鎌倉文化(かまくらぶんか)

鎌倉文化(かまくらぶんか)
鎌倉時代の文化。
院政期の文化と室町文化の間に位置する。
公家文化に武士や禅宗の文化が加わった。
前半は平安時代から引き継いだ京都の公家による貴族文化が中心となった。
やがて武士が公家文化を取り入れつつ、武士の気風と合わさった独自の文化が形成された。
また、中国からは禅宗など南宋や元の文化も伝わって影響を受けた。
保元の乱から治承・寿永の乱などの武士の戦いの影響もみられる。
文学では平安時代に続いて、和歌集、説話集、軍記物語などが多くつくられた。
仏教では様々な鎌倉仏教の活動があり、東大寺の復興は仏像彫刻など美術も発達させた。
建築様式では平安時代以来の和様に、大仏様、禅宗様が加わった。
絵画では絵巻物が多くつくられ、似絵や頂相も描かれた。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

公家(くげ)

公家(くげ)
朝廷の官人の上層のこと。
院政期には天皇のことを指した。
鎌倉幕府が武家と呼ばれるようになると、京の朝廷やその官人をいうようになった。
特に公卿のことを指すようになり、鎌倉時代頃に摂家(五摂家)・清華家などの家格が形成された。
江戸時代には昇殿を許された堂上家のことをいった。
明治時代には華族となった。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

五摂家(ごせっけ)

五摂家(ごせっけ)
摂政・関白となる公家の家格。
鎌倉時代前期に成立。
藤原氏の北家で、藤原道長の子孫の摂関家が分立してできた。
近衛家とそこから分かれた鷹司家、九条家とそこからわかれた二条家、一条家の五家のこと。
摂家ともいう。
明治時代には華族の公爵となった。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

近衛家(このえけ)

近衛家(このえけ)
五摂家(摂家)の一つで、筆頭。
平安時代末期の近衛基実(藤原基実。藤原忠通の子)が祖。
邸宅だった近衛殿から付けられた。
江戸時代に後陽成天皇の皇子が養子となり、皇別摂家となった。
明治時代に公爵となり、昭和には総理大臣となった近衛文麿、指揮者となった近衛秀麿を出した。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

鷹司家(たかつかさけ)

鷹司家(たかつかさけ)
五摂家(摂家)の一つ。
鎌倉時代の鷹司兼平(藤原兼平。近衛家実の子)が祖。
近衛家から分かれて成立した。
邸宅があった鷹司室町から付けられた。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

九条家(くじょうけ)

九条家(くじょうけ)
五摂家(摂家)の一つ。
平安時代末期から鎌倉時代の九条兼実(藤原兼実。藤原忠通の子)が祖。
邸宅だった九条殿から付けられた。
九条兼実は源頼朝と結んで摂政・関白となり、その子の九条良経も摂政となって近衛家に対した。
良経の子の九条道家は母方で源義朝の子孫で、その子らは鎌倉幕府の摂家将軍(九条頼経、九条頼嗣)となった。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

二条家(にじょうけ)

二条家(にじょうけ)
五摂家(摂家)の一つ。
鎌倉時代の二条良実(藤原良実。九条道家の子)が祖。
邸宅だった二条京極第から付けられた。
九条家から分かれて成立した。
南北朝時代に二条良基を出した。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

一条家(いちじょうけ)

一条家(いちじょうけ)
五摂家(摂家)の一つ。
鎌倉時代の一条実経(藤原実経。九条道家の子)が祖。
邸宅だった一条室町殿から付けられた。
九条家から分かれて成立した。
室町時代に一条兼良や尋尊を出した。
一部は土佐国(高知県)に赴いて国司となり、戦国大名となる土佐一条家となった。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

清華家(せいがけ)

清華家(せいがけ)
大臣・近衛大将になり、太政大臣にまでなり得る公家の家格。
鎌倉時代に成立。
藤原北家の三条家・西園寺家・徳大寺家・今出川家(菊亭家)家、・花山院家・大炊御門家、村上源氏の久我家があった。
江戸時代に広幡家と醍醐家が加わった。
五摂家(摂家)に次ぐ家格だった。
明治時代には華族の侯爵となった(三条家のみ公爵となった。)。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

西行(さいぎょう)

西行(さいぎょう)
1118年-1190年
平安時代後期の僧で、歌人。
俗名は佐藤義清(さとうのりきよ)。
藤原秀郷の子孫。
徳大寺家に仕えるとともに、鳥羽上皇のときの北面の武士となっていた。
1140年に出家し、真言宗の僧となった。
都の近くで隠者(遁世者)となる一方で、各地を旅した。
『新古今和歌集』には最多の94首が選ばれている。
家集の『山家集』などを残した。
後にその生涯を『西行物語絵巻』として描かれた。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

