名字(みょうじ)、苗字(みょうじ)氏を分けた出自集団の名称。
名字は平安時代中期頃から始まった。
荘園や公領のなかにあった土地の名(みょう)の名称とその名(みょう)を割り当てられた者の字(あざな)が結びついて成立した。
中世には所領や居所の地名などから取るようになり、後には出自集団で代々引き継がれるようになって苗字ともいうようになった。
例えば、氏が源氏で足利荘を拠点とした者は名字は足利、新田荘を拠点とした者は名字は新田とした。
朝廷の公式文書では氏が用いられ、名字(苗字)はそれ以外で使用された。
江戸時代には苗字帯刀として苗字を公式に名乗ることは特権となり、庶民は特別な許可がない場合は苗字があっても公称できなかった。
明治時代になると庶民も苗字の公称が許可され、やがて苗字を名乗ることを強制されるようになった。
それまでの氏は廃止され、明治時代の戸籍には苗字を新たな氏として記載するようになった。
テーマ : 歴史
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