世界を発展させた本当の偉人
以前も書いたことがあるのだが、フォード自動車創業者のヘンリー・フォードは、トラインの“In Tune with the Infinite”という本が自分の成功の大きな要因であると言い、この本を自宅にストックし、訪問者にプレゼントしたという。
トラインとは、ラルフ・ウォルドー・トラインで、アメリカの思想家・著述家である。
トラインは1866年生まれ。この“In Tune with the Infinite”を著したのは1897年というから、トラインが30歳くらいのことだ。
そして、この本は20ヶ国以上で出版され、書かれてから100年を超える現在も読み継がれている。
日本では、まず、1966年に、新興宗教団体「生長の家」の創始者、谷口雅春氏により、重厚な文語体で翻訳されて、日本教文社より出版されている。日本語タイトルは「幸福はあなたの心で」となっている。
原題の“In Tune with the Infinite”は、無限者(神)と調和して生きるといった雰囲気だろうか?
2005年には、サンマーク出版から『人生の扉をひらく「万能の鍵」』というタイトルで、通常の口語訳で出版されている。
尚、このラルフ・ウォルドー・トラインという名前であるが、トラインは「コンコードの哲人」と呼ばれるアメリカの思想家、詩人、哲学者であるラルフ・ウォルドー・エマーソンを崇拝し、その名をペンネームとしているようだ。
大変な憧憬振りであるが、実は私も、エマーソンに関しては同様の気持ちがある。
ヘンリー・フォードに関しては、私は昔、彼の自伝「藁のハンドル」を読んだが、素晴らしい人物と思う。
当時、庶民には全く手の出ない超高級品であった自動車を、自動車工場の労働者でも買えるものにし、アメリカの自動車社会の基礎を作った。
利益のためではなく、産業界のサービスを活かす試みとして病院経営にも乗り出した(実際、利益は出なかった)。
非常に若かった私が最も学んだことは、販売やサービスを行わずに利益を得るマネーゲームをやれば、必ず破綻するというフォードの言葉だ。それは、ある意味、あまりに常識であり、特にアメリカでは、過去、何度も派手に実証されたが、金の亡者達はまるで懲りないのだ。近年では、この点に関し、日本は主人の真似を繰り返す家来のごとしである。
伝説のビッグ・ビジネスマンで、ドクター・ハマーの愛称で知られるアーマンド・ハマーも自伝で「金儲けは正々堂々とやれ」と書いているが、彼は医学生であった23歳の時には巨万の富を得、そこから彼の壮大な人生が始まっている(23歳にして、彼は青春終了宣言をする)。そして、彼のその言葉は、正々堂々でない金儲けが不幸な結果にしかならないことを示唆しており、正々堂々でない金儲けとは、まともな販売やサービスを伴わないものであろう。
天才的な脳機能学者で計算機科学者の苫米地英人氏は、著書で「情報空間で稼いだ金で、物理空間のものを買ってはいけない」と書き、その本質を見事に明らかにしている。
尚、ヘンリー・フォードの後継者のフォード2世は、優れた人物であったはずだし、会社も発展させた。フォード2世会長とリー・アイアコッカ社長のコンビの時代は、2人で全米の高額所得者の1、2位になったこともあったようだ。
フォード2世がアイアコッカの首を切った背景は、アイアコッカの自伝でしか読んでいないので、正確なところはどうだったのか分らない。アイアコッカはフォード2世を陰湿なところがある、複雑で屈折した人物と見なしていたと思う。
アイアコッカは、フォードを解雇された後、経営の危機に瀕していたクライスラーの社長になり、見事に復活させたアメリカの英雄だったので、彼のフォード2世評が人々に受け入れられたようなところもあるが、フォード2世もまた、大変な実績を持つ経営者であるらしい。また、アイアコッカも、クライスラーその他で巨額の退職金を得たりと、後にやや評判を落とした感もある。
こうして見ると、フォード2世の時代には、巨大な利益を生む自動車産業に歪みが生じ始めていたのだと思う。
アメリカの自動車産業を築いたのはヘンリー・フォードであるが、フォードを成功させたのはトラインの著書であり、そのトラインはエマーソンの強い影響を受けた。
すると、アメリカの発展に関して、ラルフ・ウォルドー・エマーソンの貢献の大きさは計り知れない。
そして、エマーソンはスウェーデンの科学者、政治家、神秘家であるエマニュエル・スウェーデンボルグの強い影響を受けていることは間違いない。スウェーデンボルグの偉大さについて、ゲーテ、カント、鈴木大拙、ヘレン・ケラーらも最上の言葉を残している。
確かに、アメリカ始め、資本主義経済社会の弊害も大きく、それは近年、とみに顕在化している。
しかし、フォードも、鉄鋼王カーネギーも、鉄道王ヴァンダービルトも、石油王ロックフェラーも、彼ら自身は世界の発展に貢献したと言えると思う。
ウォレス・ワトルズは、歴史的著書“The Science of Getting Rich”(邦訳は『富を「引き寄せる」科学的法則』他多数ある)で、彼らは役割を終えて滅びた恐竜であるが、世界の発展のために必要があって神が登場させたと言う。そして、我々は彼らの真似をする必要はなく、また、してはならないと警告する。
