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移民と社会

日本に住む外国人が増え、日本人にとっても外国人住民にとっても暮らしやすい社会をどう作っていくのか――。国内外の現場から伝えます。

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サバイバル日本語コースも 中国籍4割超の小学校で起きていること

日本語の苦手な児童の隣でサポートする女性支援員(右)=埼玉県川口市で24年10月10日、川上晃弘撮影
日本語の苦手な児童の隣でサポートする女性支援員(右)=埼玉県川口市で24年10月10日、川上晃弘撮影

 教室に設置されたモニター画面にはアニメ映画が映し出されていた。ウサギが歌い出すと、教室にいた児童も一緒に声を合わせて歌い始めた。

 担当の男性教諭が動画を止め、「今歌っていた言葉」を黒板に書くよう、女子児童に伝えた。

 チョークを握りながら、児童はゆっくり、「わたしはげんきです」と板書し、照れたような表情で席に戻った。

日本に住む外国人が増え、日本人にとっても外国人住民にとっても暮らしやすい社会をどう作っていくのか――。川口を舞台に、3回にわたって現場に迫ります。(全3回の第3回)
<対立もないけど交流もない 芝園団地の奇妙な静けさ>からつづく

 教室にいた児童は11人。外見は日本人と見分けがつかないが、机に張られたネームプレートを見ると、いずれも中国系であることが分かる。彼らは来日したばかりで、日本語はほとんど話せない。

 ここは芝富士小学校(埼玉県川口市)の日本語教室(サバイバルコース)である。同小では外国籍の児童が多いため、一般クラスとは別に日本語教室を設置し、集中的に語学を教えている。

 全校で289人の児童が在籍するが、そのうち4割以上を占めるのが中国人だ。

 「これほど外国人が多い学校は全国でもまれ」と市教委の担当者は言う。

 日本語が話せない児童が次々と入学してくるなか、同小の彼らに対する言語教育は体系的である。

 全く話せない子がまず入るのは、前出のサバイバルコ…

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