『The River』2・21 マチネ
@東京芸術劇場シアターイースト
3方を客席が囲む
薄暗い小屋。
テーブルと3脚の椅子
仕切りの外
細い水道
水受けのバケツ
開演前 照明は床に
ゆらめく水の流れを写し
白い魚影を映し出す
女が窓の外を見て男を呼ぶ。
呼ばれた男は 釣りに行く準備を
していて女の話を聞いてはいない。
一緒にいく心つもりのようだ。
初めて魚を釣り上げた時の
衝撃を熱く語る。
女は実は釣りは嫌いだと
父の記憶から話だし・・・
昨日も付き合って日焼けで辛いから
行かないと言い出す。
二人の会話が 互いの思いを出したり
ひっこめたり 聞いているようで
聞いていなかったり 微妙な
会話がリアル。
暗転後 男と女の会話は
続くが、女が入れ替わっている。
また別のシーンでは前の女が
戻っている、
女の反応は・・ちょっと違い
やはり別の女性になる度に
時が交錯しているのか。
父親と釣りの経験がある事を
話さずにいた女
二人で釣りに行き
はぐれた先で 他の男と
親しくなり教わりながら
魚を釣り上げて帰って来る女。
女の釣ってきた魚は
密漁を疑われる場所
方法で釣り上げたものだった。
男は・・釣りを教えてくれた男に
嫉妬を見せながらも
魚を料理して 女と共に
食べ始める。
女へのプレゼント
一人目の女にも
二人目の女にも
同じセリフで渡す男
不思議な作品。
男と女の紡ぐ時間は
舞台では順次入れ替わるけれど
男の持った恋人との濃密な時間を
客席に伝えてくれる。
男の時は・・・繰り返しながら
過ぎて行く。
出演
男・・・・・岡本健一
女・・・・・南沢奈央
女2・・・・・鬼頭典子
女3・・・森尾舞 (敬称略)
上演時間
1時間30分 休憩なし。
岡本さん ほぼ出ずっぱり
女 そして女2は
入れ替わり 立ち代わり
男との時間を生きて・・
去ってゆく
女は 二人だけではなく
3人目の女も
同じシチュエーションで登場
3人目の女の登場は
ラスト近く わずかな時間だけ。
女たちは 釣られた魚のように
通じあわない感情を垣間見せ
水の世界に戻って行ってしまうのか。
魚を釣り上げるように女との時間を
作ろうと幻の女を求める男、
年老いてゆく男の姿。
どこまでが現実で
どこから 男の空想なのか?
一気に駆け抜ける
濃密な舞台空間でした。
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