トヨタ剰余金12.8兆円
08年4―12月期連結業績 0.07%で雇用守れる
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トヨタ自動車は六日、二〇〇八年四―十二月期の連結業績を発表しました。それによると、内部留保の一部である剰余金は十二月末で約十二兆八千億円あることが分かりました。トヨタは、三月までに期間従業員三千人を削減する計画ですが、内部留保のごく一部を活用するだけで、雇用を維持することは十分可能です。
トヨタの昨年十二月末の利益剰余金は、約十二兆三千億円、資本剰余金は約五千億円でした。剰余金合計は、五年前の〇三年十二月末比で約四兆三千億円増え、一・五倍です。
トヨタの期間従業員の日給は約一万円。二交代制の手当を含め年収約三百万円(残業代除く)です。年間九十億円で三千人の雇用は守れます。九十億円は剰余金の0・07%分にすぎません。五年前と比べた剰余金増加分の0・2%分です。
トヨタは同日、〇九年三月期の連結業績予想を下方修正し、営業損益の赤字幅が四千五百億円に拡大すると発表しました。海外での販売不振とともに、国内経済の「雇用・所得環境の悪化」(決算資料)による景気の急速な悪化を下方修正の要因に挙げています。体力はあるトヨタが「非正規社員切り」の先頭に立つことは、景気悪化の悪循環を加速させることになります。
(出所:日本共産党HP 2009年2月7日(土)「しんぶん赤旗」)
トヨタ内部留保13兆円
正社員化 財源は十分
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金融バブル、住宅バブルによって演出されたアメリカの好景気のもとで、アメリカむけ輸出を急増させてきたトヨタや日産など日本の自動車メーカーが、輸出が不振になるといって、いっせいに非正社員の「首切り」計画を発表しています。
非正規8万人超
これまでトヨタなど自動車メーカーは、非正社員を低賃金で酷使し、大もうけしてきました。たとえば、トヨタ本体の正社員の平均賃金は八百三十万円です。期間社員は、二百二十~二百五十万円です。期間社員は正社員と同じ生産ラインで働いています。
トヨタが期間社員などを大々的に導入したのは二〇〇三年からです。〇八年までに、トヨタ本体で八千人から一万八千人へと二・二倍以上に増やし、トヨタグループ全体でも、四万人から八万七千人へと、二・一倍以上になっています。
そのなかでトヨタグループは、経常利益を大幅に伸ばしました。内部留保(隠し利益)は、〇三年度の九兆五千億円から〇七年度の十三兆九千億円へと、一・五倍近くも増やしています。非正社員の汗と涙で積み増しした内部留保です。
こんなに内部留保を増やしながら、その最大の“源泉”となってきた期間社員を減益が見込まれるといって、放り出すようなやり方は許されるものではありません。
派遣や期間社員などの非正社員を正社員化すれば、雇用が安定・拡大し、内需を拡大することにつながります。それは、「内需主導での経済成長」にとって不可欠の課題です。労働総研の試算では、正社員になりたいと考える派遣社員など三百六十三万人の非正社員を正社員化すれば、五兆円近くの消費需要を増やし、GDP(国内総生産)を0・8%押し上げます。選挙目当ての二兆円のばらまき「定額給付金」のGDP押し上げ効果は0・1%といわれていますから、その八倍もの効果があります。
非正社員の正社員化は、経営者がやる気になればできることです。段ボールメーカーのレンゴーが千人の派遣労働者を正社員化する方針を打ち出しました。レンゴーの経営指標をみると、経常利益は、百億円、内部留保は千二百億円です。社員(一万人)一人当たり内部留保は千二百万円です。派遣社員(千人)を正社員化することによって、社員一人当たり内部留保は千百万円に減少します。
レンゴーは、「安定生産継続に向け正社員にすることで要員を確保する」として、「人件費は年間数億円増える見通しだが、士気向上で生産効率向上につなげる」としています。
経営の危ぐなし
トヨタの連結子会社レベルで非正社員の正社員化をしても、レンゴーと比較して、経営になんの問題もないことは、経営指標が示しています。トヨタグループ全体の内部留保は十三兆九千億円です。社員(三十一万六千人)一人当たり内部留保は四千四百万円です。レンゴーの四倍近くです。派遣・期間社員など非正社員(八万七千人)全員を正社員化しても、社員(四十万三千人)一人当たり内部留保は三千四百五十万円もあります。経営が危うくなる危ぐはまったくありません。
非正社員の正社員化をはかる財源は、トヨタの例にも見られるように大企業には十分あります。
労働総研の試算では、三百六十三万人の非正社員を正社員化するために必要な賃金増加額は、八兆円ですが、大企業の内部留保二百二十八兆円の3・5%をはき出せば可能です。日本の大企業は今こそ、雇用を守る社会的責任をはたすべきです。(日本共産党国民運動委員会労働チーム 藤田宏)
(出所:日本共産党HP 2008年11月20日(木)「しんぶん赤旗」)
大企業がため込む内部留保とは?
