サーロー節子さん「日本政府は背を向けるな」 核廃絶実現まで歩み止めない
毎日新聞
2021/1/16 17:30(最終更新 1/18 09:47)
有料記事
1612文字
広島市出身でカナダ・トロント在住の被爆者、サーロー節子さん(89)。原爆を投下した米国に留学してから60年以上、海外で恐怖や苦痛に耐えながら体験を語り、ヒロシマの思いを訴えてきた。あの日から75年かかって核兵器禁止条約の発効にこぎ着けた今、「達成感でいっぱい」と言う。だが、核保有国だけでなく、日本など核の傘に依存する国々は条約に背を向けたままだ。核兵器の「禁止」から「廃絶」へ。命の尊厳が守られる世界が実現するまで、歩みを止めるつもりはない。【聞き手・賀有勇】
「平たんではなかった道のり」
核兵器禁止条約の発効によって核兵器が国際法上違法になり、「絶対悪」という概念が世界中に広まる。ここまで被爆から75年かかった。平たんではなかった道のりを思うと達成感でいっぱいだ。
米軍が広島に原爆を投下した1945年8月6日、13歳で女学校に通っていた私は爆心地から1・8キロ、学徒動員先の軍司令部で被爆し、9人の親族を亡くした。学童疎開で広島を離れている間に原爆で両親を失い、孤児になった子どもも多かった。孤児を支援するキリスト教会の関係者らに刺激を受け、大学卒業後の54年、社会福祉を本格的に学ぶため、米国へ留学した。
その年、南太平洋ビキニ環礁で…
この記事は有料記事です。
残り1089文字(全文1612文字)
【時系列で見る】
-
核兵器禁止条約、あす発効 記念3行事、ウェブ視聴を /広島
1433日前 -
歌手・クミコさん 「核兵器は明日奪う 被爆者からのバトンを世界へ」
1434日前 -
核禁条約批准しない日本 国際社会を失望させた
1434日前 -
核禁条約22日発効 批准国に激励手紙 高校生平和大使が122カ国・地域へ /長崎
1435日前 -
核禁条約22日発効 横断幕掲げ歓迎 県原水協「核兵器の終わりの始まり」 /長崎
1435日前 -
核禁条約22日発効 核兵器のない未来を 長崎・広島にゆかりの若者 著名人の声をネットで配信 /長崎
1435日前 -
核禁条約発効へ 広島市長「廃絶へのうねりに」 長崎市長「世界常識転ずる年に」
1435日前 -
映画「この世界の片隅に」片渕須直監督 「パリ不戦条約の失敗、繰り返すな」
1436日前 -
トランプ氏で見えた核ボタンのリスク ICAN委員が語る「次の一手」
1437日前 -
サーロー節子さん「日本政府は背を向けるな」 核廃絶実現まで歩み止めない
1438日前 -
石田純一さん「みんなで考えよう ずっと『平和ボケ』でいられるように」
1439日前 -
水爆実験が残したもの マーシャル諸島で暮らした映画監督が伝えたいこと
1440日前 -
「核のボタンを持つ為政者 変えるのは市民」 元駐ブルガリア大使・小泉崇さん
1441日前 -
原爆が一瞬にして奪い去ったものとは 投下前の暮らしの写真のカラー化に挑む大学生の思い
1442日前 -
「米国が憎い」と言わなかった被爆者の父 米在住の臨床心理医が今伝えたいこと
1443日前 -
「核保有は悪」良心に照らし声上げる時だ 長崎で被爆した美輪明宏さん
1444日前 -
遠い廃絶 私たちは現実とのギャップをどう乗り越えればいいのか
1446日前 -
核禁止条約参加「意見書」を可決 綾部市議会 /京都
1462日前 -
核廃絶を訴え集会 原水禁県民会議 被爆者ら180人参加 長崎 /長崎
1463日前
関連記事
あわせて読みたい
' +
'
' +
'' + csvData[i][2] + '
' + '' +
'' + listDate + '' +
'
' +
'