第25回KOBEブッククラブ(読書会)ご報告
1年ぶりに参加者が会場で顔を合わせてのブッククラブを開催しました。
初めて参加してくださる大学生の方を迎え、ちょっと緊張しました。
日時:2021年11月6日(土)
15:00~17:00
会場:兵庫県立生活創造センター
テーマはマスク。 参加者は5名でした。
会場は1年前と同じ生活創造センターです。ひとりひとりの間にアクリル板が設置され、アルコールでの消毒も施し、感染対策をします。ドアを開け放しているので、声が漏れてご迷惑をかけたかもしれません。ごめんなさい。
当日紹介された本たちです。
今回のテーマには苦戦したと話す参加者もいましたが、多くの本たちが集まりました。
テーブルの上にある「マスク着用のお願い」とともに・・・。
・まねが育むヒトの心
(明和政子著)岩波ジュニア新書
・マスク(福井智作 林なつこ絵)童心社
・ディズニー手作りマスク
(佐々木公子著)レディブティックシリーズ
・手作りマスク(寺西英里子著)日東書院
・オペラ座の怪人
(ガストン・ルルー作 平岡敦訳) 光文社文庫
・文豪と感染症(永江朗編)朝日新聞出版 より
・マスク(菊池寛作)
・流行性感冒(志賀直哉作)
・流行性感冒と石(「和解」所収)(志賀直哉作)新潮社
・べにはこべ(B・オルツィ作 村岡花子訳)河出書房新社
・紅はこべ(オークシィ作 中田耕治訳)河出書房新社
・他人の顔(安倍公房著)新潮文庫
・ワイルドフェル・ホールの住人
(アン・ブロンテ作 山口弘恵訳)みすず書房
・ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
(ブレイディみかこ著) 新潮社
・ダブル(深町秋生作)幻冬舎文庫
・蘭陵王(「鍵のかかる部屋」所収)
(三島由紀夫作)新潮文庫
・鉄仮面(黒岩涙香作)旺文社文庫
・赤死病の仮面(E・A・ポオ作 田中西二郎訳)創元推理文庫
Zoom開催もいいのですが、直接顔を会わせるとやはり話が弾みます。
大正8年に神戸市立図書館の蔵書に加えられた、100年以上前の本をみんなで実際に見ることができるのは、ここにいるからですものね。そして「こんなに古い本も所蔵していて普通に貸し出してくれる図書館すごい!」という話に・・・。訳者が違うと固有名詞も変わるのよね、なんて話も図書館で複数の訳者の作品を読めるからこそです。
(1919年刊の「和解」はカーリルではヒットしませんでした。神戸市立中央図書館の書庫に所蔵されています)
黒岩涙香の鉄仮面(昭文社文庫)は神戸市立図書館に所蔵されていないようですが、明治文學全集 47 黒岩涙香集に収めらており中央図書館にあります。
コロナ禍でのマスクが子どもたちに与える影響は少なからず感じていますが、
改めて科学的根拠を示されると、暗澹たる思いがします。
昨年のマスク不足の折りには、しばらく振りのミシンが結構楽しかったことも思い出しました。
いつかは来ると予想していたパンデミック。100年前のスペイン風邪のときのことは多くの作家が書き残しています。うちが何年も前からマスクやアルコールを備蓄していたのは、その作家たちのお陰です。
想像していたのとは違うことも多々ありますが、人のすること、考えることは100年経ってもあまり変わらないようです。
他人の顔になって違う人生を歩む・・・安倍公房と深町秋生という新旧の作家が描く世界を堪能できるのも読書の醍醐味でしょうか。安倍公房好きが何人もいてほかの作品の話題も出ました。最近の若い方は安倍公房を知らない人が多そうですね。
マスクからの連想で出てきたのは「仮面」。自分がどんな人物か、いったい誰なのかを隠してしまう仮面。隠すことで現れる本質もありそうです。
女性だということを隠さないと作品を発表できなかった時代。仮面作家の数々も話題に上りました。
最後に前回紹介された本にどっぷりつかってしまった話が出たことも付け加えておきますね!
