警察の実態を映し出す証拠映像
10月26日に渋谷から麻生首相の私邸までのウォーキングツアーを実施した若者グループの3人が警察に突然逮捕された。このことは、昨日付記事「麻生首相非正規雇用労働者蔑視発言ほか」で伝えた。
TBSがニュース報道した内容は以下の通り
「麻生首相宅を見学」と称し無届けデモ
26日午後、東京・渋谷で、麻生総理の自宅を見学するツアーと称して無届のデモ行進が行われ、参加者の男3人が警視庁公安部に逮捕されました。
26日午後4時頃、「渋谷区にある麻生総理の自宅を見よう」という、ネットなどでの呼びかけに集まった市民グループおよそ50人がハチ公前から行進を始めました。
しかし、事前に集会やデモ行進の申請をしていなかったため、警視庁公安部は市民活動家の男1人を逮捕、さらに、それを妨害しようと警察官に暴行するなどした男2人を公務執行妨害の現行犯で逮捕しました。
公安部は、再三警告を行ったにもかかわらず、行進などを行ったとしています。
(26日20:00)
このニュース報道の末尾に、以下の表現がある。
「公安部は、再三警告を行ったにもかかわらず、行進などを行ったとしています。」
警察発表では、無届けのデモであるので、中止するように再三警告したが、市民グループは警告を無視してデモを実施したため逮捕したということになる。
ところが、若者の市民グループはウォーキングツアーを始める前に、警察と話をし、警察も了解を与えていたことが明らかになった。
「低気温のエクスタシーbyはなゆー」様、「カナダde日本語」様、「雑談日記(徒然なるままに、。)」様をはじめ、多くの方が動画を提供してくださっている。
若者たちが警官グループにウォーキングの内容を説明して、了解を得ている場面がビデオに撮影されていた。
「低気温のエクスタシーbyはなゆー」様が提供してくださった動画から、若者グループが警察の了解を得ている場面をご高覧いただきたい。
ところが、この後、ウォーキングツアーを開始しようとした若者グループが突然逮捕された。
若者グループは警察と協議し、車道を歩かないことなどの了解を取り、警察もウォーキングを認めている。
同じく「低気温のエクスタシーbyはなゆー」様が提供してくださった逮捕場面である。
先頭を歩く若者に手前横から帽子をかぶった男性が近づき、そのままぶつかった途端に逮捕されている。その後「こうぼうだ!こうぼうだ!」と叫び、「逮捕しろ!」と叫んでいる男性が公安の私服警官であると見られている。「こうぼう」とは「公妨」=「公務執行妨害」のことである。
若者が警官に暴力を振るった形跡はまったくない。公安職員と思われる帽子をかぶった男性が、一方的に男性に接近し、接触した直後に「逮捕」の怒声が飛び交っている。
若者が警察に拘束されようとするところ、同僚メンバーが必死に助け出そうとした。ところが、左からライトブルーのYシャツにグレーのベスト、肩からカメラらしきものを提げた男性が走って体当たりして、拘束した男性を助けようとする同僚から切り離した。この男性も公安職員なのだろう。
若者が警官と話をしている動画を見たとき、私はすぐに逮捕の動画に登場する公安職員と見られる男が画面右奥に映っていることに気付いた。警官の了解を得てウォーキングを始める場面から、公安職員は把握していたのである。若者が警官と協議している動画を改めて確認していただきたい。
このことを「雑談日記(徒然なるままに、。)」様が詳しくブログで解説してくださっている。
(追記)「KNのブログ」様がウォーキングツアー先頭の若者に接触した防止をかぶった男性、「公妨」と叫び逮捕を指示した男性、仲間を救出しようとした同僚に体当たりしたライトブルーのYシャツとグレーのベストの男性が相談しながら歩く動画を掲示くださいましたので、その動画にリンクを張らせていただきます。これで、全体の流れが非常によく分かります。(追記ここまで)
これらの一連の経過をたどると、TBSほかマスメディアが報道している内容と、真実には「天地の開き」が存在していることがよく分かる。
TBS報道は「再三警告を行ったにもかかわらず、行進などを行った」と報道している。この報道が、ぎりぎりのところで救われるのは、「公安部は・・・としています」と表現していることだ。
メディア報道の大きな問題は、警察当局の発表をそのまま垂れ流すことだ。何も知らない一般国民は、垂れ流された情報をそのまま鵜呑みにしてしまう。
しかし、警察は一般に想定されているような善良な存在ではない。私は深くその真実を知っている。私が巻き込まれた冤罪(謀略?)事件では、私の無実潔白を証明する決定的証拠であった防犯カメラ映像が警察によって消去されてしまったが、今回の渋谷事件では、決定的証拠を市民が撮影していたため、真実を広く国民に知らせることができる。
渋谷のウォーキングツアーの事例でも、若者は警察と協議し、警察の了解を得たうえでウォーキングツアーを開始しているのだ。「再三警告を行ったにもかかわらず、行進をした」との公安部の説明は、現在得られている動画情報などから得られる状況とは、明らかに食い違っている。
若者はこうした経緯を経て「逮捕」されている。「逮捕」は基本的人権である「身体の自由」を奪う、極めて重大な国家権力の行使である。渋谷の事例が不当逮捕であるなら、国民の生活の安全を守るはずの警察権力が、極めて重大な人権侵害を犯していることになる。
この動画を広く流布する必要がある。警察の行動の一端を国民が知ることが可能になる。警察は権力に迎合し、不当に権力を行使する存在であるとの仮説を、これらの動画は説得力をもってわれわれに迫る。
「雑談日記(徒然なるままに、。)」様が主張されるように、野党はこの問題を重大な問題として国会で取り上げるべきである。渋谷警察署の警官と公安警察が事前に連絡し、ウォーキングツアーを実施させるように仕向けたうえで逮捕した可能性もある。
マスメディアは続報をまったく伝えないが、日本の民主主義、警察の実態を知るうえで、この問題は極めて重要である。特別公務員暴行凌虐罪の適用も含めて、事件の徹底的な検証が求められる。
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