LCC元年3社の〝決算〟は
昨年3月1日、日本で初めての本格格安航空(LCC)として、ピーチ・アビエーションの第1便が就航してから1年余り経過した。そこから7月にジェット・スター・ジャパン、8月にはエアー・アジア・ジャパン、と立て続けにLCCが日本の空に誕生。「いよいよ日本もLCC時代の到来」とばかりに騒いだのは、記憶に新しいところだろう。ピーチは全日空(ANA)が設立した会社。エアー・アジアJは、マレーシアのエアー・アジアとANAが組んで旗をあげた。(中略)
3社とも未上場企業なので、経理内容は非公開だが、ある航空関係者が意外な解説をする。
「1年目は3社とも間違いなく赤字でしょう。比較的好調のピーチは初期投資の回収までには至っていないし、エアー・アジアJやジェット・スターJは本国のシステムをそのまま使っている分、初期投資は少ないが、評判はいま一つ。なかなか日本人客をつかみ切れていないのが現状です」
LCC3社は、それぞれ頭の痛い問題を抱えている。先行組のピーチは当初の関空・北海道、関空・九州路線をはじめ国内線はまずまずだが、国際線に乗り出し、苦戦している。
「韓国・仁川路線は韓国勢との価格競争で赤字。将来的に有望視してきた中国路線も、尖閣問題のあおりを食らい、まさに視界不良です」(同・航空関係者)
また同じANAグループのエアー・アジアJでは、搭乗の注意書きが英語になっていたり、予約システムのコンピュータ検索が手間取ったりで、苦情が絶えない。かたやJAL系のジェット・スターJは新聞報道されている通り、運航トラブルが頻発。欠航が相次ぐ始末だ。挙句、整備士の経験不足を指摘され、所管官庁の国土交通省に厳重注意を受けてしまった。
仙台空港にピーチが就航。どうなりますか。