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〈問い〉 「経営危機」だといいながら巨額の内部留保をため込む大企業があると聞きましたが、内部留保とはどんなものですか (岡山・一読者)
〈答え〉 内部留保とはひとことで言えば企業がさまざまな名目でため込んでいる利益のことです。日本の大企業は、商法や法人税法、租税特別措置法などで、さまざまな合法的なため込みの項目がみとめられ、欧米にくらべても異常に多いことが指摘されています。
代表的な項目としては▽企業の利益(税引前当期利益)から税金、配当金、役員報酬などを差し引いた部分をあてる「利益準備金」や、「任意積立金」などの剰余金▽株式の発行価額と額面金額との差益などをあてる「資本準備金」▽将来見込まれる費用や損失に備えるのがたてまえの「退職給与引当金」「修繕引当金」などの各種引当金・準備金―があります。
たとえば引当金や準備金は、運用実態とかけ離れた額の積み立てが認められ、かなりの部分がため込み資産となっていることが指摘されています。
これらの合計は欧米では考えられない膨大な額です。毎年調査している全国労働組合総連合(全労連)の「検証・大企業の内部留保」では、二〇〇〇年三月期決算時の主要四百二十七社の内部留保総額は、百二兆三千億円。大蔵省「法人企業統計年報」「季報」をもとにすると、金融・保険を除く資本金十億円以上の全企業の内部留保は、バブル崩壊後も増え続け、二〇〇〇年度は百七十三兆円でした。
これらの内部留保は、労働基準法違反のサービス残業をはじめ低賃金と長時間過密労働、下請けいじめによって生み出されたものです。内部留保のごく一部をふり向けるだけで、賃上げや労働時間の短縮、雇用創出など、労働条件をただし、向上させることができます。ため込み利益を温存しながら、不況や国際競争、「高賃金」などの口実でリストラや賃下げを強要するのは横暴勝手そのものです。
(出所:日本共産党HP 2002年3月13日(水)「しんぶん赤旗」)
08年4―12月期連結業績 0.07%で雇用守れる
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トヨタ自動車は六日、二〇〇八年四―十二月期の連結業績を発表しました。それによると、内部留保の一部である剰余金は十二月末で約十二兆八千億円あることが分かりました。トヨタは、三月までに期間従業員三千人を削減する計画ですが、内部留保のごく一部を活用するだけで、雇用を維持することは十分可能です。
トヨタの昨年十二月末の利益剰余金は、約十二兆三千億円、資本剰余金は約五千億円でした。剰余金合計は、五年前の〇三年十二月末比で約四兆三千億円増え、一・五倍です。
トヨタの期間従業員の日給は約一万円。二交代制の手当を含め年収約三百万円(残業代除く)です。年間九十億円で三千人の雇用は守れます。九十億円は剰余金の0・07%分にすぎません。五年前と比べた剰余金増加分の0・2%分です。
トヨタは同日、〇九年三月期の連結業績予想を下方修正し、営業損益の赤字幅が四千五百億円に拡大すると発表しました。海外での販売不振とともに、国内経済の「雇用・所得環境の悪化」(決算資料)による景気の急速な悪化を下方修正の要因に挙げています。体力はあるトヨタが「非正規社員切り」の先頭に立つことは、景気悪化の悪循環を加速させることになります。
(出所:日本共産党HP 2009年2月7日(土)「しんぶん赤旗」)
トヨタ内部留保13兆円
正社員化 財源は十分
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金融バブル、住宅バブルによって演出されたアメリカの好景気のもとで、アメリカむけ輸出を急増させてきたトヨタや日産など日本の自動車メーカーが、輸出が不振になるといって、いっせいに非正社員の「首切り」計画を発表しています。
非正規8万人超
これまでトヨタなど自動車メーカーは、非正社員を低賃金で酷使し、大もうけしてきました。たとえば、トヨタ本体の正社員の平均賃金は八百三十万円です。期間社員は、二百二十~二百五十万円です。期間社員は正社員と同じ生産ラインで働いています。
トヨタが期間社員などを大々的に導入したのは二〇〇三年からです。〇八年までに、トヨタ本体で八千人から一万八千人へと二・二倍以上に増やし、トヨタグループ全体でも、四万人から八万七千人へと、二・一倍以上になっています。
