弘仁貞観文化(こうにんじょうがんぶんか)

弘仁貞観文化(こうにんじょうがんぶんか)
平安時代前期(9世紀頃)の文化。
嵯峨天皇のときの元号の弘仁、清和天皇のときの元号の貞観の頃に相当する。
天平文化と国風文化の間に位置する。
唐の影響を受けて文章経国思想による漢詩文、天台宗や真言宗の影響をうけた密教芸術が盛んとなった。

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儀式(ぎしき)

儀式(ぎしき)
朝廷の儀礼や行事、それらの決まりや次第を記した書。
奈良時代に唐礼が日本でも広まり、奈良時代末期から平安時代前期に唐風の儀礼が行なわれるようになった。
平安時代になると『内裏式』、『貞観儀式』(『儀式』)、『延喜儀式』、『新儀式』といった儀式書が編纂された。
10世紀からは『西宮記』、『北山抄』、『江家次第』などの私撰の儀式書が書かれ、小野宮流や九条流といった有職故実の家の成立につながった。

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唐礼(とうれい)

唐礼(とうれい)
中国・唐の儀式。
7世紀に『貞観礼』、『顕慶礼』が、8世紀には『開元礼』(『大唐開元礼』)が編纂された。
奈良時代前期までに『貞観礼』、『顕慶礼』が日本に伝わったとされ、奈良時代後期からは遣唐使による知見や『大唐開元礼』が儀礼の唐風化に影響した。

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大唐開元礼(だいとうかいげんれい)

大唐開元礼(だいとうかいげんれい)
中国・唐の儀式書。
玄宗のときの732年に完成。
奈良時代後期には遣唐使により日本にもたらされたとされている。
単に『開元礼』ともいう。

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内裏式(だいりしき)

内裏式(だいりしき)
宮中儀式についての儀式書。
821年、嵯峨天皇の命により藤原冬嗣、良岑安世らが編集。
833年、淳和天皇の命により清原夏野らが改訂。

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貞観儀式(じょうがんぎしき)

貞観儀式(じょうがんぎしき)
9世紀頃の宮中儀式についての儀式書。
単に『儀式』とされていたが、後世に『貞観儀式』と呼ばれるようになった。
現存するものは全10巻。
『弘仁儀式』『延喜儀式』とともに三代儀式ともされる。

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文章経国思想(もんじょうけいこくしそう)

文章経国思想(もんじょうけいこくしそう)
漢詩文といった文学が国家の経営で重要とする考え。
中国の三国時代、魏の文帝(曹丕)が『典論』の「論文」で「文章は経国の大業不朽の盛事」と書いたことに由来する。
この「論文」が『文選』に収録されて、日本に伝わった。
平安時代初期に盛んとなって唐風化が進み、中国の文学や歴史が重視された。
大学では文章道が隆盛となり、勅撰漢詩文集が編纂され、文人が登用されるようになった。

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勅撰漢詩文集(ちょくせんかんしぶんしゅう)

勅撰漢詩文集(ちょくせんかんしぶんしゅう)
平安時代初期の勅撰三集のこと。
文章経国思想を背景に、『凌雲集』、『文華秀麗集』、『経国集』の三つの漢詩文集が編纂された。
奈良時代の漢詩集の『懐風藻』と異なり、天皇の命令による。

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凌雲集(りょううんしゅう)

凌雲集(りょううんしゅう)
平安時代初期の勅撰漢詩文集の一つ目。
814年に嵯峨天皇が命じ、小野岑守、菅原清公、勇山文継らが編纂した。
1巻で、91首。
嵯峨天皇、淳和天皇、小野岑守、菅原清公など24人が収められている。
『凌雲新集』ともいう。

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文華秀麗集(ぶんかしゅうれいしゅう)

文華秀麗集(ぶんかしゅうれいしゅう)
平安時代初期の勅撰漢詩文集の二つ目。
818年に嵯峨天皇が命じ、藤原冬嗣、仲雄王、菅原清公、勇山文継、滋野貞主らが編纂した。
3巻で、148首(現存、143首)。
嵯峨天皇、淳和天皇、仲雄王、巨勢識人など28人が収められている。

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経国集(けいこくしゅう)

経国集(けいこくしゅう)
平安時代初期の勅撰漢詩文集の三つ目。
827年に淳和天皇が命じ、良岑安世、滋野貞主、菅原清公らが編纂した。
20巻(現存6巻)で、漢詩以外も含めると1000以上の作品からなる。
嵯峨天皇、石上宅嗣、淡海三船、空海など178人が収められている。

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性霊集(しょうりょうしゅう、せいれいしゅう)

性霊集(しょうりょうしゅう、せいれいしゅう)
空海の漢詩文集。
835年頃に成立。
空海の弟子の真済が編集した。
10巻。
正式名称は『遍照発揮性霊集』。

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真済(しんぜい)

真済(しんぜい)
800年-860年
真言宗の僧。
空海の弟子で、神護寺別当,東寺長者となった。
空海の漢詩文を集め、『性霊集』(『遍照発揮性霊集』)を編集した。

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文鏡秘府論(ぶんきょうひふろん)

文鏡秘府論(ぶんきょうひふろん)
空海が編纂した漢詩文の評論書。
6巻。
820年までに成立。
中国の六朝時代から唐までの詩論を引用して論じた。

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日本霊異記(にほんりょういき、にほんれいいき)

日本霊異記(にほんりょういき、にほんれいいき)
平安時代前期の仏教説話集。
正式には『日本国現報善悪霊異記』。
3巻で、822年頃に成立。
著者は景戒。
雄略天皇から嵯峨天皇頃までの116の因果応報説話からなる。

外部リンク
古典への招待 【第10回:『霊異記』の多面的な世界】
https://japanknowledge.com/articles/koten/shoutai_10.html

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景戒(きょうかい、けいかい)

景戒(きょうかい、けいかい)
奈良時代から平安時代前期の僧。
『日本霊異記』の著者。
薬師寺の僧となった。

外部リンク
景戒の出自とその背景(PDF)
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/lt/jl/ronkyuoa/AN0025722X-038_033.pdf

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類聚国史(るいじゅうこくし、るいじゅこくし)

類聚国史(るいじゅうこくし、るいじゅこくし)
六国史を部門別に分類した歴史書。
菅原道真によって、892年に成立。
本史200巻、目録2巻、帝王系図3巻。
『日本三代実録』の部分は後に加えられた。

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菅家文草(かんけぶんそう)

菅家文草(かんけぶんそう)
菅原道真の漢詩文集。
900年に成立。
全12巻で、468首の漢詩と169編の散文を収める。
祖父清公の『菅家集』、父是善の『菅相公集』とともに醍醐天皇に献上された。

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菅家後集(かんけこうしゅう)

菅家後集(かんけこうしゅう)
『菅家文草』の後に成立した、菅原道真の漢詩文集。
903年に成立。
全1巻で、46首。
菅原道真が大宰府へと左遷されてからの漢詩を集めた。
死の直前に友人の紀長谷雄に送ったものとされる。

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文人貴族(ぶんじんきぞく)

文人貴族(ぶんじんきぞく)
平安時代の漢詩文に長けた貴族。
文章経国思想のなかで文章道が盛んになり、中下級の貴族は学問で出世し、公卿になるものもあった。
小野篁、都良香、菅原道真などがいた。
文人官僚ともいう。

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