現実世界と情報世界
私には、インターネットというものは、この世とあの世のはざ間にあるもののように思える。
あの世は、完璧な情報世界だ。
我々、この世の人間には、見ることも、聞くことも、指で触ることもできない。
あの世は霊の世界であるが、それは情報世界であり、あの世や霊があるとかないとかを、まるでこの世に存在するものと同等に考えたり議論しても全く意味はない。言ってみれば、有ると言えば有るし、無いと言えば無いのである。
しかし、インターネットは、物理世界と情報世界にまたがって存在している。
ところが、そのようなものは、インターネットが無い時代からあった。
金融取引である。
いや、そもそもが、お金自体が情報世界のものである。
人類は、文明の初期から、情報世界を扱ってきたのである。
お金というのは、コインやお札ではない。それらは単なる象徴だ。本質は情報なのである。
現在は、情報の扱い方が上手いと、お金は無限に稼げる。
ほとんど社会経験のない若者が株取引で月に何億円も稼ぐかと思えば、元証券マンで長い社会経験を持つ者が同じことをしても全く儲けられないばかりか、大損をしたりする。その違いは、情報の扱い方の能力である。
ただ、情報を扱って儲けたお金を物理世界で使うのは本来タブーであり、そんなことが横行すると、個人にも社会にも災厄が起こる。
金融破たんはその端的な例だ。
この現象は、インターネットなど比較にならない高度な情報世界の関与によって起こるものである。
毎日、長時間汗を流して働いて年収200万円の農家が作った作物を、家の中でパソコンを操作するだけで稼いだお金で買おうとすると、高度な情報世界の作用を受けるのである。それは罰とかいうものではないのだけれど、結果としては悲惨な現象となるかもしれない。
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Comments
理系の自分としては、
こうした情報社会の哲学的解釈は、非常に興味深い問題です。
Posted by: Raimu | 2009.10.14 09:56 PM
★Raimuさん
理系の超天才、苫米地英人さんも著書にこんなことをよく書いておられます。
Posted by: Kay | 2009.10.15 06:22 AM
ありがとうございます。
追伸です。
一つ気付いたのは、今日の音楽等の違法ダウンロード問題も、この問題に関わることだと思いました。
それから、最近、映画「サマーウォーズ」を観ました。
インターネット場の仮想世界『オズ』というのが登場し、
それがトラブルを起こす話なので、これと関連することだと思いました。
非常に面白かったです。
Posted by: Raimu | 2009.10.15 07:26 PM
興味深い記事をありがとうございます。
夢は紙に書けってよく言いますが、そういうことですね。
夢やアイデアや知識は、頭の中にあるだけでは、ただの情報で、簡単に消えてしまいますし、人にも伝わりません。
紙に書くことは、現実世界に引き出すって事ですね。
他の記事も読みに行きます。(^^)/
Posted by: | 2009.10.16 04:41 AM