山家集(さんかしゅう)

山家集(さんかしゅう)
西行の私家集(家集)。
六家集の一つ。
3巻で、約1500首。
西行が自らまとめ、後に追加されたとされる。
隠者(遁世者)としての生活や旅の和歌が特徴。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

西行物語絵巻(さいぎょうものがたりえまき)

西行物語絵巻(さいぎょうものがたりえまき)
西行の生涯を描いた絵巻物。
いくつか存在するが、13世紀後半のものが最も古い。
鎌倉時代の大和絵の一典型とされる。
江戸時代には俵屋宗達も描いた。

外部リンク
西行物語絵巻第一段(部分) | 重文「豊国祭礼図屏風」ほか【絵画】 | おもな収蔵品 | 美術館について | 名古屋・徳川美術館
https://www.tokugawa-art-museum.jp/about/treasures/painting02/007/

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

藤原定家(ふじわらのさだいえ、ふじわらのていか)

藤原定家(ふじわらのさだいえ、ふじわらのていか)
1162年-1241年
鎌倉時代の公卿、歌人。
藤原道長の子孫で、御子左家の藤原俊成の子。
『新古今和歌集』の撰者の一人。
九条家に仕え、後鳥羽上皇にも和歌で取り立てられた。
1209年、鎌倉の源実朝に歌論書の『近代秀歌』を贈った。
1232年に権中納言となるが、翌年に病となり出家した。
和歌では、情緒があり優雅な右心体を最高とした。
日記の『明月記』、私家集(家集)の『拾遺愚草』を残した。
『小倉百人一首』を撰んだ。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

明月記(めいげつき)

明月記(めいげつき)
藤原定家の日記。
1180年から1235年までの分が残っている。
定家のこと以外にも、公家や庶民のこと、天文などの記事も書かれている。
鎌倉時代前期の重要な史料。
天文学でも引用されることがある。
『照光記』ともいう。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

拾遺愚草(しゅういぐそう)

拾遺愚草(しゅういぐそう)
藤原定家の私家集(家集)。
六家集の一つ。
3巻と『拾遺愚草員外』で計4巻。
約3800首。
1216年に一度成立し、その後に増補された。
拾遺は官職の侍従の唐名で、藤原定家が侍従だったことから付けられた。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

藤原家隆(ふじわらのいえたか、ふじわらのかりゅう)

藤原家隆(ふじわらのいえたか、ふじわらのかりゅう)
1158年-1237年
鎌倉時代の公卿、歌人。
藤原北家の藤原光隆の子。
『新古今和歌集』の撰者の一人。
藤原俊成に和歌を学び、後鳥羽上皇のころには藤原定家と並び称された。
私家集(家集)の『壬二集』を残した。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)

新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)
八番目の勅撰和歌集で、八代集の一つ。
1201年、後鳥羽上皇の命により、藤原定家、藤原家隆らが撰者となった。
1205年に成立。
承久の乱後に後鳥羽上皇が隠岐本をまとめた。
全20巻で、約2000首。
西行、慈円、九条良経、藤原俊成、式子内親王、藤原定家、藤原家隆、寂連、後鳥羽上皇らの歌が収められた。
本歌取りや体言止めが特徴で、歌風は新古今調といわれる。
『新古今集』(しんこきんしゅう)ともいう。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

金槐和歌集(きんかいわかしゅう)

金槐和歌集(きんかいわかしゅう)
源実朝の私家集(家集)。
約700首。
1213年に成立か。
新古今調の他に万葉調の和歌がもある。
『鎌倉右大臣家集』ともいう。
金槐の金は鎌倉の鎌から取り、槐は大臣を意味する。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

十訓抄(じっきんしょう、じっくんしょう)

十訓抄(じっきんしょう、じっくんしょう)
鎌倉時代の説話集。
作者は未詳で、六波羅二臈左衛門入道(湯浅宗業)とも菅原為長ともいう。
1252年頃に成立。
3巻からなり、10ヵ条の教訓と各条ごとに関連する説話を集めた。
後の説話集にも影響を与えた。
年少者向けとされる。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

宇治拾遺物語(うじしゅういものがたり)

宇治拾遺物語(うじしゅういものがたり)
鎌倉時代の説話集。
編者は未詳。
1220年頃に成立。
197話あるが、『今昔物語集』や『古事談』と共通する話も多い。
仏教説話や民間説話などを収めている。
宇治大納言と称された源隆国が編者とされたこともあり、『宇治大納言物語』ということもあった。
また、『宇治大納言物語』は『今昔物語集』などを指し、それを補遺したものともされた。

テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

サイト内検索
カスタム検索
目次
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

最新記事