難しいと思われたテーマ「マスク」。開いてみるとこのとおり。皆さんの想像力に脱帽です。
次回は来年3月。テーマは愛です。大きなテーマにどんな本が集まるのか楽しみです。
紹介された本は図書館蔵書検索サイト「カーリル」の図書館ネットのページにある“読みたいリスト”に載せています。そのリストから簡単に神戸市立図書館の蔵書検索サイトに移れて蔵書状況がすぐにわかります。過去のブッククラブでの紹介本は“読んだリスト”に移動しています。こちらもワンクリックで蔵書検索ができます。初めての本、初めての作家に出会うためにもご利用ください。
(申し訳ありませんが、IDおよびログインパスワードは図書館ネット会員のみにお知らせしています)
参加者感想
・「本好き」が集まってくださったことを堪能でき、自分になかった本の知識が増えました。
読んだつもりにならないようチャレンジします。
・選書をする過程での迷い道、寄り道はこれまで以上でしたが、コロナ禍のマスクについてのネットニュースを基にして納得できる本に出合いました。参加に皆さまに感謝します。
・久々の対話での読書会で話も弾み良かったです。
「マスク」と言うテーマは難しいと言われていましたがなんやかんやでたくさんの本が出てきました。
・フランス革命を様々な視点から読む。これまで多くの関連本を読んできて視点が異なるとこんなにも評価が変わるのか、もっと読まなければと感じます。「暴力の歴史は評価が難しい」との参加者の意見に激しく同意した私です。
・今回同じ作品を異なる訳で読んだり、発刊された時期が違う本を複数読み比べたりしました。図書館がなかったらこんなことはしなかったなあ。図書館に感謝です。
・大変刺激的で、面白い会で、参加できてとても良かったです!
初の読書会参加でしたが、読書会とはこういうものかと、感動しました。
初めて参加してくださる大学生の方を迎え、ちょっと緊張しました。
日時:2021年11月6日(土)
15:00~17:00
会場:兵庫県立生活創造センター
テーマはマスク。 参加者は5名でした。
会場は1年前と同じ生活創造センターです。ひとりひとりの間にアクリル板が設置され、アルコールでの消毒も施し、感染対策をします。ドアを開け放しているので、声が漏れてご迷惑をかけたかもしれません。ごめんなさい。
当日紹介された本たちです。
今回のテーマには苦戦したと話す参加者もいましたが、多くの本たちが集まりました。
テーブルの上にある「マスク着用のお願い」とともに・・・。
・まねが育むヒトの心
(明和政子著)岩波ジュニア新書
・マスク(福井智作 林なつこ絵)童心社
・ディズニー手作りマスク
(佐々木公子著)レディブティックシリーズ
・手作りマスク(寺西英里子著)日東書院
・オペラ座の怪人
(ガストン・ルルー作 平岡敦訳) 光文社文庫
・文豪と感染症(永江朗編)朝日新聞出版 より
・マスク(菊池寛作)
・流行性感冒(志賀直哉作)
・流行性感冒と石(「和解」所収)(志賀直哉作)新潮社
・べにはこべ(B・オルツィ作 村岡花子訳)河出書房新社
・紅はこべ(オークシィ作 中田耕治訳)河出書房新社
・他人の顔(安倍公房著)新潮文庫
・ワイルドフェル・ホールの住人
(アン・ブロンテ作 山口弘恵訳)みすず書房
・ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
(ブレイディみかこ著) 新潮社
・ダブル(深町秋生作)幻冬舎文庫
・蘭陵王(「鍵のかかる部屋」所収)
(三島由紀夫作)新潮文庫
・鉄仮面(黒岩涙香作)旺文社文庫
・赤死病の仮面(E・A・ポオ作 田中西二郎訳)創元推理文庫
Zoom開催もいいのですが、直接顔を会わせるとやはり話が弾みます。
