自民県議「中傷許せぬ」　立花党首逮捕に　N党との参院会派には抗議

　斎藤元彦・兵庫県知事らの疑惑を県議会で調査していた元県議で、死亡した竹内英明さん（当時50歳）を中傷したとして、兵庫県警は9日、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者（58）を名誉毀損（きそん）の疑いで逮捕した。

　立花党首は昨年秋の出直し知事選で斎藤氏の再選を支援する「2馬力選挙」を目的に立候補。斎藤氏のパワハラ疑惑などについて調べる「県議会調査特別委員会（百条委）」で委員長を務めた奥谷謙一県議（自民党）らへの中傷を交流サイト（SNS）などで繰り返してきた。

　一方、自民は10月、参院でNHK党所属の斉藤健一郎参院議員と会派を結成した。自民が少数与党の現状を踏まえた参院での多数派形成の一環と考えられる。

　これに対し、兵庫県議会の自民県議団は党の松山政司・参院議員会長宛てに申し入れ書を送付し「斉藤議員がNHK党に所属したまま会派に参加することは、断じて受け入れがたい」と抗議した。自民県連も経緯の説明を求めた。

　自民県連幹事長を務める黒川治県議は9日、立花党首の逮捕を受け「正直驚いた。竹内さんや奥谷県議への誹謗（ひぼう）中傷は許せず、今後も注目していく」と述べた。自民党本部に対してさらに何らかの対応を求めるかは「未定」とした。【稲生陽】