摂大乗論とは? わかりやすく解説

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しょうだいじょうろん〔セフダイジヨウロン〕【摂大乗論】

読み方:しょうだいじょうろん

大乗論書北インド無着(むじゃく)著。後魏仏陀扇多2巻(りょう)の真諦3巻、唐の玄奘(げんじょう)訳3巻、隋の達摩笈多訳があり、チベット語訳もある。唯識説に基づき大乗仏教全体整然と組織だてて示したもの。摂論(しょうろん)宗の根本聖典とされた。


摂大乗論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/05 00:34 UTC 版)

摂大乗論』(しょうだいじょうろん、旧字体攝大乘論: Mahāyāna-saṃgraha, マハーヤーナ・サングラハ)は、北インド大乗仏教僧侶無著5世紀頃に執筆した唯識の論書。

無着までの大乗仏教の教義をまとめたもので、『大乗阿毘達磨経』・『解深密経』・『十地経』・『般若経』が引用されている。中国ではこれを論拠として「摂論宗」が誕生した。

構成

全部で11章からなる。

  • 総標綱要分第一
  • 所知依分第二
  • 所知相分第三
  • 入所知相分第四
  • 彼入因果分第五
  • 彼修差別分第六
  • 増上戒学分第七
  • 増上心学分第八
  • 増上慧学分第九
  • 果断分第十
  • 彼果智分第十一

関連書

注釈について

本論に関する注釈については、インドに於いては無著の弟の世親によるものと、無性によるものとがある。

解説書について

本論の解説書として、以下が著されている。

  • チベットに於いては、『秘義分別摂疏』
  • 中国に於いては、『摂大乗論義疏』(真諦著)

また、注釈書に対しての解説書が『摂大乗論釈略疏』(普寂著)として著されている。

翻訳について

論自体の翻訳本としては、仏陀扇多訳2巻・真諦訳3巻・玄奘訳3巻の漢訳3種と、チベット語訳1種の計4種がある。

注釈書の翻訳本としては以下がある。

  • 世親の注釈書には、真諦訳12巻・達磨笈多訳10巻・玄奘訳10巻・チベット語訳の計4種。
  • 無性の注釈書には、玄奘訳10巻とチベット語訳の計2種。

日本語訳

  • 長尾雅人『摂大乗論―和訳と注解 (上) (インド古典叢書)』、講談社、1982年6月 ISBN 978-4061437821
  • 長尾雅人『摂大乗論―和訳と注解 (下) (インド古典叢書)』、講談社、1987年4月 ISBN 978-4061437845

参考文献

  • 佐々木月樵 『攝大乘論 - 漢譯四本對照』 萠文社・臨川書店
  • 宇井伯寿 『摂大乗論研究』 岩波書店。
  • 長尾雅人 『摂大乗論 - 和訳と注解』上・下、講談社。
  • 岡野守也羽矢辰夫 『摂大乗論 - 現代語訳』 コスモス・ライブラリー。
  • 上田義文 『摂大乗論講読』 春秋社 1982年、新装版2004年
  • 勝呂信静、下川辺季由校註 玄奘訳『新国訳大蔵経 摂大乗論釈』 <瑜伽・唯識部11>大蔵出版、2007年

関連項目




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