奈良県立図書情報館見学会
秋晴れの暖かい一日となった11月22日(火)、奈良県立図書情報館見学会を実施しました。
実は奈良県立図書情報館の見学会は2度計画していながら様々な事情で実現せず、今回やっと行くことができました。
お昼前に近鉄奈良駅に到着し、見学の予定時間までならまちを散策。
古い町並みが奈良の歴史を感じさせます。お寺や神社をめぐるのも奈良観光の魅力ですが、何気ない路地に奈良の歴史が息づいているのを感じるのもいいものです。
さて、移動の時間が来ました。
近鉄奈良駅に戻り、タクシーに分乗。桜が落葉して土手が錦と彩られた佐保川のほとりを通ります。佐保姫と言えば春の女神、佐保川の桜が織りなす春霞は佐保姫が織り出すものと言われています。春の桜の美しさはいかばかりかと想像しますが、落葉の美しさもまた言い表すのが難しいほどでした。(写真を撮り忘れて残念です)
奈良県立図書情報館の東側、正面玄関に到着。先ほどまで見ていた奈良の町並みとは打って変わって近代的な建物です。
建物の大きさもさることながら、敷地の広さに驚きます。
建物の南側には公園のような芝生の広場があり、これがまた広い!
その南側から撮った写真です。
2階と3階が利用者提供スペースです。2階には明るく開放的なエントランスが広がっています。
担当者の方のご案内で1階のお部屋へ。2時間余りの見学会の始まりです。教育委員会所管ではない図書館を見学するのは初めてです。バックヤードを中心とした施設見学と説明のあと、私たちからの質問に答えていただき、情報交換もすることができました。(ご報告する順番は多少入れ替わっているところがあります)
丁寧にご案内くださった職員の方に心からお礼申し上げます。ありがとうございました。
さて、図書館紹介ビデオを見たあと、自動書庫へ。
人の手を全く介さない未来的な情景です。無人の書庫内をコンテナがすごいスピードで移動しています。驚いて写真を撮る手がブレてしまいました!
こちらの図書館は開架25万冊、書庫100万冊の収蔵能力があります。現在の全所蔵数が約70万冊とのことなので、まだまだ余裕があります。
図書館内に数カ所ある↓のようなポイントに目的の本が入ったコンテナが運ばれてきます。返却する場合は本の大きさによってセンサーで空いているコンテナが認識され、このポイントにやって来ます。
全てバーコードで管理されています。
こちらは県内市町村立図書館に貸出しされる本です。この日はすでに発送した後でしたが、発送前ならこの部屋が一杯になっているそうです。
公文書館としての機能も兼ねているとのことで、↓は公文書の集密書架です。知事部局や行政委員会等の行政文書が移管され、明治期以来のものが保管されています。
県内の図書館がまだない地域の学校や公民館への貸し出しをしています。↓は発送を待っているコンテナです。
図書館として直接の児童サービスはしていませんが、授乳室の奥のスペースにボランティアが運営するこども図書室があります。寄贈本で構成され、ボランティアによるおはなし会などもしているそうです。
3階の一角には戦争体験文庫があります。全国から寄贈を受けた資料約5万点のうち約4万点が公開されています。独自の分類で整理され利用に供されています。また定期的にテーマを決めて企画展示も行われています。
古文書は温度湿度を管理している部屋に保管されています。奈良県の名産「杉」でできた棚です。他の機能重視のお部屋と違い、杉のいい香りに包まれています。古文書の整理は「古文書ボランティア養成講座」を受講した方たちが担っています。養成講座は5年間もあるとのこと。整理はまだまだ始まったばかりとのことでした。同じく図書館で養成している「本の修理ボランティア」と連携して作業されているそうです。
県庁所在地では県立図書館と市立図書館の住み分けが課題になることが多いようですが、奈良県では県立図書館は資料の収集と保存を中心にしており、評価が定まった本を原則1冊購入しているとのことです。調査研究型の図書館だということは、その講演会や講座の多さからもわかります。
奈良県ということで歴史学科のある大学や高校の学生や生徒の利用も多く、インターシップを行ってもいるそうです。
県庁の各部署が団体貸出しカードを持っていて、議会図書館と連携してサービスを行っているそうで、職員の利用も多いそうです。図書館の行政へのサービスはなかなか進まない面もありますが、団体貸出しには「なるほど!」と感じました。
これだけ充実したサービスを行っている奈良県立図書情報館でさえ予算が減っているそうです。とくに司書の採用が20年以上なかったと聞いたときには本当に驚いてしまいました。48人の職員のうち20人が日々雇用だ、といただいた要覧に載っていました。どこも厳しい状況に変わりはないようです。
現役を引退したら図書館の近くに移り住みたいと考えている私。奈良市も候補のひとつになりました。
実は奈良県立図書情報館の見学会は2度計画していながら様々な事情で実現せず、今回やっと行くことができました。
お昼前に近鉄奈良駅に到着し、見学の予定時間までならまちを散策。
古い町並みが奈良の歴史を感じさせます。お寺や神社をめぐるのも奈良観光の魅力ですが、何気ない路地に奈良の歴史が息づいているのを感じるのもいいものです。
さて、移動の時間が来ました。
近鉄奈良駅に戻り、タクシーに分乗。桜が落葉して土手が錦と彩られた佐保川のほとりを通ります。佐保姫と言えば春の女神、佐保川の桜が織りなす春霞は佐保姫が織り出すものと言われています。春の桜の美しさはいかばかりかと想像しますが、落葉の美しさもまた言い表すのが難しいほどでした。(写真を撮り忘れて残念です)
奈良県立図書情報館の東側、正面玄関に到着。先ほどまで見ていた奈良の町並みとは打って変わって近代的な建物です。
建物の大きさもさることながら、敷地の広さに驚きます。
建物の南側には公園のような芝生の広場があり、これがまた広い!
