奇跡はこうして起こされた
「ヒマラヤ聖者の生活探求」(全5巻。霞ヶ関書房)という、アメリカ人ベアード.T.スポールディングが調査団の一員として19世紀末に東アジアを訪れた時のことを記述した本がある。
著者スポールディングは、インドで奇跡的な力を持つ超人(本書では「大師」と呼称する)達と出逢い、長く行動を共にして、彼や調査団の人達が見た出来事を詳細に記している。
そこには、あらゆる奇跡が溢れている。
まず、大師は、意図があってのことであるが、コップに入った水をスポールディング達の目の前で氷に変えて見せる。
その他の、数多くの不思議な出来事のほんのいくつかをあげてみよう。戸籍上は800歳の美少女がいた。見かけは50代に見える男性の大師も実際は数百歳であるといい、その母親は愛らしい少女の姿をしているが、彼女は、瀕死の重症を負った少年を即座に回復させ、晩餐の場では、空中から食べ物を取り出して調査団にふるまった。
大師達は、激しく流れる川の上を歩いて渡り、遠方へ瞬間移動し、確かにそれを行った証拠も残す。
スポールディングは、自分達は科学的な訓練を受けた調査団であり、これらの見聞が催眠効果であることも当然疑うが、そうではないことを論理と証拠で示すことに留意している。
しかし、最終的な判断は、読者に一任するしかないとした。
この中にある、我々が現実的な意味で興味深いと思える奇跡を、我々自身が行うことについて述べよう。
スポールディングらがインドに来て、長く大師達と過ごすうちに、調査団の人達にも、大師達のような力の発現が見られるようになる。その原因は、主には意識の変革によるものだ。
こんなことがあった。仕事で書類を作成しようとすると、何もしないのに、白紙だった紙が、目の前で自動的に完全な書類になっていくのだった。
苦笑する人もいるかもしれないが、彼らとは全く関わりのない著名な精神科医が実際にそれを体験している。いや、彼は自在にそれを行えるし、おそらく、他の人にもやり方を気軽に教えたはずだ。
その精神科医は、ある時、何かの書類を作成しようとしていたが、それに困難を感じていた。
そこで彼はある手を使ったが、そうすると、彼が気付かないうちに書類は完成していた。彼は、そこに何が書かれてあるか知らなかったが、その出来は彼を満足させる素晴らしいものだった。
その精神科医は、ミルトン・エリクソンという、世界的な賞賛を浴びる偉大な精神科医だ。その素晴らしい治療は、魔法を使って治しているのではないかと言われるほどであった。
彼は20世紀になったばかりの年(1901年)に生まれ、1980年に亡くなったが、彼の治療技術は今でも全く色褪せず、広く研究が続けられている。
さて、彼は、いったいどのような方法で書類を作ったのだろう。
彼はただ、無意識に任せたのだ。
そのためには、要求を確定し、無意識を信頼してトランス(変性意識状態。意識を後退させ、無意識を表に出すこと)に入ったのだ。
「波動の法則」の著者である足立育朗さんは、そういった要求を確定することを「プログラムする」と言っているようだ。彼の妹で、画家の足立幸子さんもそうだ。
例えば、科学上の問題について、その答えを得ることをプログラムして待つのである。
そうすると、やがて解答が意識に伝えられてきて、問題が解決するのである。
このような現象の説明として、チャールズ・ハアネルは「ザ・マスター・キー」で、「潜在意識(無意識と言って良いと思う)は、意識と宇宙意識を媒介する」と述べ、そのノウハウも示している。
足立さんは、以前はそのような時、瞑想し、意識を停止させていたというが、後にはその必要はなくなり、日常の意識でも可能になったという。つまり、エリクソンのようなトランスに入る必要はないということと思う。
ただ、トランスというものは、必ずしも特別なことではなく、日常の中でトランスに入ることがあるのである。
トランスの強烈なものを、マズローやウイィルソンの言う「至高体験」と言うのかもしれないが、ウィルソンは至高体験ですら、ありふれたものであると言っている。
我々もまた、無意識を信頼すれば、想像もできなかったようなことが可能になるのである。
私は、経験上、それが確かであることを知っている。
いくつかの例をあげると、10歳の時、天文の知識を全く持たずに、手に入れたばかりの天体望遠鏡で、月でも見つけるように簡単に土星を見つけて観測し、交通量の多い車道に物陰から飛び込出して安全にそこを渡り、以前に見た時代劇のお気に入りのシーンを録画すると「プログラム」した以外の一切のことをせずに、ビデオのリモコンを握るだけで、望みのものを何度も録画した。
※特に、車道に飛び込むということは決して真似をしないよう。私は7つか8つだったが、馬鹿だったと思っている。
この無意識を信頼するということは極めて重要であり、今後、分かり易く実際的に説明していきたい。
波動の法則 私は個人的には、この本に説明されていることで、精神分析学、心理学、医学、超心理学、閃きやアイディア、成功哲学の全てが説明が付くと思っています。 | |
ザ・マスター・キー 百年近くも前に、量子物理学や精神分析学の考え方とヨガ哲学を融合させ、しかも、自然で納得のいく成功哲学を、分かりやすい通信講座の形で提供した教えを1冊の書籍にしたものです。 その教えは、ビル・ゲイツに大きな影響を与えたと言われ、「ザ・シークレット」にも、数多くの引用があります。 |
ヒマラヤ聖者の生活探求(全5巻) | ||
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Comments
《引き寄せ》 でも サイコ・サイバネティクスでも
教えの核心部分は みな同じのようですね。
すべてを潜在意識に委ねる―――
この一言に尽きるわけです。
自我意識は司令塔であり
明確な目標を設定して
超優秀な部下に伝え (プログラミングす) るだけでいい……。
アルタード・ステーツ つまり意識変容状態は
その最たる形式が 【トランス】 として知られていますけど
仰るとおり
その遷移状態には 多様な段階があるようです。
要は 自我意識が単なる観察者に徹し
潜在意識の仕事を邪魔しなければ良い
……ってことは 目が覚めていても問題ないわけで……。
ちなみに 私は 絵を描くとき
完全自動でペンを動かしてますよ。
「動作トランス」 って自分では呼んでますけどね。
Posted by: Minr Kamti | 2010.02.19 07:42 PM
★Minr Kamtiさん
完全自動でペンを動かすというのは興味がありますね。
潜在意識に委ねるのに最も重要なことは、厄介なことに欲を捨てるということと思います。厄介だ・・・
Posted by: Kay | 2010.02.20 07:33 AM