2024年09月19日
至福のレストラン
深夜のパリCDG空港から列車で美食の街リヨンへ。初めてフランスへ旅した時のことを今でも鮮明に憶えている。山頂に建つ古城。その毅然とした勇壮な佇まいが蒼い空に映えていた。
ふらりと入ったビストロで注文したプラ・ドゥ・ジュール。やっぱり美味しいんだ・・と心の中で呟いた。
パリでも感じた文化とアートの薫り。歴史と伝統が息づく瀟洒な街並み。点在する美術館。荘厳なオーラを放つノートルダム大聖堂。細部にまで繊細な美が宿っている。
夕方、ロゼ色に染まった空の下、カフェのテラスでアペロを愉しむ人たち。料理もまた芸術。上品な香りと舌に残る深い余韻。
とりわけフランス人は香りへの拘りが強い。プルーストは香りで甦る記憶があると書き、ゲランは素晴らしい景色を見た感動を香りで表現した。彼らの感性とセンスは別格だ。
料理界にも卓越したセンスを誇るアーティストがいる。南仏ウーシュの静かな森の中にあるオーベルジュ「トロワグロ」。親子3代に渡りミシュラン3つ星を55年間維持する名店。世界中の美食家たちが予約を入れるその老舗の厨房にカメラが入った。マルシェでの食材選び〜メニューの試行錯誤、究極の一皿が完成するまでの様々な物語を映し出している。スペインの「エルブリ」北欧の「NOMA」など伝説のレストランはよく「映画」になりその功績が残る。
凡人には到達できない高みへと登り切るシェフたちのプロフェッショナルな仕事ぶりにすっかり魅了されてしまった。オーナーシェフとお客さんの会話も絶品。原稿も書き上がりそうなので、そろそろワインでも開けようかな。
9/28〜 @桜坂劇場
Posted by Tree at 21:01│Comments(0)
│映画
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