成功哲学を超えた悟り
億万長者になれると信じ切れれば、億万長者になれます。
プロサッカー選手になれると信じ切れれば、プロサッカー選手になれます。
末期癌になっても、治ると信じ切れれば治ります。
しかし、思いのままに信じ切ることができるわけではありません。
訓練によって、それができるようになる、あるいは、少なくとも向上するかというと、よく分りませんが、私は難しいのではと思います。
確かに、この世は、因果の法則に支配されており、縁の無いことは起こりません。
いくらプロ野球選手になりたいと思っても、その縁がなければなれません。
ただ、その縁があるかどうかの判断はなかなかつきにくいものです。
だから、プロ野球選手になりたかったら、懸命にトライしてみれば良いと思います。縁があれば嫌でもなれますし、なければどうあがいてもなれません。
とはいえ、努力して願いが叶わないとしても、得られるものは実に大きいでしょう。
恋愛も同じで、どんなに好きな人でも、縁がなければ結ばれません。
逆に、嫌な相手でも、縁があれば、どうあろうと結ばれてしまいます。
最も良いのは、自分の運命に従うことです。それであれば、充実した人生を送れます。
別の言い方をするなら、命を運命(さだめ)という神の手に預けることです。
荘子は、思慮分別を捨て、なりゆきにまかせろと言います。
人生は夢のようなものです。夢とはいえ、自分の好きなように出来るとは限らない。しかし、夢を楽しむことは確実にできます。
運命に従うとは、必ずしも残念なことではありません。
スターや金持ちや英雄にはなれないかもしれませんし、美女や美男と結ばれないかもしれません。
しかし、もっと良いことがあるのです。
伊達政宗は天下を取ることを夢み、奮闘しましたが、その運命にありませんでした。しかし、ある時、ふと天下を諦めます。だから彼は、後世で、秀吉や家康とは全く異なる輝きを持つ武将として知られることになるのです。彼の魅力は、彼と同等程度に成功した武将はもちろん、秀吉や家康をも凌駕します。そして、彼は天下を取るより幸福だったのです。政宗は政宗であったからです。
荘子 何度かご紹介した、徳間文庫の荘子です。 私は、これのハードカバー版を長く愛読していました。竹村健一氏や邱永漢氏が、荘子を無条件に賞賛するのに興味があったからでした。彼らは孔子もよく理解していますが、どうも荘子の方を高く評価しているように感じます。 私は、荘子はある意味、仙人養成書と感じますし、成功哲学書より壮大な成功哲学書であるとも思います。本当に価値を知る者から見れば、世界的な成功哲学書も、これに比べれば卑小に感じるに違いありません。 よく読めば、あちこちに魔法のような秘法すら、いともさりげなく教えています。このさりげなさが本物の証のように思います。 |
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Comments
はじめまして
いつも楽しく拝読させていただいております
KAY様の記事はとても共感します
老荘に関しても30年以上つきあっております
あるときは老子に傾倒し
あるときは荘子に深く共感します
昔私もITの会社を経営をして一時期は数十億の財産を稼ぎ成功者と羨まれたときもありました、あるとき一瞬にしてそれをなくしました。そして、今は本当に貧乏な生活をしておりますが、貧乏がとても居心地がよく、気持のよい毎日を送っています。お金のない今のほうが幸せです。もちろんその気になればいつでも数億円ぐらいは稼げるでしょう。決して負け惜しみではありません。KAYさんならこの感覚を理解いただけるでしょう。
今は運命の流れにまったくさからわないで生きています。まさに自然(タオ)に自分をまかせている感覚です。ここが私のコンフォートゾーンなのでしょうね。
ついつい、うれしくなってコメントしてしまいました。
今後ともよろしくお願いします。
Posted by: ガマ仙人 | 2009.12.26 10:02 AM
★ガマ仙人さん
はじめまして。
温かいお言葉をありがとうございます。
素晴らしい生き方をなさっておられますね。
タオイストとして、私のコンフォートゾーンもそれに近いものでしょうが、まだまだ心に迷いがあるようです。それに、親が贅沢なもので・・・は、言い訳か(笑)。
私の身近に、成功して苦しんでいる人もいます。事業を始めた時は苦しくても楽しかったらしいのですが、色々問題を抱えてしまっているように思います。
「仕事で使える・・・」を書店で長く見ています。素晴らしいロングセラーですね。立派な人にコメントいただき、感激です。
ガマ仙人さんのブログを見させていただいております。本当に憧れます。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。
Posted by: Kay | 2009.12.26 04:10 PM
KAYさん
再びコメントさせていただき申し訳ありません。
いやあ、びっくりです。やはり、KAYさんは魔法使いですね。ブログにもどこにも書いていないのに書名を知っていなさるとは、おどろきです。天眼通というのは実際にあるのですねえ。
ところで、私のブログからリンクさせていただいたのですが、もし不都合であれば削除いたしますので、よろしくお願いします。
Posted by: ガマ仙人 | 2009.12.28 03:10 AM
★ガマ仙人さん
ありがとうございます。
私の方も、リンクさせていただきました。
どうじゃ、私の天眼通は・・・って、本当はISBNコードで検索しました・・・なんて、バラさない方がいいのにとか思います(笑)。
でも、書店でよく見たのは憶えています。やはり、かなりのロングセラーなのですよね。
今後とも、よろしくお願いいたします。
Posted by: Kay | 2009.12.29 06:40 AM