室町文化(むろまちぶんか)

室町文化(むろまちぶんか)
室町時代の文化。
鎌倉文化と南蛮文化・桃山文化の間に位置する。
禅宗の影響を受けた文化の他に、宗教とは別に民衆による文化も栄えた。
南北朝時代には南北朝文化、足利義満のころには北山文化、足利義政のころには東山文化となった。
応仁の乱(応仁・文明の乱)の後には室町文化が地方に普及し、戦国期の文化となった。
区分の方法によっては南北朝文化と戦国期の文化を室町文化に含めないこともある。

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ジャンル : 学問・文化・芸術

南北朝文化(なんぼくちょうぶんか)

南北朝文化(なんぼくちょうぶんか)
南北朝時代の文化。
室町文化の初期のものとも、その前段階のものとも位置づけられる。
禅宗を重視し、五山・十刹の制度化を進め、五山文学が盛んとなった。
鎌倉幕府の滅亡や南北朝の動乱といった世相を背景にした軍記物語や歴史書が書かれた。
また、下剋上の風潮や婆娑羅(バサラ)の流行もあった。
民衆などの間には闘茶などの茶寄合、連歌などが流行するようになった。

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官寺の制(かんじのせい)

官寺の制(かんじのせい)
室町幕府が禅宗寺院を管理するための制度。
律令制による官寺は衰えており、南北朝時代に足利義満によって整備された。
中国の南宋の制度をもととした。
五山、次いで十刹、その次に諸山といった寺格を設けた。
幕府の保護を受ける一方で、僧録司の僧録に管理された。

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五山(ござん)

五山(ござん)
禅宗の官寺の制で最高の寺格。
中国の南宋の制度に倣ったもので、十刹や諸山の上に位置づけられている。
鎌倉時代や建武の新政のときから変更が重ねられ、1386年に室町幕府の足利義満が整備した。
京都五山と鎌倉五山があった。
五山僧らによって五山文学が栄え、五山版が出版された。

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京都五山(きょうとござん)

京都五山(きょうとござん)
室町幕府の官寺の制で定められた京都の五山。
1386年に足利義満が確定させた。
南禅寺を別格とし、天龍寺、相国寺、建仁寺、東福寺、万寿寺の順。
もとは南禅寺が第1位だったが、相国寺が建てられると別格とされた。

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南禅寺(なんぜんじ)

南禅寺(なんぜんじ)
京都府京都市にある臨済宗の寺。
山号は瑞龍山。
正式には大平興国南禅禅寺という。
1291年、亀山上皇が離宮を寺院とし、無関普門が開山となったものがもととなった。
1334年、建武の新政のときに五山の第一位とされた。
1386年、足利義満によって五山の別格とされ、京都五山、鎌倉五山の上位とされた。
室町時代に度々、火災にあって衰えた。
江戸時代初期に金地院崇伝(以心崇伝)らが復興した。
南禅寺の塔頭には金地院などがある。
石川五右衛門の伝説がある山門でも有名。

外部リンク
臨済宗大本山 南禅寺 公式サイト :: 南禅寺
https://www.nanzenji.or.jp/

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天龍寺(てんりゅうじ)

天龍寺(てんりゅうじ)
京都府京都市にある臨済宗の寺。
山号は霊亀山。
正式には天龍資聖禅寺という。
嵯峨野にあった大覚寺統の亀山殿の場所にあり、平安時代には談林寺があった。
1339年、足利尊氏と足利直義が後醍醐天皇の冥福を祈るために建立した。
開山は夢窓疎石。
1342年、造営費を得るため、中国の元に天龍寺船が派遣された。
五山の第二位だったが、1386年に足利義満によって京都五山の第一位とされた。
一時期、京都五山の第二位になっていたが再び第一位となった。
度々、戦火で焼かれ、1864年に禁門の変(蛤御門の変)で焼失した。
明治時代から再建された。
夢窓疎石による天龍寺庭園がある。

外部リンク
世界遺産|京都 嵯峨嵐山 臨済宗大本山 天龍寺 公式ホームページ
https://www.tenryuji.com/

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相国寺(しょうこくじ)

相国寺(しょうこくじ)
京都府京都市にある臨済宗の寺。
山号は万年山。
正式には相国承天禅寺という。
1382年、足利義満によって花の御所(室町殿)の隣に建立された。
開山は春屋妙葩(一世は故人となっていた夢窓疎石とされた。)。
京都五山の第二位で、一時期は足利義満によって京都五山第一位とされたこともあった。
足利義満がなった左大臣などの唐名は相国で、寺の名ともなった。
塔頭には鹿苑院などがあった。
鹿苑院、またはその中にあった蔭涼軒には僧録がおり、五山の中でも最も影響力を持つようになった。
度々、火災にあい、焼失した後に再建された。
応仁の乱(応仁・文明の乱)では相国寺の戦いの舞台となった。

外部リンク
相国寺 | 臨済宗相国寺派
https://www.shokoku-ji.jp/

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東福寺(とうふくじ)

