
素うどんに柚胡椒を乗っけるだけなのでいい柚胡椒でなければ美味しくない。
で、益さんのは「♡ふぅぅぅ〜む♡」でした。


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