平成26年10月から始まった、神戸市立小中学校への学校司書配置。
毎年この時期に、
学校図書館活用実践報告会が行われます。
今年は昨日平成29年1月27日(金)に行われました。
参加者は次の方々です。
・市立小中義務教育学校長、副校長、教頭、司書教諭(学校図書館担当教員)など各校より少なくとも1名以上
・学校司書
・高等学校や特別支援学校の教員、学校図書館ボランティア、市立図書館職員等 (私たちは学校図書館ボランティアとして毎回参加しています)
まだ学校司書が配置されていない
学校の関係者に「学校司書が配置されると学校や子どもたちがどう変わるのか」を知ってもらうための報告会でもあります。
なんといっても、神戸市の先生たちは学校司書がいる学校図書館を経験していません。とにかく知っていただかなければ理解は深まりません。教育委員会の皆さんは当初から、学校現場の理解を深めることの重要性について話しておられ、そのための努力を重ねていらっしゃいます。
会場は「ふたば学舎」(神戸市立地域人材支援センター)
ふたば学舎HP旧二葉小学校の校舎を市民の地域活動支援と地域活性化を担う人材育成の拠点として活用しています。
「ふたば学舎」の様々な取り組みはホームページ等をご覧いただくとして…
教育次長のご挨拶のあと
教育委員会事務局生涯学習課の担当者から「学校司書配置事業概要説明」がありました。
学校図書館の目的と機能、多岐にわたる業務の内容、司書教諭と学校司書の役割分担など、基本的な説明にも怠りがありません。
現在、小学校56校、中学校28校に配置されている学校司書ですが、29年4月にはさらに50名程度の配置拡充が予定されています。その学校司書が配置されて
、神戸市の学校図書館がどう変わっていったかを、「整える」「見せる」「つくる」「つなぐ」「広げる」というキーワードに沿って多くの写真を使い具体的に説明されました。
学校司書の資質向上のための研修の多さにはいつも驚かされます。新規採用時研修(1週間程度)、一年次研修(年5回程度)、全体研修(年4回程度)、ブロック別連絡会(年5回程度)。
神戸市立のどこの学校でも同じ水準の学校司書がいることを目指してくださっています。
「学校図書館活用神戸モデル」を作成し、授業での学校図書館利活用がどこの学校でも当たり前になるよう学校現場を支援することも、当初から計画され着々と進められています。
次はいよいよ、実践報告です。小学校と中学校から各1校。
学校司書が配置されると学校図書館が整備され、子どもたちの利用が増えるのは、これはほぼ当然のことかもしれません。これだけでも「図書館に人がいる」ことの大切さはよくわかります。
しかし、授業に学校図書館を活用することは、
図書館の専門家である学校司書、教員である司書教諭、担任教諭の協力と連携がなければ成り立ちません。報告ではどのようにして授業計画を立て、打ち合わせをして、授業を進めたかを多くの実践例を踏まえて紹介していただきました。(多分今回も実践報告集が出ると思います。楽しみです。)
小学校と中学校では取り組み方も課題も異なっているようです。が、肝心なのは
学校長をはじめ、現場の先生方のご理解と協力。そして、まだ授業に学校図書館を利用していない先生方の利用が進むことでしょう。そのためにもすでに実践している学校の報告は重要です。
報告会に参加して、1年目より2年目、2年目より3年目と
実践内容がパワーアップされていることに気づきます。
以前は他都市、あるいは私立学校の学校司書の皆さんのお話を聞きながら「うらやましいなあ」「神戸市でこんな授業をしてもらうのは夢のまた夢なのかなあ」「また要望しないといけないのかなあ」と思っていた私です。でも今は違います。
これらは神戸市の小中学校で行われていることなのです。
すべての神戸市立の小中学校に学校司書が配置されるにはまだ時間がかかります。またすべての学校に配置されたあとも、とぎれることなく学校司書を確保するのは学校数が多いだけに本当に難しいことだと思います。
教育委員会の皆さんが理想を掲げて奮闘してくださっていることに感謝しています。もちろん現場で日々「神戸モデル」を作り続けていらっしゃる学校司書の皆さん、先生方にお礼申し上げます。それにしても、「人」がいる学校図書館を経験したかったなあ。その頃は学校図書館の重要性に気づいかないまま学校の図書室にこもっていただけだから仕方ないか…。でも息子たちのときには学校図書館に学校司書がいるとどんなに素敵な学校になるか知っていたのに経験させてやることができなかった・・・。無念!