害虫駆除でトラブル急増　勝手にハチの巣駆除「代金172万円です」

　「玄関のハチの巣を駆除しました。代金は172万円です」。男性（73）は、まずは見積もりを取ってもらおうと呼んだ業者に、あれよあれよという間に作業を進められ、高額な料金を請求されてしまった。こうした害虫・害獣駆除サービスを巡るトラブルは急増しており、国民生活センターが注意を呼びかけている。

見積もりは2万5000円

　「お宅の周りにハチが飛んでいるよ」。2023年8月、東京都あきる野市の男性は近所の人から指摘された。ハチが数匹いたので殺虫スプレーで駆除した。だが、すぐに別のハチが飛んできたので、家の中に巣があるのかもしれないと思った。

　男性が住むのは築40年超の戸建て。近所の子どもたちが家の前を通ることもあり、危険だと感じた。駆除業者を探そうと、インターネットの仲介サイトで見積もりを依頼した。

　すると、一つの業者から「すぐに行きます」と電話があった。その日の夕方に現れたのは、気の優しそうな若い男性作業員。ワンボックスカーから降りてきた作業員に見積額を尋ねると、「2万5000円くらいかな」と言われた。

　男性は「そんなもんか」と言っただけで、駆除を依頼したつもりはなかった。だが作業員は「じゃあ始めますから」と言い、すぐに玄関の天井板に穴を開けた。

　天井裏には直径約30センチのハチの巣があった。作業員に「巣に煙を吹きかけるので危ないから、家の奥に引っ込んでいてほしい」と言われ、その後の作業の様子は見せてもらえなかった。

「払わないなら家に行く」

　作業が終わったのは午後10時過ぎ…