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2013-04

朝鮮総連本部ビル落札に見る前歴

 本日発売のアサヒ芸能「森功のニッポン裏経済新聞」は在日本朝鮮人総連合会中央本部ビルの落札問題について書きました。

「ビルを残し、北朝鮮を含むアジア民族の融和の拠点にしたい」
 九州の怪僧は、どこかで聞いたようなコメントを残して3月26日、競売にかけられた在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部ビルを落札した。落札したのは、鹿児島県にある最福寺法主の池口恵観だ。(中略)
中央本部ビルに限らず、朝鮮総連の関係施設を巡っては、これまで日本の政府・金融当局が、しばしば煮え湯を飲まされてきた。バブル崩壊後、朝鮮総連系の金融機関である全国の旧朝鮮信用組合(朝銀)が軒並み経営破綻。朝銀が融資の担保になっていた多くの不動産が朝鮮総連の関係施設だった。
 90年代後半、日本政府は金融機関の不良債権処理の名の下、その旧朝銀にも1兆円もの公的資金を投入。ミレ信用組合やハナ信用組合などといった具合に看板を替え、債権放棄や借金の棒引きをした上、担保物件にとっていた総連関連施設を競売にかけていった。が、そこへ、競売の落札者として朝鮮総連の関係者や親密業者が登場。すると結局、日本の公的資金で借金が減り、グルっと回ってもとの総連の施設に戻るというアンバイになりかねない。
 その典型が、07年6月に起きた元公安調査庁長官、緒方重威による詐欺事件である。

 この話は民主党政権の下で進められてきたようにも伝えられていますが、自民はどう判断するでしょうか。なにしろ、緒方元長官の逮捕に踏み切ったのは、ほかならぬ前回の安倍政権時代の話ですから。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)、「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)、「鬼才 伝説の編集人齋藤十一」など。最新刊「バブルの王様森下安道 日本を操った地下金融」(小学館)、「国商 最後のフィクサー葛西敬之」(講談社)

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