ホンダ日産の経営統合に死角あり 「水と油」社風の違い越えられるか

隣同士に並ぶホンダと日産のディーラー=青森市で2024年12月19日、松本信太郎撮影
隣同士に並ぶホンダと日産のディーラー=青森市で2024年12月19日、松本信太郎撮影

 ホンダと日産は経営統合を目指し、協議を進めることで合意した。ただ両社は乗用車が事業の中心で、海外展開する国も重なっている。統合効果を生み出すには重複する投資や管理体制の見直しなど、多くの課題が横たわっている。

社名は維持か

 今回、両社は持ち株会社を設立し、その傘下に入ることを決めた。ホンダと日産は会社名や法人格を維持したまま事業を続けることになる見通しだ。

 ホンダと日産はともに、古い歴史と知名度がある。それぞれに多くのファンもおり、持ち株会社方式により、両社のブランド力を維持し、これまでの顧客基盤などを維持したい考え。ただ、傘下のホンダ、日産の各社の自主性を重んじ過ぎるとグループ化による相乗効果が発揮しにくくなる懸念がある。

 日産は経営の中枢にいる役員など経営幹部の人数がトヨタ、ホンダと比べて多く、その人数は常務執行役員も含め50人以上。意思決定が遅く、経営悪化の一因になっているとされる。

 日産は内田誠社長が2019年に就任後、新型コロナウイルスの発生に伴う急激な需給の増減に対応できず、何度も収益改善策を出す事態に見舞われた。「統合後はホンダが主体的に経営を担うことが必要になる。そうでなければ統合は成功しないのではないか」(自動車アナリスト)と指摘する。

重複する拠点や市場

 両社の統合形式やガバナンス(企業統治)の問題のほかにも課題がある。その大きな一つが…

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