では、資本主義経済社会の欠点を深く認識した上での、成功法則を我々は修得した方が良いかもしれない。
私なら、この意味でも、ストックして配りたい本といえば、苫米地英人さんの「本当はすごい私」だ。
正直言って、私は、苫米地さんの、膨大な数の著書の全てが良いとは思っていない。
これも、苫米地さん言うところのスコトーマ(心理的盲点)が私にあるせいなのかもしれないが、彼には胡散臭く思える部分もなくはない。
しかし私は、彼のおそらくは最も最初の著書である2000年の「洗脳原論」の時から、彼を最大評価していた。
それに、これだけ胡散臭く思いながらも評価するあたり、その理論は本当に優れたものである。
「本当はすごい私」には、「ドクター苫米地式タイス・カード」という素晴らしいツール(10枚の名刺大のカード)が付いている。それぞれのカードには、易しい言葉ながら、誰も知らなかったような重要な言葉が書かれている。それを使いこなせば、いかなる願いも叶うだろう。
本当はすごい私 ここまで読んでくれた人に紹介する。驚異的ツールである10枚のカードが付いた、あらゆる成功哲学の欠点を克服した恐るべき書だ。 |
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Comments
kayさん
いつもおせわになります。
苫米地さん本はちょっと胡散臭いので
今まで遠慮してました。ありがとうございます。
早速、読んでみます。
昨日久しぶりに献血したのですが、
前回(2年前)に比べ体重が随分落ちた
私に「何か大きな病気をされたのでは?」
と真面目に聞かれた時には笑ってしまいました。
贅肉が落ちてむしろ健康になったほう
なんですけどね(笑)。
世間様の困った価値観ですね。
Posted by: でるお | 2009.10.31 11:37 AM
★でるおさん
苫米地さんの本は、「本当はすごい私」以前は、理論は凄かったのですが、実践面がかなりひどかったと思います。
しかし、ルー・タイスと関わったためか、この「本当はすごい私」は、実践も素晴らしくなりました。
タイス・カードの威力は凄いです。金程度ならいくらでも・・・
私も、久々に会った人には、ほぼ皆に「病気?」と聞かれます。また、よく会う人にも「体調はどうですか?」と挨拶代わりに聞かれます。
Posted by: Kay | 2009.10.31 04:47 PM
お世話になっております。
苫米地さんの本はKayさんのブログがきっかけでよく読むようになりました。水野南北の「南北相法修身録」も何とか入手できました。ありがとうございます。
私も肉食禁止と1日1食(私の場合は夕食です)を継続するようになってから、「やつれたね」、「覇気がない」などとよく言われます。
特に「覇気がない」は結構ショックです。自分としてはみなぎっている感じなのですけれどね。みなさん結構言われているものなのでしょうか……。
それと、私はまだ、ときどき甘い飲料(砂糖入りのココアやカフェオレなど)を合間に飲んでしまうのですが、これについてKayさんはどう思われますか?ご意見をお聞かせ下さると嬉しいです。
Posted by: 納豆会計 | 2009.10.31 10:51 PM
★納豆会計さん
急激に痩せると、顔が落ち窪んだ感じになるかもしれません。その時は、やや元気がないように見えます。
顔に、オリーブオイルとか、ニベア・フォー・メンとかを塗ってツヤと張りを出すと良いですよ。
斎藤一人さんによると、顔にツヤを出すだけで幸福になるそうですし、モテますよ。
私は、今はモテたくないですが・・・
甘いものは、大いに結構です。
別に苦行をしなくても良いのです。固形物を食事の時以外に食べなければ、少々は構いません。
私は、朝と午後3時に、甘いココアやカフェオレを飲みます。
それに、脳には糖分(正確にはブドウ糖=グルコース)が必要です。過剰に摂るのはいけませんが、少しは摂った方が良いです。
私は、少し前は黒砂糖を持ち歩いていましたが、今は、頭の働きが悪いと思ったら、蜂蜜黒糖喉飴という飴をお昼に1つだけ舐めています。それですっと気分が良くなります。
もちろん、ハチミツ飴でも、ココア飴でも、品質の良いものなら何でも良いと思います。
Posted by: Kay | 2009.10.31 11:43 PM
タイスカード楽しみです。
いつもありがとうございます。
Posted by: でるお | 2009.11.01 06:26 PM
なるほど、顔のツヤが大事なのですね。
斉藤一人さんの本はまだ読んだことがないので初耳でした。
オリーブオイルやニベアは今まで使ったことがありませんでしたが、早速購入してみます。
それでモテるのなら尚更嬉しいことです(笑)。
甘いものは問題ないということで安心しました。
適度な糖分補給をしながらであれば、これからも固形物による1日1食(そして肉食の禁止)は継続できそうです。飴という手段も参考になりました。
これからも色々と参考にさせて下さい。
ご回答ありがとうございました。
Posted by: 納豆会計 | 2009.11.01 07:49 PM