国風文化(こくふうぶんか)

国風文化(こくふうぶんか)
平安時代中期(10世紀から11世紀頃)の文化。
平安時代前期までの唐風の文化を成熟させ、日本風の文化に発展させた。
弘仁貞観文化と院政期の文化の間に位置する。
9世紀に遣唐使が停止されており、日本の独創的な面が大きくなった。
寝殿造の邸宅や貴族の服装など貴族文化の要素が大きく、浄土教が広がり阿弥陀堂や阿弥陀仏の仏像が造られるなど末法思想の影響も受けた。
仮名文字が発達し、和歌、かな文学が栄えた。
摂関期のころでもあり、藤原文化ともいう。

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仮名文字(かなもじ)

仮名文字(かなもじ)
平仮名(ひらがな)、片仮名(かたかな)のこと。
日本の音節文字(表音文字の一種)。
真名(漢字)に対して、仮の文字という意味。
奈良時代には漢字のまま、その音訓を用いた万葉仮名(真仮名)が使われていた。
その漢字の一部のみを書いたものが片仮名となった。
平安時代になり、万葉仮名の草書体からできた草仮名(そうがな)を簡略して書いたものが平仮名となった。
平仮名は主に女性が使用していたことから、女手(おんなで)、女文字(おんなもじ)ともいった。
明治時代になって、平仮名は明治時代になって統一した字体が定められたが、本来は多様で変体仮名(へんたいがな)も用いられていた。

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真名(まな)

真名(まな)
漢字のこと。
万葉仮名、平仮名、片仮名といった仮名に対して、正式な文字という意味としていう。
真字、本字ともいう。
平仮名を女手というのに対して、男手(おとこで)ともいった。

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いろは歌(いろはうた)

いろは歌(いろはうた)
仮名47字で作られた歌。
作者は空海と伝えられたが、実際には10世紀後半から11世紀までに作られたとされる。
あめつちの詞、大為爾の歌(たゐにのうた)に続く、仮名を網羅したものとなっている。
後に、いろは順として、辞書などの順番に使用された。

いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせす

色は匂へど 散りぬるを 我が世誰ぞ 常ならむ 有為の奥山 今日越えて 浅き夢見じ 酔ひもせず


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六歌仙(ろっかせん)

六歌仙(ろっかせん)
平安時代前期の6人の歌人。
僧正遍昭、在原業平、文屋康秀、喜撰法師、小野小町、大友黒主のこと。
9世紀の歌人で、『万葉集』と『古今和歌集』編纂時の間にあたる。
『古今和歌集』の仮名序・真名序のいづれにも登場し、論じられている。
後に藤原公任が六歌仙を含めた三十六歌仙を選んでいる。

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勅撰和歌集(ちょくせんわかしゅう)

勅撰和歌集(ちょくせんわかしゅう)
上皇や天皇の命により編纂された和歌集のこと。
平安時代の『古今和歌集』から室町時代の『新続古今和歌集』までの二十一代集をいう。
和歌所が設置されることが多く、撰者が和歌を選んだ。
平安時代初期には勅撰漢詩文集が編纂されていたが、10世紀からは和歌が公的な勅撰集の対象となった。
勅撰和歌集に対して、私的に多くの歌人の和歌を集めたものは私撰和歌集(しせんわかしゅう)、特定の人物だけのものを集めた場合は私家集(しかしゅう)といった。

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三代集(さんだいしゅう)、八代集(はちだいしゅう)、二十一代集(にじゅういちだいしゅう)

三代集(さんだいしゅう)、八代集(はちだいしゅう)、二十一代集(にじゅういちだいしゅう)
代は編纂されたときの天皇の御代の意味。
初期の勅撰和歌集である『古今和歌集』『後撰和歌集』『拾遺和歌集』を三代集といった。
『古今和歌集』から『新古今和歌集』までを八代集という。
勅撰和歌集の全てを二十一代集という。

1.『古今和歌集』
2.『後撰和歌集』
3.『拾遺和歌集』
4.『後拾遺和歌集』
5.『金葉和歌集』
6.『詞花和歌集』
7.『千載和歌集』
8.『新古今和歌集』
9.『新勅撰和歌集』
10.『続後撰和歌集』
11.『続古今和歌集』
12.『続拾遺和歌集』
13.『新後撰和歌集』
14.『玉葉和歌集』
15.『続千載和歌集』
16.『続後拾遺和歌集』
17.『風雅和歌集』
18.『新千載和歌集』
19.『新拾遺和歌集』
20.『新後拾遺和歌集』
21.『新続古今和歌集』

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古今和歌集(こきんわかしゅう)