東福寺(とうふくじ)
京都府京都市にある臨済宗の寺。
山号は慧日山。
1235年、摂関家の九条道家(藤原道家)によって法性寺の跡に建立された。
開山は円爾弁円。
京都五山の第四位。
寺の名は東大寺と興福寺から取った。
禅宗の寺院だが、天台宗や真言宗も兼ねていた。
鎌倉時代末期に東福寺再建のために派遣された東福寺造営料唐船の新安沈船が見つかっている。

外部リンク
トップページ - 臨済宗大本山 東福寺
https://tofukuji.jp/

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万寿寺(まんじゅじ)

万寿寺(まんじゅじ)
京都府京都市にある臨済宗の寺。
山号は京城山。
1097年に白河上皇が六条院の中に建てた六条御堂がもととなった。
鎌倉時代に円爾弁円に帰依して禅宗の寺院となり、万寿寺に名を改めた。
十刹となり、次いで京都五山の第五位となった。
室町時代に火災にあって衰えた。
安土桃山時代に東福寺の辺りに移った。

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鎌倉五山(かまくらござん)

鎌倉五山(かまくらござん)
室町幕府の官寺の制で定められた鎌倉の五山。
1386年に足利義満が確定させた。
建長寺、円覚寺、寿福寺、浄智寺、浄妙寺の順。
鎌倉時代の後期に鎌倉の禅宗寺院を中心に定められ、建武の新政で一時は京都と混ぜられたが後に再び鎌倉のみとなった。

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浄智寺(じょうちじ)

浄智寺(じょうちじ)
神奈川県鎌倉市にある臨済宗の寺。
山号は金峰山。
正式には浄智荘厳禅寺という。
1281年に死去した北条宗政(北条時頼の子)の菩提を弔うために、1283年に妻やその子の北条師時(後に執権)が建立した。
開山は兀庵普寧や大休正念だが、実質的には南洲宏海とされる。
鎌倉五山の第四位。

外部リンク
臨済宗円覚寺派 浄智寺【公式サイト】
https://jochiji.com/

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浄妙寺(じょうみょうじ)

浄妙寺(じょうみょうじ)
神奈川県鎌倉市にある臨済宗の寺。
山号は稲荷山。
1188年に足利義兼が真言宗の極楽寺として建立した。
後に禅宗となり、浄妙寺に改められた。
鎌倉時代末には足利貞氏(足利尊氏の父)が埋葬された。
鎌倉五山の第五位。

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十刹(じっさつ、じっせつ)

十刹(じっさつ、じっせつ)
禅宗の官寺の制で五山に次ぐ寺格。
中国の南宋の制度に倣ったもので、五山と諸山の間に位置づけられている。
鎌倉時代にはあったとされ、1386年に室町幕府の足利義満が整備した。
京都十刹と関東十刹(鎌倉十刹)があった。
後には追加されることも多く、60以上に増えた。

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諸山(しょざん)

諸山(しょざん)
禅宗の官寺の制で五山、十刹に次ぐ寺格。
中国の南宋の制度に倣ったもの。
鎌倉時代にはあったとされ、室町時代には各地に増えていった。
寺の数は制限されておらず、200以上になった。

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安国寺(あんこくじ)

安国寺(あんこくじ)
南北朝時代の初期に国ごとに建てられた臨済宗の寺。
夢窓疎石の勧めにより、足利尊氏と足利直義が1338年頃から建立を始めた。
国家安穏の祈願、元寇の乱から南北朝の動乱の戦死者供養を目的とした。
1345年、光厳上皇によって安国寺と名付けられた。
北朝勢力の拠点となり、室町幕府が守護を通して地方を掌握するのに利用されたともされる。
安国寺の他に国ごとに利生塔(りしょうとう)も建てた。

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僧録司(そうろくし)

僧録司(そうろくし)
室町幕府による禅宗寺院を管轄する機関。
官寺の制のもと、五山や十刹、諸山やその僧の管理などをした。
1379年、相国寺の春屋妙葩が僧録となった。
後に相国寺塔頭の鹿苑院に置かれるようになった。
鹿苑院蔭涼軒の僧が将軍と僧録司との取り次ぎを行なった。
江戸時代になると南禅寺の金地院に移った。

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僧録(そうろく)

僧録(そうろく)
僧録司の役職。
寺院の管理や僧の人事を担った。
1379年、臨済宗では足利義満が相国寺の春屋妙葩を任じたことが始まり。
相国寺塔頭の鹿苑院院主が兼ねるようになった。
江戸時代になると金地院崇伝(以心崇伝)がなり、南禅寺の金地院院主がなった。
曹洞宗、禅宗以外の宗派にも置かれることがあった。

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五山派(ござんは)、叢林(そうりん)

五山派(ござんは)、叢林(そうりん)
室町幕府の官寺の制のもとにあった禅宗寺院。
五山、十刹、諸山やその末寺のことをいった。
室町時代に幕府の庇護によって栄えた。
林下に対する語。

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五山僧(ござんそう)

五山僧(ござんそう)
五山派(叢林)の僧。
漢詩文ができるため、仏教以外にも影響を与えた。
官寺の制によって室町幕府との関係が深く、政治や外交の顧問や側近になったりした。
五山文学や書の五山様など文化面でも活躍した。
夢窓疎石、春屋妙葩、絶海中津、義堂周信などがいた。

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