そのなかでトヨタグループは、経常利益を大幅に伸ばしました。内部留保(隠し利益)は、〇三年度の九兆五千億円から〇七年度の十三兆九千億円へと、一・五倍近くも増やしています。非正社員の汗と涙で積み増しした内部留保です。
こんなに内部留保を増やしながら、その最大の“源泉”となってきた期間社員を減益が見込まれるといって、放り出すようなやり方は許されるものではありません。
派遣や期間社員などの非正社員を正社員化すれば、雇用が安定・拡大し、内需を拡大することにつながります。それは、「内需主導での経済成長」にとって不可欠の課題です。労働総研の試算では、正社員になりたいと考える派遣社員など三百六十三万人の非正社員を正社員化すれば、五兆円近くの消費需要を増やし、GDP(国内総生産)を0・8%押し上げます。選挙目当ての二兆円のばらまき「定額給付金」のGDP押し上げ効果は0・1%といわれていますから、その八倍もの効果があります。
非正社員の正社員化は、経営者がやる気になればできることです。段ボールメーカーのレンゴーが千人の派遣労働者を正社員化する方針を打ち出しました。レンゴーの経営指標をみると、経常利益は、百億円、内部留保は千二百億円です。社員(一万人)一人当たり内部留保は千二百万円です。派遣社員(千人)を正社員化することによって、社員一人当たり内部留保は千百万円に減少します。
レンゴーは、「安定生産継続に向け正社員にすることで要員を確保する」として、「人件費は年間数億円増える見通しだが、士気向上で生産効率向上につなげる」としています。
経営の危ぐなし
トヨタの連結子会社レベルで非正社員の正社員化をしても、レンゴーと比較して、経営になんの問題もないことは、経営指標が示しています。トヨタグループ全体の内部留保は十三兆九千億円です。社員(三十一万六千人)一人当たり内部留保は四千四百万円です。レンゴーの四倍近くです。派遣・期間社員など非正社員(八万七千人)全員を正社員化しても、社員(四十万三千人)一人当たり内部留保は三千四百五十万円もあります。経営が危うくなる危ぐはまったくありません。
非正社員の正社員化をはかる財源は、トヨタの例にも見られるように大企業には十分あります。
労働総研の試算では、三百六十三万人の非正社員を正社員化するために必要な賃金増加額は、八兆円ですが、大企業の内部留保二百二十八兆円の3・5%をはき出せば可能です。日本の大企業は今こそ、雇用を守る社会的責任をはたすべきです。(日本共産党国民運動委員会労働チーム 藤田宏)
(出所:日本共産党HP 2008年11月20日(木)「しんぶん赤旗」)
大企業がため込む内部留保とは?
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〈問い〉 「経営危機」だといいながら巨額の内部留保をため込む大企業があると聞きましたが、内部留保とはどんなものですか (岡山・一読者)
〈答え〉 内部留保とはひとことで言えば企業がさまざまな名目でため込んでいる利益のことです。日本の大企業は、商法や法人税法、租税特別措置法などで、さまざまな合法的なため込みの項目がみとめられ、欧米にくらべても異常に多いことが指摘されています。
代表的な項目としては▽企業の利益(税引前当期利益)から税金、配当金、役員報酬などを差し引いた部分をあてる「利益準備金」や、「任意積立金」などの剰余金▽株式の発行価額と額面金額との差益などをあてる「資本準備金」▽将来見込まれる費用や損失に備えるのがたてまえの「退職給与引当金」「修繕引当金」などの各種引当金・準備金―があります。
たとえば引当金や準備金は、運用実態とかけ離れた額の積み立てが認められ、かなりの部分がため込み資産となっていることが指摘されています。
これらの合計は欧米では考えられない膨大な額です。毎年調査している全国労働組合総連合(全労連)の「検証・大企業の内部留保」では、二〇〇〇年三月期決算時の主要四百二十七社の内部留保総額は、百二兆三千億円。大蔵省「法人企業統計年報」「季報」をもとにすると、金融・保険を除く資本金十億円以上の全企業の内部留保は、バブル崩壊後も増え続け、二〇〇〇年度は百七十三兆円でした。
これらの内部留保は、労働基準法違反のサービス残業をはじめ低賃金と長時間過密労働、下請けいじめによって生み出されたものです。内部留保のごく一部をふり向けるだけで、賃上げや労働時間の短縮、雇用創出など、労働条件をただし、向上させることができます。ため込み利益を温存しながら、不況や国際競争、「高賃金」などの口実でリストラや賃下げを強要するのは横暴勝手そのものです。
(出所:日本共産党HP 2002年3月13日(水)「しんぶん赤旗」)