その南側から撮った写真です。
2階と3階が利用者提供スペースです。2階には明るく開放的なエントランスが広がっています。
担当者の方のご案内で1階のお部屋へ。2時間余りの見学会の始まりです。教育委員会所管ではない図書館を見学するのは初めてです。バックヤードを中心とした施設見学と説明のあと、私たちからの質問に答えていただき、情報交換もすることができました。(ご報告する順番は多少入れ替わっているところがあります)
丁寧にご案内くださった職員の方に心からお礼申し上げます。ありがとうございました。
さて、図書館紹介ビデオを見たあと、自動書庫へ。
人の手を全く介さない未来的な情景です。無人の書庫内をコンテナがすごいスピードで移動しています。驚いて写真を撮る手がブレてしまいました!
こちらの図書館は開架25万冊、書庫100万冊の収蔵能力があります。現在の全所蔵数が約70万冊とのことなので、まだまだ余裕があります。
図書館内に数カ所ある↓のようなポイントに目的の本が入ったコンテナが運ばれてきます。返却する場合は本の大きさによってセンサーで空いているコンテナが認識され、このポイントにやって来ます。
全てバーコードで管理されています。
こちらは県内市町村立図書館に貸出しされる本です。この日はすでに発送した後でしたが、発送前ならこの部屋が一杯になっているそうです。
公文書館としての機能も兼ねているとのことで、↓は公文書の集密書架です。知事部局や行政委員会等の行政文書が移管され、明治期以来のものが保管されています。
県内の図書館がまだない地域の学校や公民館への貸し出しをしています。↓は発送を待っているコンテナです。
図書館として直接の児童サービスはしていませんが、授乳室の奥のスペースにボランティアが運営するこども図書室があります。寄贈本で構成され、ボランティアによるおはなし会などもしているそうです。
3階の一角には戦争体験文庫があります。全国から寄贈を受けた資料約5万点のうち約4万点が公開されています。独自の分類で整理され利用に供されています。また定期的にテーマを決めて企画展示も行われています。
古文書は温度湿度を管理している部屋に保管されています。奈良県の名産「杉」でできた棚です。他の機能重視のお部屋と違い、杉のいい香りに包まれています。古文書の整理は「古文書ボランティア養成講座」を受講した方たちが担っています。養成講座は5年間もあるとのこと。整理はまだまだ始まったばかりとのことでした。同じく図書館で養成している「本の修理ボランティア」と連携して作業されているそうです。
県庁所在地では県立図書館と市立図書館の住み分けが課題になることが多いようですが、奈良県では県立図書館は資料の収集と保存を中心にしており、評価が定まった本を原則1冊購入しているとのことです。調査研究型の図書館だということは、その講演会や講座の多さからもわかります。
奈良県ということで歴史学科のある大学や高校の学生や生徒の利用も多く、インターシップを行ってもいるそうです。
県庁の各部署が団体貸出しカードを持っていて、議会図書館と連携してサービスを行っているそうで、職員の利用も多いそうです。図書館の行政へのサービスはなかなか進まない面もありますが、団体貸出しには「なるほど!」と感じました。
これだけ充実したサービスを行っている奈良県立図書情報館でさえ予算が減っているそうです。とくに司書の採用が20年以上なかったと聞いたときには本当に驚いてしまいました。48人の職員のうち20人が日々雇用だ、といただいた要覧に載っていました。どこも厳しい状況に変わりはないようです。
現役を引退したら図書館の近くに移り住みたいと考えている私。奈良市も候補のひとつになりました。