大正8年に神戸市立図書館の蔵書に加えられた、100年以上前の本をみんなで実際に見ることができるのは、ここにいるからですものね。そして「こんなに古い本も所蔵していて普通に貸し出してくれる図書館すごい!」という話に・・・。訳者が違うと固有名詞も変わるのよね、なんて話も図書館で複数の訳者の作品を読めるからこそです。
(1919年刊の「和解」はカーリルではヒットしませんでした。神戸市立中央図書館の書庫に所蔵されています)
黒岩涙香の鉄仮面(昭文社文庫)は神戸市立図書館に所蔵されていないようですが、明治文學全集 47 黒岩涙香集に収めらており中央図書館にあります。
コロナ禍でのマスクが子どもたちに与える影響は少なからず感じていますが、
改めて科学的根拠を示されると、暗澹たる思いがします。
昨年のマスク不足の折りには、しばらく振りのミシンが結構楽しかったことも思い出しました。
いつかは来ると予想していたパンデミック。100年前のスペイン風邪のときのことは多くの作家が書き残しています。うちが何年も前からマスクやアルコールを備蓄していたのは、その作家たちのお陰です。
想像していたのとは違うことも多々ありますが、人のすること、考えることは100年経ってもあまり変わらないようです。
他人の顔になって違う人生を歩む・・・安倍公房と深町秋生という新旧の作家が描く世界を堪能できるのも読書の醍醐味でしょうか。安倍公房好きが何人もいてほかの作品の話題も出ました。最近の若い方は安倍公房を知らない人が多そうですね。
マスクからの連想で出てきたのは「仮面」。自分がどんな人物か、いったい誰なのかを隠してしまう仮面。隠すことで現れる本質もありそうです。
女性だということを隠さないと作品を発表できなかった時代。仮面作家の数々も話題に上りました。
最後に前回紹介された本にどっぷりつかってしまった話が出たことも付け加えておきますね!
難しいと思われたテーマ「マスク」。開いてみるとこのとおり。皆さんの想像力に脱帽です。
次回は来年3月。テーマは愛です。大きなテーマにどんな本が集まるのか楽しみです。
紹介された本は図書館蔵書検索サイト「カーリル」の図書館ネットのページにある“読みたいリスト”に載せています。そのリストから簡単に神戸市立図書館の蔵書検索サイトに移れて蔵書状況がすぐにわかります。過去のブッククラブでの紹介本は“読んだリスト”に移動しています。こちらもワンクリックで蔵書検索ができます。初めての本、初めての作家に出会うためにもご利用ください。
(申し訳ありませんが、IDおよびログインパスワードは図書館ネット会員のみにお知らせしています)
参加者感想
・「本好き」が集まってくださったことを堪能でき、自分になかった本の知識が増えました。
読んだつもりにならないようチャレンジします。
・選書をする過程での迷い道、寄り道はこれまで以上でしたが、コロナ禍のマスクについてのネットニュースを基にして納得できる本に出合いました。参加に皆さまに感謝します。
・久々の対話での読書会で話も弾み良かったです。
「マスク」と言うテーマは難しいと言われていましたがなんやかんやでたくさんの本が出てきました。
・フランス革命を様々な視点から読む。これまで多くの関連本を読んできて視点が異なるとこんなにも評価が変わるのか、もっと読まなければと感じます。「暴力の歴史は評価が難しい」との参加者の意見に激しく同意した私です。
・今回同じ作品を異なる訳で読んだり、発刊された時期が違う本を複数読み比べたりしました。図書館がなかったらこんなことはしなかったなあ。図書館に感謝です。
・大変刺激的で、面白い会で、参加できてとても良かったです!
初の読書会参加でしたが、読書会とはこういうものかと、感動しました。