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2013-04

LCC元年3社の〝決算〟は

 昨日発売の週刊現代「ジャーナリストの目」で、格安航空(LCC)問題を取り上げました。昨年、あれだけ騒いだLCCのその後です。

 昨年3月1日、日本で初めての本格格安航空(LCC)として、ピーチ・アビエーションの第1便が就航してから1年余り経過した。そこから7月にジェット・スター・ジャパン、8月にはエアー・アジア・ジャパン、と立て続けにLCCが日本の空に誕生。「いよいよ日本もLCC時代の到来」とばかりに騒いだのは、記憶に新しいところだろう。ピーチは全日空(ANA)が設立した会社。エアー・アジアJは、マレーシアのエアー・アジアとANAが組んで旗をあげた。(中略)
 3社とも未上場企業なので、経理内容は非公開だが、ある航空関係者が意外な解説をする。
「1年目は3社とも間違いなく赤字でしょう。比較的好調のピーチは初期投資の回収までには至っていないし、エアー・アジアJやジェット・スターJは本国のシステムをそのまま使っている分、初期投資は少ないが、評判はいま一つ。なかなか日本人客をつかみ切れていないのが現状です」
 LCC3社は、それぞれ頭の痛い問題を抱えている。先行組のピーチは当初の関空・北海道、関空・九州路線をはじめ国内線はまずまずだが、国際線に乗り出し、苦戦している。
「韓国・仁川路線は韓国勢との価格競争で赤字。将来的に有望視してきた中国路線も、尖閣問題のあおりを食らい、まさに視界不良です」(同・航空関係者)
 また同じANAグループのエアー・アジアJでは、搭乗の注意書きが英語になっていたり、予約システムのコンピュータ検索が手間取ったりで、苦情が絶えない。かたやJAL系のジェット・スターJは新聞報道されている通り、運航トラブルが頻発。欠航が相次ぐ始末だ。挙句、整備士の経験不足を指摘され、所管官庁の国土交通省に厳重注意を受けてしまった。

 仙台空港にピーチが就航。どうなりますか。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)、「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)、「鬼才 伝説の編集人齋藤十一」など。最新刊「バブルの王様森下安道 日本を操った地下金融」(小学館)、「国商 最後のフィクサー葛西敬之」(講談社)

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