古今和歌集(こきんわかしゅう)
最初の勅撰和歌集で、三代集、八代集の一つ。
醍醐天皇の命により、紀貫之、紀友則、凡河内躬恒、壬生忠岑が撰者となった。
905年に命が下ったという説、完成したという説がある。
全20巻で、約1100首。
詠み人知らずの時代、六歌仙の時代、撰者の時代の歌がある。
歌の特徴は古今調(こきんちょう)といい、優美・繊細で理知的・技巧的とされている。
序には真名序と仮名序がある。
『古今集』(こきんしゅう)ともいう。

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古今和歌集仮名序(こきんわかしゅうかなじょ)

古今和歌集仮名序(こきんわかしゅうかなじょ)
古今和歌集の二つある序のうち仮名で書かれたもの。
作者は紀貫之。
和歌の歌論や成り立ちなどについて述べられている。

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古今和歌集真名序(こきんわかしゅうまなじょ)

古今和歌集真名序(こきんわかしゅうまなじょ)
古今和歌集の二つある序のうち真名(漢字)で書かれたもの。
作者は紀淑望とされる。
仮名序とほぼ同様の内容。

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遍昭(へんじょう)

遍昭(へんじょう)
816年-890年
平安時代前期の官人、僧、歌人。
六歌仙の一人。
俗名は良岑宗貞(よしむねのむねさだ)で、桓武天皇の孫。
849年に仁明天皇の蔵人頭となったが、翌年、天皇の死にあたって出家した。
天台宗の僧となり、京都の花山に元慶寺を開いた。
『遍昭集』を残し、『古今和歌集』などにも多くの和歌が載せられている。
885年に僧正となり、僧正遍昭ともいう。

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在原業平(ありわらのなりひら)

在原業平(ありわらのなりひら)
825年-880年
平安時代前期の官人、歌人。
六歌仙の一人。
阿保親王の子で、平城天皇の孫。
826年、兄らとともに在原朝臣を与えられた。
陽成天皇のときに右近衛権中将、蔵人頭となった。
『古今和歌集』などに、情熱的で詠嘆を特徴とする和歌を残した。
在五中将(ざいごちゅうじょう)とも称され、『伊勢物語』の主人公のモデルともされる。
惟喬親王(文徳天皇の子)に仕えたり、清和天皇の女御となる藤原高子と恋愛関係にあったなどの話が伝わった。

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文屋康秀(ふんやのやすひで)

文屋康秀(ふんやのやすひで)
平安時代前期の官人、歌人。
六歌仙の一人。
9世紀に地方や中央の下級の官職に就いていた。
『古今和歌集』などに和歌を残した。

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喜撰法師(きせんほうし)

喜撰法師(きせんほうし)
平安時代前期の僧、歌人。
六歌仙の一人。
出自や経歴は不詳。
宇治山に隠棲し、仙人になったと伝えられた。
『古今和歌集』に1首を残した。
後に、その名によって宇治山を喜撰山と言ったり、茶の銘柄として喜撰と名付けられたりもした。

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小野小町(おののこまち)

小野小町(おののこまち)
平安時代前期の女流歌人。
六歌仙の一人。
9世紀の後宮に出仕したとされるが、出自や経歴は不詳。
絶世の美女であったと伝えられた。
『古今和歌集』などに情熱的な和歌を残した。

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大友黒主(おおとものくろぬし)

大友黒主(おおとものくろぬし)
平安時代前期の官人、歌人。
六歌仙の一人。
9世紀に近江国滋賀郡の大領(郡司)だったとされる。
『古今和歌集』などに和歌を残した。
大伴黒主と表記されることもある。
様々な伝説があり、謡曲や歌舞伎の題材にもなった。

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紀貫之(きのつらゆき)

紀貫之(きのつらゆき)
868年?-945年
平安時代前期の官人、歌人。
三十六歌仙の一人。
下級貴族の出身で、国司などを歴任した。
905年に『古今和歌集』の撰者となり、仮名序を書いた。
930年に土佐守となり土佐国(高知県)へ赴き、935年に帰京した。
その際のことを『土佐日記』に著した。
『古今和歌集』では最も多くの和歌を残した。

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紀友則(きのとものり)

紀友則(きのとものり)
?-907年?
平安時代前期の官人、歌人。
三十六歌仙の一人。
紀貫之の従兄弟で、下級の官人だった。
905年に『古今和歌集』の撰者となったが、完成する前に死去した。

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凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)

凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)
?-925年?
平安時代前期の官人、歌人。
三十六歌仙の一人。
国司の掾・目を歴任。
905年に『古今和歌集』の撰者となった。
『古今和歌集』には紀貫之に次いで多くの歌を残した。

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壬生忠岑(みぶのただみね)

壬生忠岑(みぶのただみね)
平安時代前期の官人、歌人。
三十六歌仙の一人。
下級の官人だったが、和歌に対する評価は高かった。
905年に『古今和歌集』の撰者となった。

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