田堵(たと)

田堵(たと)
荘園や公領で耕作を請負った人。
10世紀から11世紀頃に有力農民がなった。
領主と1年ごとに契約して耕作権を得ていた。
名の納税をする負名となり、12世紀には名主となっていった。
大規模なものは大名田堵という。
田刀、田頭などとも書く。

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大名田堵(だいみょうたと)

大名田堵(だいみょうたと)
大規模に耕作を請負っていた田堵のこと。
小名田堵に対する語。
『新猿楽記』にその様子が書かれている。

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新猿楽記(しんさるがくき)

新猿楽記(しんさるがっき)
猿楽について書かれた随筆。
著者は藤原明衡とする説がある。
11世紀に書かれた。
内容は、猿楽やその名人、見物に来ていた設定の右衛門尉(うえもんのじょう)一家のことなど。
右衛門尉の妻や子、娘の夫たちについては、一人ずつ詳しく述べられ、当時の職業や生活の様子がわかる史料となっている。
特に出羽権介田中豊益は大名田堵として描かれている。

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名(みょう)

名(みょう)
荘園や公領のなかにあった基本単位。
9世紀に公領(国衙領)で始まり、徴税単位となった。
10世紀には割り当てられた田堵の名前と結びつき、田堵は負名となった。
平安時代後期には荘園にも広がった。
規模の大きい領主名、小さい百姓名があった。
名田と同じものとされていたが、別のものとする説が重視されるようになった。

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名田(みょうでん)

名田(みょうでん)
中世の荘園や公領の田地。
名主が割り当てられ、経営を請負った。
名主の占有が強まり、実質的な私有地のように扱われるようになっていった。
名と同じものとされていたが、近年は名よりあとのものとされる。

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負名(ふみょう)

負名(ふみょう)
荘園や公領の納税を請負った人。
10世紀に公領で始まり、後に荘園にも広まった。
田堵が田地を割り当てられてなり、官物などの納税を請負った。
名の名前と田堵の名前が結びつき、負名と言うようになった。
尾張国郡司百姓等解文が初見。
12世紀には名主へとなっていった。

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負名体制(ふみょうたいせい)

負名体制(ふみょうたいせい)
土地ごとに負名に納税を請負わせた租税収取制度。
10世紀初めに成立。
律令制では戸籍に基づき人ごとに課税していたがそれをやめて、名という土地単位に官物や臨時雑役として課税した。
この時期を、古代から中世への過渡期である王朝国家とする見解もある。

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王朝国家(おうちょうこっか)

王朝国家(おうちょうこっか)
日本における古代の律令国家から中世国家への移行期のこと。
10世紀から11世紀頃をいう。
人に対する課税から土地単位の課税に変わってできた負名体制の時期。
政治史としては摂関政治のころにあたる。

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官物(かんもつ)

官物(かんもつ)
負名体制の公領で課せられた税。
もとは律令制での官有物の意味で、租庸調や出挙などのこと。
負名体制では人ごとではなく土地の面積を基準とした。

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臨時雑役(りんじぞうやく)

臨時雑役(りんじぞうやく)
負名体制の公領で官物とともに課せられたもの。
官物以外の雑徭などの労役を中心に様々な課役の総称のこと。
11世紀には一国平均役などになった。

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遙任(ようにん)

遙任(ようにん)
地方官が任地に赴かずに京に留まること。
特に国司のことをいい、遙任国司のことを単に遙任ともいう。
任国には目代を派遣した。

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受領(ずりょう)

受領(ずりょう)
徴税等の責任者となった国司のこと。
もともとは前任者から引き継ぎを受けることをいった。
現地に赴任したその国の国司のうち、最高位のものがなった。
たいていは守がなり、守が受領でない場合は介がなった。
律令制では国司全員が連帯責任を取っていたことも、受領が1人だけで責任を負うようになった。
その一方で郡司が持っていた徴税権や他の任用国司が持っていた権限が受領に集中した。
富を蓄える者が多く、「受領は倒るる所に土を掴め」とも形容される。
11世紀には京に留まって任地に赴かない受領も増え、受領の遙任化が進んだ。

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任用(にんよう)

任用(にんよう)
受領以外の国司。
任用国司のこと。
守が受領のときは、介・掾・主典、権官が任用であった。
介が受領のときは、介以外が任用であった。

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留守所(るすどころ)

留守所(るすどころ)
国司が遙任のときに国衙に置かれた機関。
目代や在庁官人が国衙の政務を行なった。
11世紀から室町時代までみられた。
受領が遙任化すると増加した。

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目代(もくだい)

目代(もくだい)
遙任国司が国衙に代理として派遣した者。
受領が遙任となると、留守所で在庁官人を使用して政務を行なった。
受領の子弟や家人が目代となった。

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在庁官人(ざいちょうかんじん)

在庁官人(ざいちょうかんじん)
平安時代中期以降に国衙で実務を担った役人。
受領、後には目代の下で、所に分かれて判官代、録事代などになった。
受領以外の下級国司を官人、それより下の現地の有力者がなったものを在庁といった。
後にこの官人と在庁を一体のものとして扱われるようになり、単に在庁というようにもなった。

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所(ところ)

所(ところ)
国衙に置かれた各部署の機関。
11世紀には留守所がそれぞれの所を管轄し、在庁官人が事務を行なった。
田所、税所、調所、公文所、健児所などがあった。
所目代(一所目代)が判官代、録事代などの在庁官人を率いた。

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所目代(ところもくだい、ところのもくだい)

所目代(ところもくだい、ところのもくだい)
国衙の中の所を管轄した目代。
留守所で国司の代理となった目代とは別に、それぞれの所に置かれた。
一所目代ともいう。

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判官代(はんがんだい、ほうがんだい)

判官代(はんがんだい、ほうがんだい)
事務を行なう役職。
在庁官人の役職の一つとしても見られ、惣判官代、惣大判官代などともいった。
それぞれの所で事務を行なった。

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録事代(ろくじだい)

録事代(ろくじだい)
在庁官人の役職の一つ。
それぞれの所で事務を行なった。
録事は文書や記録を担う役職のことで、主典などの別称でもあった。

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